mokiti okada -72ページ目

アレヨアレヨ

アレヨアレヨ

『栄光』166号、昭和27(1952)年7月23日発行

 今度神仙郷が完成し、美術館も出来たが、これは本教モットーである地上天国、すなわち真善美の中の美の面の最初の小さな模型であるから、いずれはこの模型が段々育ってゆき、世界大となるのはもちろんであって、一点の疑う余地などないのである。それから真と善も形はないがいずれは具体的に表われる時が来るからそのつもりでいて貰いたいのである。右のごとく神様の経綸は眼には見えないが、霊界ではズンズン進んでいるのであるから、いずれは三大目標が世界の表面に現れるとなったら、その時は何人(なんぴと)も吃驚仰天、開いた口が窄(すぼ)まらぬであろう。
 そうなってから、アア俺は長い間飛んでもない誤解をしていた。メシヤ教こそ最後の救いであった事を知らなかった。何と自分は迂闊(うかつ)であったのであろう。といっても今更頭を下げて行くのも強腹(ごうはら)だと、歯ぎしりする人も沢山出来るだろうし、しかもそういう連中はインテリやジャーナリストの特別鼻の高い人に多いのだから、気の毒でもありおかしくもある。
 本来神様というものはまことに皮肉に見えるものであるが、本当からいうと皮肉でも何でもない。つまり人間の方で皮肉を作り、その皮肉で苦しむのだから、神様からみれば哀れな仔羊である。そんな訳で今に世界中の偉方もそうだが、特に日本の偉方達は一同魂消(たまげ)て、アレヨアレヨと空を見つめて茫然とするであろうから痛快でもあり、可哀想でもあるから、このアレヨアレヨ組に、今からチクリと針を刺して、気を付けておくのである。

或質問者への応答

或質問者への応答

『光』46号、昭和25(1950)年1月21日発行

 ある日、信者の中の幹部級の者が「伺いたい事がある」と言って来た、早速私は遇ったところ、彼の質問事項は「某に対し、某の噂が間違っている、それを某が語ったので、その誤解を解きたい」と言うのである、それに対し私はこう答えた。
私「私は今、世界人類救済の大業のため、極度に時間を有意義に利用している、従って君の問題が人類救済にどれだけの関係があるか、それを話しなさい」と言ったら、彼は吃驚仰天(びっくりぎょうてん)三拝九拝してそうそう辞去した。
 右のような笑えない喜劇がよくあるのである、いよいよ最後の世は迫りつつあり、神様は一人でも多く救わせられようとして私を通じて大慈悲的活動を垂れつつあるにかかわらず、個人的の利害や感情問題などを訴えて来るという事は、この信仰を何と心得ているのか解し難いのである、しかし右のような考え方の信者も相当あるであろうから、頂門(ちょうもん)の一針(いっしん)としておいたのである、それで帰りかけの彼に言ってやった。
「そんな暇があったら、神様の本を出来るだけ読みなさい」。

(注)
頂門(ちょうもん)の一針(いっしん)、頭の上に一本の針を刺すように、人の急所をおさえて戒めを加えること。

或質屋の話

或質屋の話

『光』26号、昭和24(1949)年9月10日発行

 この間東京神田の某質屋の主人から聞いた話だが、最近質屋は大繁盛であるそうで、新規開業も殖えつつあると言う事だ、そうしてこの原因はと聞いてみると「病気のため」で、今日医師に罹った場合、医療費が非常に高くしかも長びくので、生命には代えられないからヒト工面しても続けなければならないという訳で、全く悲惨な話であるというのだ、次は、勤めている会社の給料遅延とこの二つのためというのだ。
 右二つを社会問題として観る時、由々しき大問題であると共に、その解決こそ焦眉の急を要する、すなわち給料遅延は大した問題ではないが、医療費問題の方は底知れない深刻さがある、とすれば本教浄霊のいかに重大意義を有するかである、実際上現代医学はその点忌憚(きたん)なくいえば病気を治癒する力はないのだ、吾らが常に言うごとく、医療は一時的苦痛緩和だけの効果で、その苦痛緩和の方法が、実は病気増悪の原因となる事など全然知らないのだから問題は重大だ。
 この一大誤謬に目覚めないがために、人間はいかに病苦に災いされると共に、その結果として貧窮の境地に落込むという二重苦だから何たる悲惨事であろうか、何よりも前記の質屋の問題だけにみても明らかで、これは氷山の頭が見えたのと同様であろう。
 以上の事実に対し、罹病の場合僅かな治療費で短期間に全治するという医術が生れなければ人間は余りに可哀相(かわいそう)だ、しかし世人はそのような夢にも等しい医術が生れようなどとは想像だも出来ないから、現状のままの状態で仕方がないと諦めて、相変らずの悲劇を繰返しているのが今の実情だ。
 ところが、本教浄霊法こそ右の夢が具体化したものである以上、現社会のこの欠陥に対し晏如(あんじょ)し得ないのだ、そのため本教発行の光新聞及び雑誌地上天国、種々の著書をもって目的達成に邁進しつつあるのだ。
 先日ラジオの「家庭の話題」の時間に、右の質屋の主人がその事を話したが放送局は肝腎な所を削ってしまったとはおかしな話だ、マサか放送員が医師会から賄賂を貰った訳でもあるまい、とすればいよいよ判らない。