
車両と線路に信号機まであるここはどこかの現役の駅…ではないです。
今回のスポットライトはこちら。新得町にある「狩勝エコトロッコ鉄道」です。認知度が全然わからないですが、結構遊べる鉄道施設になってます。場所が新得の石勝線からちょっと北、国道38号から1本曲がって数百mという立地になっています。
ご存じの方も多いかもですが、ここは旧根室本線の旧線区間で、新内駅の跡地となっています。廃駅に保存車があるのは他でもよく見ますが、遊べる施設といえばパッと浮かぶのはふるさと銀河線陸別駅、美幸線仁宇布駅と江差線の末端区間のところ、あとは士幌線士幌駅くらいでしょうか。
まずは保存車から見ていきます。

9600型蒸気機関車の59672です。生涯の大半を池田帯広で過ごした由緒正しき十勝の機関車です。もともとは後ろの20系と合わせて、当時ブームだった「SLホテル」として保存されていましたが、SLホテルは廃業、現在は鉄道関係のグッズの展示施設になっています。残念ながらこの日はお休みだったらしく開いていませんでした。
さて・・・

・・・寝台車ですね。北海道ですから10系か14系か24系…と思うところがまさかの20系です。現役での入線経験はないはずで、SLホテルのためにわざわざ持ってきたものと思われます。wikiさんによれば、貨物列車併結で持ってきているため北海道への入線経験があることになりますが…果たして。
ホテルは1978年開業だそうで、20系の廃車にしては少し早い気がしますが、そのあたりは調べつついきますか。

SLの後ろに続くはナハネ20 132です。ハネですからB寝台車ですか。ざっくりしか調べてませんが昭和40年製造らしいです。ここの開業が昭和53年…13年しか使ってないのに廃車にしたんですか…!?
不思議な1台ですが、B寝台といいつつホテル開業時に設備を外して食堂車仕様にしています。ホテルのレストランとして使っていたんですね。

続いてはナロネ21 551 A寝台車両です。ホテルでもそのまま宿泊用に使っていたようで、現在も設備が残っているらしいです。551ってみると14系や24系の北海道耐雪仕様を想像してしまいますが、どう見ても折り戸(;´・ω・) というか北海道で運転してませんし…
元番号が51らしく、20系が製造開始となった昭和33年製造・・・こちらは経年20年での廃車でまぁ…それでも早い気はしますが…。逆に見れば、もう製造から67年が経過した車両です。青い客車だからかそこまで古くは感じません…というのは、言い過ぎですかね。

最後はナロネ22 153です。同じくA寝台車両で、1960年製っぽいです。こちらも15年ちょっとで廃車となってここに来ていて、鉄道車両としての生が短いのではないかと思えます。
そんな3台が、新内駅の1番線跡に保存されています。ここの線路は狩勝実験線として使われていたかは微妙ですが、旧根室本線の線路がそのまま残っているようです。

さて、そんな20系が止まる1番線の横に2番線があるじゃないですか。こちらが狩勝エコトロッコ鉄道の線路になります。場所やホームから新内駅の2番線であることは確かですが、一時期ここにレールが無かったようなので、線路は当時ものではなく引き直したものになります。上の画像のあたりとかは明らかに軽いレールが使われているのがわかります。
一般的な廃線跡のトロッコと原理は同じで、自転車をこいで遊ぶタイプ。廃線の本線を使う他と違い、駅構内だけなのでまぁ本当にちょっとした遊具
・・・と舐めてかかっていたことを後悔しました。
この鉄道、電車好きなら楽しめますし、ましてや電車でGOとか運転するのが好きな人はハマる可能性大です。少なくと筆者ホイホイだったことは確か。

まず様子がおかしいポイント①信号機があるんです。しかも見えているかと思いますが、青信号が点灯しっぱなしではなく赤信号が付いています。つまり、信号前で停車しなければいけません。これは本物の鉄道と大差なく、分岐器が開通するまで信号待ちで待機したり、注意信号で減速したりして遊べるのです。
余りにテンションがあがり画像をほとんど撮っていないのが悔やまれますが、1回の体験での行路は以下の通り。
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①新内停車場 ポイント開通まで待機
出発信号の進行表示後、出発
②落合停車場(1番線とします) 停車 信号開通後出発
閉塞信号機は注意だったり進行だったり お好みで(注意信号の速度照査はないそうです)
③狩勝停車場 停車 タブレットをかけると2周目コースへ進路開通
踏切動作完了まで待機。完了後信号が開通し出発
④落合停車場(2番線とします) 停車 信号開通後出発
⑤狩勝停車場 停車 新内の信号操作で進路が開通し、信号開通後出発
⑥新内停車場 停車
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という、なんというか鉄道会社の訓練センターもびっくりのクオリティです。
ちなみに、信号機以外にも踏切が列車の走行位置に連動して動きます。起動自転車に乗ってるとは思えないほど電車を運転する満足感があります。
さらに、これだけではなく、体験で乗るトロッコも、一般的な起動自転車と違います。まずブレーキが改造されていて、ハンドルのタイプになっています。空気ブレーキとかではないので、本当にそれだけなんですが、ブレーキがハンドルになっているだけで、運転している感じがグッと出ます。そして普通にクセがあるので難しいです。楽しい!
さらに車種限定ですが、ガチのタイフォンが乗っています。AW-5だったはずです。山の中なので近隣への迷惑とかもなく鳴らし放題!
とまぁ、これだけ本格的な鉄道体験ができるのは本当にここくらいでは…?鉄道博物館のミニ運転列車も近いですが、あっちは速度があんまりでないので…。
とにかくとんでもないほど楽しいところでした。ちょっと前に来ていた子連れのお子さんが、2回連続で体験して、3回目やりたい!となっていたのも納得です。
ではまた次回です('◇')ゞ