人間というのは不思議なもので、事前の期待が大きければ大きいほど
余程出来が良くなければ「面白かった」と感じない。
反対に、期待が大きくなければ、そこそこの出来でも楽しめたりする。
・地雷の宝庫であるゲームの実写映画化作品
・未だに忘れられないデヴォン青木主演の「DOA」というトラウマ
→【紹介記事】眩暈すら覚える強烈な安さ「DOA デッド・オア・アライブ」
・監督が「DENGEKI 電撃」「DOOM」のアンジェイ・バートコウィアク
・3月13日公開の「DRAGONBALL EVOLUTION」との嫌な相乗効果
(どっちもダメだろう、というセット感)
本作の場合、テンションを下げる要素が豊富にあったため
私の期待値はほぼゼロの状態から観させていただいたのだが、
それがかえって良かったのかも知れない。これは案外イケる。
魅力の大半が、春麗を演じた「ヤング・スーパーマン」の
クリスティン・クルックであることは内緒だが、
映画本編もそこそこ楽しめたのは意外であった。
今回は「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」を紹介しよう。
■YouTube:「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー 予告編」
まずは、原作ファンが最も気になっているであろうキャストの比較から。

(c) CAPCOM CO., LTD. / Based on Capcom's Street Fighter Video Games
うむ、「DOA」ほど悪くない。
元がナンちゃん(南原清隆)に似過ぎている点は気になるものの、
全体的には、原作に縛られ過ぎても、かけ離れてもいない
程良い距離感を保ってキャスティングされている。
本作がそこそこまともな映画として成立しているのは、
ヴァン・ダム版の反省を活かしてか、「ゲームらしさ」を極力抑えている点だ。
ナッシュはソニックブームを出さないし、バイソンはボクサースタイルではない。
ベガはマントを羽織っていないし、ワープしたり空中に浮かんだりという
サイコパワーも一切使わない。バルログの衣装も露出度は控え目(ただ弱過ぎ)。
そもそも、(最後の最後以外で)必殺技というものが登場しない。
ゲームではキャラごとの特徴を分かり易い形で見せる必要があっても、
映画でキャラを演じるのは、あくまでも生身の人間である。
バートコウィアク監督は、「ロミオ・マスト・ダイ」や「ブラック・ダイヤモンド」で
ジェット・リーを主演にしたアクション映画を撮っているだけあり、
アクションに対しても「人間が再現出来る範囲の華麗さ」という
こだわりがあったのではないか。
そう考えると、本作に人間離れしたキャラが登場していないのも頷ける。
細部の辻褄が合わないなど、脚本が酷いのはバートコウィアク作品なら
いつものことであるし、相当に安かったであろう製作費を考えればこれで充分。
ただし、期待値を低くしておくに越したことはない。
C級だと思って観に行ったらB級で何だか得した気分。
この心構えで劇場へ。
余談。
エンドロールのEXILEは、ゲーム版との兼ね合いもあろうしまだ許せる。
が、本編終了後の4分アニメは完全な蛇足。
本編だけではゲームファンに申し訳ないとでも思ったのかも知れないが
口直しになるどころか本編の余韻もぶち壊しである。
しかも最後の最後で「ストリートファイターIV」の広告入り。
やることが下品過ぎだろう。広告は金を払ってシネアドでやれ。
映画だけを純粋に楽しみたい方は、エンドロールでさっさと席を立つべし。
■Xbox360:「ストリートファイターIV」
■PS3:「ストリートファイターIV」
■DVD:「ストリートファイター」(2月25日発売)
■DVD:「ストリートファイターII V DVD-BOX」(3月18日発売)
■DVD:「ストリートファイターZERO THE ANIMATION DVD BOX」(3月18日発売)
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タイトル:ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー
配給:ギャガ
公開日:2009年2月28日
監督:アンジェイ・バートコウィアク
キャスト:クリスティン・クルック、マイケル・クラーク・ダンカン、他
公式サイト:http://streetfighter-movie.gyao.jp/
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