「サヨナラCOLOR」と「Hana-Uta」 | 忍之閻魔帳

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■DVD:「サヨナラCOLOR」

久しぶりに懐かしい曲名を聞いたと思ったら、
竹中直人の映画の題名だと聞いて驚いた。
偶然でも何でもなく、エンディングで使用されているという。
ハナレグミ(SUPER BUTTER DOGの永積タカシのソロユニット)と
竹中直人というのは、何だか合うような、合わないような、
正直微妙な気持ちだったのだが、
エンドロールに乗ってこの曲が流れて来て納得、
この映画にはこの曲しかないと思った。
2001年に生まれた、
「この映画の為に書き下ろされた曲ではない曲」が
日暮れの浜辺で佇む原田知世の映像とこんなにもマッチするのは
この映画がそもそも、竹中直人が「サヨナラCOLOR」という曲に
インスパイアされて出来上がった映画だからだと後になって知った。

段田安則、中島みゆき、久世光彦、片桐はいり、安斎肇などの個性派に
永積タカシ、原田郁子、北川悠仁、田島貴男、
斉藤和義、浜崎貴司、大森はじめ、高野寛、スチャダラパーなど、
「TVではあまり見掛けないものの、その筋では有名」なアーティストが
大挙してカメオ出演している。
これほどアクの強い面子が不思議なほど綺麗に収まっているのは
ひとえに竹中直人の人徳の成せる業なのだろう。

ただ、ストーリーはちょっと凡庸過ぎかなという気もする。
高校時代に憧れの存在だった未知子(原田)に
今なお恋い焦がれる佐々木(竹中)という構図はいいとしても、
学生時代「佐々菌」と呼んで毛嫌いしていた佐々木に
未知子が傾いていくには、もうひとつ動機が弱いと思うのだ。
何と言っても相手は「菌」である。
もっとガツンと来る決定打が欲しかった。

他にも細かな不満はけっこうあるのだが、
エンドロールが終わる頃には全て忘れていた。
本作で使用されている「サヨナラCOLOR」は
映画用に新たに録り直されたもので、
忌野清志郎がサポートボーカルとして参加している。
失礼を承知で言うと、これが映画の内容よりも涙腺を直撃するのだ。
清志郎は本当にこの手の曲が良く似合う。
RCサクセションの「スローバラード」に泣かされた世代の私としては
こういう曲が現代でもちゃんと受け入れられ、
それなりの評価を受けていることを嬉しく思う。
7月にリリースされたSUPER BUTTER DOG名義のマキシには
清志郎とのバージョンは収録されておらず、
サウンドトラックCDの中でしか聴けないという。

ということで、久々にCDを2枚同時に購入した。
1枚目はもちろん「サヨナラCOLOR」のサウンドトラック。
もう1枚は、ハナレグミのベストアルバム「Hana-Uta」だ。
永積タカシの歌は、いつも日暮れ時に聴きたくなる。


■CD:「サヨナラCOLOR 映画のためのうたと音楽」
■CD「hana-uta ハナレグミ」

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  タイトル:サヨナラCOLOR
    配給:ザジフィルムズ
   公開日:2005年8月13日
    監督:竹中直人
    出演:竹中直人、原田知世、段田安則、他
 公式サイト:http://www.zaziefilms.com/sayonara-color/
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