キハ183系全形式解説① | 北海道限定の鉄道ブログ

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さて、ブログを見返したら、キハ183系の解説を1回も行っていなかったようなので、やっていこうと思います。まぁ、この手の記事はすでのいろんなところでされてるんですけどね
 
番台ごとに区分けしていきます。番号の小さい順に見ていきますが、例外として、900番台は最初に行います。また、現役の車両に関してのみ、特に詳しく書いていこうと思います。
 
・900番台
kiha183-900
僕が撮った事は1回もありませんでしたが、親父が試運転の写真を撮っていました・・・すげぇ
 900番台は、試作車です。一番最初に作られた形式ですね。当時、全気動車特急を網羅していたキハ82系を置き換える事を目的として1979年に製作されました。北海道は、とりわけ極寒のため、とにかく寒さ・雪に強い気動車を作る事を目標に作られました。キハ82・キハ181といった貫通型の「国鉄顔」ともいえる独特の形状を捨て、俗に言う「スラントノーズ」という斬新な形状で登場。貫通型にしなかったのは、北海道では、分割併合といった運用が少なく、これからは編成が短く、固定になっていく、という見方があったからと思われます。
 また、当時の北海道は線形が良くなかったためか、キハ181系のような高速運転を見据えた車両ではなく、最高速度もキハ82系同様の100km/hとして開発されています。
 
 試作車は、大きくは量産車である0番台と変わりませんが、およそこのような違いがあります。
・スカートの形状(900番台は下側が折れている)
・客室窓の一部に非常用開閉窓が存在する
・客室後部に非常扉がある。これはキハ80系で採用されていたものの名残
・グリーン車のキロ182・発電エンジンがあるキハ184はドア等の配置が異なる。また、キハ184-900はトイレ・洗面台が設置されていた
 
エンジンは、0番台と同様に
発電エンジンを持つキハ183・キハ184はDMF15HSA(220PS)
               発電エンジンがDMF15HSA-G(220PS)
発電エンジンが無いキハ182・キロ182がDML30HSI(440PS)
となっています。
 
 12台が製造され、登場当初は、各種性能試験の後、函館~釧路間特急おおぞら「3・2号」に隔日で運転され、長期試験を行いました。結果は悪くなかったようですが、やはりキハ80系時代には当たり前のように存在した食堂車の廃止は、当時としても不満が残るレベルだったようです。一応、対策としてキロ182には軽食が作れる機能を持った大型の車販準備室が作られています。現在のキロ182(0・500・7550番台)で見られるカウンターまであるお店のような車販準備室は、その名残だったりします。
 
1985年に、量産車同様に最高速度を100km/hから110km/hに引き上げる改造が行われています。ブレーキの改良と、エンジンの回転数の変更が主です。これにより
 
エンジンは、0番台と同様に
発電エンジンを持つキハ183がDMF15HSA(250PS)
発電エンジンが無いキハ182・キロ182がDML30HSI(500PS)
となっています。発電エンジンが向上したかは不明です・・・
 
 また、短編成・高頻度の特急政策がとられた1985年に、短編成で余剰となるキハ184-901が逆に不足するグリーン車に改造されました。これがキロ184-901となります。この辺からキハ183系がややこしくなっていくんですね・・・。
 こちらの車両は、発電エンジンの冷却ラジエーターがあった部分に車販準備室を設置、強引にグリーン座席に交換するという、けっこうやっつけ仕事となっています・・・。特に問題だったのがエンジンで、ほかのキロ182が出力500PSだったのにたいし、このキロ184は半分の250PSしかなく、予備車のポジションとなってしまいました・・・。後に、せめてもの情けか1550番台で採用されたDMF13HZ(330PS)に換装しましたが、それでも全然不足してますね・・・。
 それでも、キハ283系登場後の特急おおぞらでもHET色となって使用されており、結局、晩年は特急おおぞら専用車となっていたようです。キハ283系が増備され、この特急おおぞらのグリーン車がキサロハ182に変更となった2000年に運用離脱。2001年廃車・解体となりました。
 
 いっぽう、ほかの車両のうち、キロ182-900ですが、こちらも乗降ドアの位置がほかのキロ182とことなることからかもっぱら予備車だったようです。1990年ごろからは、オホーツク用のキロ182をキロハ182に改造するシーズンに入っていましたが、それ以外だと代走くらいでしか入ってなかったのではないでしょうか・・・。一応、2001年まで残っていたようです。
 
キハ183・キハ182は量産車と混ざって運転されていたようです。1990年ごろからオホーツク色に塗り替えられて、スーパーとかち・オホーツクをメインに充当されていたようです。
 
こちらも2001年廃車、900番台は2001年に形式消滅となっています。キハ183-902が廃車後に789系0番台の塗装試験として「スーパー白鳥色」に塗装されたのは有名な話ですねw
 
0番台
 続いて、0番台です。試作車の結果を受けて、若干の仕様変更をして1981年から83年にかけて量産。キハ183系グループ最多の89両が製造されました。特急おおぞら・北斗・おおとり・北海・オホーツク・とかち・スーパーとかち・サロベツ・今後は大雪も・・・と、各形式で運用され、未だに現役の車両です。
 
エンジンは、0番台と同様に
発電エンジンを持つキハ183・キハ184はDMF15HSA(220PS/改良後250PS)
               発電エンジンがDMF15HSA-G(220PS)
発電エンジンが無いキハ182・キロ182がDML30HSI(440PS/改良後500PS)
となっています。
 
さて、この0番台、かなりいろいろ改造が行われた車両が多いのですが、改番された車両は後述とします。
 
 キハ184-11は1990年にフラノエクスプレスの増結用として、唯一キハ80系と連結した車両です。この措置は半年程度だったようで、すぐに新特急色に戻されています。ちなみに、このキハ184-11、4年後に石勝線おおぞら10号脱線事故でキハ183-502・キハ182-33とともに転覆、解体となっています。
 余談ですが、この特急おおぞら10号、某所で公開されている資料によると、[キハ183-502][キハ184-11][キハ182-33]と連結していたのですが、この次位の車両がオホーツク色に塗り替えられていたキハ182-23。実は現役なんです・・・。しかも、2017年ダイヤ改正でも残る可能性が高い車両だったりします・・・。不死身なんですかね・・・。
 
 1990年、初のモノクラス特急「とかち」が登場したのですが、キハ183系特急では、車掌さんはグリーン車に乗ってドア操作・車内放送を行っていたため、グリーン車を連結しない特急とかちでは、新たに車掌室が必要・・・?だったみたいです(実際のところ、最後尾の運転台を使えばどうとでもなると思うのですが・・・。現在の特急サロベツではこのやり方をとっています)。このためキハ183-17~20の業務用室という微妙な存在だったところに車掌室を設置しました。
こんな感じで小窓ががあります。
 
 1995年には、キハ183-3に「ちゃいるどさろん」というものを設置しました。これは、特急オホーツク・おおぞらといった特急が全区間を通して乗ると4時間から5時間かかるため、子供が飽きてしまうケースが多かったことから、子供の遊び場を車内に作ってしまおう!という試みの元作成されました。好評だった事から、後にキハ183-5にも施工されましたが、後に元に戻されています。
 一方、キハ183-3はそのままちゃいるどさろんを継続、特急おおぞらで運用を行っていましたが、全列車がスーパーおおぞら化された2001年にお払い箱、函館の予備車となっていました。
 しかし、2007年、劇的な出世を計ります。
キハ183-3は、キハ183-4・キハ182-47・48とともに「旭山動物園号」となりました。「ちゃいるどさろん」として残されていたスペースは「モグモグコーナー」にリニューアル、動物を描いたカラフルな車体に、座席も「ハグハグチェア」等、車体を改造せず、ラッピングする形で改造を行いました。後に、好調だった事から、キハ182-46も改造され、5両編成となっています。
 2010年には、塗装を変更して、さらにリニューアル。サニタリー設備の改造のほか、モグモグコーナーも拡大されたようです。一応、旭山動物園号専用車ですが、一昨年あたりから運行本数が激減、編成も崩され、各特急の代走をしたりするなど、今後が心配の列車だったりします・・・。詳しくはこちらに記載しております。
 
 また、1997年、当時急行宗谷・利尻で使用していたキハ400-100番台を老朽化していたキハ56お座敷車の置き換えとして改造するため、このキハ400-100番台の穴埋めとして、キハ182-36・37・38が改造を受けました。
改造点としては
・塗装を変更
・幌の渡り等をキハ40系等と同様のものに改造(これによりキハ183系との連結は不可能に
・キハ40の冷房用電源を設置
などがあります。
 エンジン・クーラーなどはそのまま使用したため、従来のキハ400の330PSエンジンから500PSと大幅なパワーアップとなりました。発電エンジンを独自に持たず、駆動エンジンから電源を取ったためか、キハ184とは改番されず、また区分番台もされなかったことから返ってわかりにくい車両となっています。この3両は2003年までに廃車となっていますが、38のみ倉庫として某所に現存しています。
 
 同様に1997年、キハ183-1は踏切事故で大破したノースレインボーエクスプレスの代打として緊急で充当、座席等の改造はありませんでしたが、カラーがノースレインボーエクスプレスとなった話は有名です。
 その後、キハ183-1・2 キハ182-1・2は2001年にとかち・HET色から国鉄色へ再塗装。修学旅行臨時等のほかに、リバイバル特急の運転を行うなど、話題の車両でした。割と、こういう車両は走行距離が現役列車に比べて短く、廃車になるシーズンが現役車両とそろう事が多いのですが、この車両は2010年に廃車。ミャンマーへ売却となっています。
 
特急「おおぞら」引退の2001年と
特急「とかち」減便(120km/h化)の2008年
特急「とかち」廃止の2010年に大幅廃車があり、現状、改番されずに残っている車両は
・キハ183-3・4
・キハ182-3・11・16・21・22・23・29・30・31・39・40・41・42・45・46・47・48
・キロ182-9
と、改造された0番台
・キロハ182-2・3・4・6・10
となっています。
キハ184は、2007年の「特急とかち」減便時に最後の3両が廃車、形式消滅となりました。
 
100番台
いまや、「白坊主」で有名となった100番代ですが、意外と種類があります。
まず、キハ183-100ですが、そもそも「坊主」ではなく「白」坊主と呼ばれていたのは理由がありまして
青坊主が存在したんですね。
 まず、キハ183-100。かなり特徴的な顔ですが、分解してみると「0番台(スラントノーズ)の顔パーツを使用した貫通先頭化改造車」であることがわかります。当時、短編成化の上で余剰になりがちだったキハ184から不足する先頭車へ4台改造されました。
 エンジンはそのまま、DMF13HSの250PSとなっています。
 4台で改造が打ち切られたのは、国鉄が発足するJR北海道の負担減としてキハ183系500番台を作成するときに「作成するなら、これ以上先頭車化改造せず、この車両と作成した車両で組めばいいのでは」という発想があったのかもしれませんね。
 キハ183系は、運転台のほかに、編成の4~5両あたり1両程度、かならず「発電エンジン」を持った車両を組み込まないといけません。キハ184はその発電エンジンを10両編成で運転したときに不足する中間付近に連結する目的で作られたのですが、短編成化では完全に要らない車両です。また、発電エンジンを持つ車両は、大型エンジンを載せられないため、駆動エンジン出力が小さくなってしまいます。もういろいろ面倒ですね・・・これが、キハ183系を編成する上でややこしい部分だったりします・・・。
 
 さて、つづいでキハ182にも100番台が存在しました・・・といっても2008年に廃車、ミャンマーへ渡り形式消滅となりましたが・・・。
 こちらもキハ183と同様、先頭車化改造車です。何が違うのかというと、その運転台をつけた車両がキハ182である点です。こちらの車両は、1997年、特急スーパーおおぞら登場時に、特急おおぞらの帯広増結編成という編成を考案。この付属編成側の先頭車として作られました。(キハ283系のほうではキハ282-2000という車両が作成されています)
 ですが、実際にはほとんど使われず、そのままただの中間車として使用、使わない運転台のせいで座席が減っており使いづらかったのか2008年に消えていきました・・・。
 
・200番台
こちらは見た目こそ0番台ですが、エンジンが大幅にパワーアップしています。
これは、特急スーパーとかちで使用されていた550番台(660馬力)を特急北斗へ転用した際の穴埋め、特急オホーツク(夜行便)の出力不足等で行われたもので、今、特急オホーツクで使用されているスラントノーズ先頭車はすべて200番台です。
 
キハ183-200はDMF13HZC(420PS)
キハ182-200ではN-DMF18HZ(600PS)
に加えて、ギアが従来の変速1段・直結1段から、変速1段・直結2段へ変更され、大幅に加速性能が向上しています。
 
キハ183系0番台のうち、キハ183-7~15・17~20 キハ182-25~28に1992年ごろから施工されました。
 
また、207~215は、1996年頃から、特急オホーツクのキロ182がキロハ182になり車販準備室がなくなったため、キハ183の業務用室に車販準備室を設置しています。
キハ183-210
このため、片面は小窓が埋められ、すっきりした概観となっています。
また、207~210と211~215では、行き先方向幕の位置が微妙に異なります。この辺は、別に特集する予定です。
キハ183-213
 
残念ながら、キハ182-200は特急「とかち」減便の2008年に廃車となりました・・・てっきりオホーツク用の0番台を置き換えるかと思ったのですが、何か問題でもあったのですかね・・・。
 
また、キハ183-207・217も廃車、ミャンマーへ送られています。
 
 
さて、次回は500番台か番外編か・・・どうしましょうね~。