時には映画の話をしようか-いえすま
(DVDにて鑑賞)



私だ。

「イエスマン "YES"は人生のパスワード」を観た。
タイトル長ぇ。
そして啓蒙くさい。
まあ啓蒙から始まる映画ではあるんだけど。

ジム・キャリー主演の映画で、内容はまあ、上の画像がすべてを物語っている感じだ。
これ以上付け加えることは特にないだろう。
ジム・キャリーも納得してくれることと思う。
ジム・キャリーを納得させてどうするのかはよくわからない。

非常に王道的なストーリーで、起承転結のすべてに予測がつく。
やつの動きは手に取るようにはっきりと見える。
避けるも受け止めるもあなたの自由だ。
抽象的にうまいことを言ったつもりだったが、なんか失敗した感がある。

毒にも薬にもならないコメディー映画ではあるが、観ていて終始ニヤニヤしていられるので、結構いい映画なのかもしれない。
「悪いやつが出てこない」タイプの話なので、気持ちよく観ていられる。
心が疲れている時などに最適なのではないか。
来年の今頃にはほぼ確実にストーリーも思い出せなくなっているような映画ではあるが、そういうサラッとした話に時折触れ合うことも必要なのだ、人間は。
え、人間全体の話?

ジム・キャリーは比較的抑え目とは言え相変わらずブッ飛んでいるので、そのキャラクターに拒否反応を示す人にはやはり向いていないだろう。
だがそうでなければ、TSUTAYAが半額キャンペーンをやっている時、テレビで放映される時などに「なんとなく観てみようか」となにも期待しない心持ちで観てみるとそれなりに楽しめるのではないだろうか。
なんか褒めてるのか遠まわしにけなしているのかよくわからない感想になってしまったが、いや、うん、いい映画だったと思うよ。
たぶん。

時には映画の話をしようか-ばんこく
(DVDにて鑑賞)



私だ。

今回は「バンコック・デンジャラス」を観た。
ハリウッド映画界での立ち位置がいまひとつ掴めない男ことニコラス・ケイジ主演の作品だ。

予告編などを観ると「暗殺者ニコラス・ケイジが要人の暗殺に失敗し、追われる映画」といった印象を受けたが、実際はだいぶ違った。
そういうところもあるにはあるが、そこはメインではなかったのだ。
これは、暗殺者の青春映画であった。

冒頭、暗殺者ニコラス・ケイジがモノローグで「暗殺者も人恋しくなるときがある」みたいなことを語りだす。
思春期か、と。
胸のうちでツッコミながら観ていると、実際これが思春期であった。
人恋しさのあまり、自らの打ちたてた「殺しのルール」をバンバン曲げまくる暗殺者。
寂しいので、現地で雇ったパシリの軽薄な若造をいきなり弟子にしてしまう暗殺者。
立ち寄った薬局で店員さんにうっかり一目惚れしてしまう暗殺者。
後日また薬局に来てみたが、なんとなく店に入れず、入り口の付近をうろうろしてしまう暗殺者。
その後店員さんといい感じになり、お母さんに普通に紹介されてしまう暗殺者。
思春期か、と。
まごうことなき思春期であった。
たまたま仕事で来たバンコクで、暗殺者が青春を目一杯満喫しておられた。

そんな話が映画開始から50分以上繰り広げられるのだからさあ大変だ。
途中、たまに暗殺者らしい仕事もしていたような気もするが、そこはまあトッピングみたいなものである。
僕らのアサシンは恋と後輩指導におおわらわさ。
なにが「バンコック・デンジャラス」か、と。
「バンコック・で俺の思春期が・デンジャラス」なのか。
あるいは「バンコック・で俺の恋心が・デンジャラス」なのか。
よくわからないまま話は進み、最後の20分くらいでようやくアクションらしい盛り上がりを見せる。
が、まあ別にそれも別段たいした盛り上がりでもなかったりする。
気がついたら、エンディングロールが流れていた。

正直、どう観たらいいのかよくわからねえ映画であった。
ドラマとは言い切れない。
でもアクションとも言い切れない。
この映画の本質はどこにあったのだろう。
どういうジャンルだったのだろう。
やはり、「暗殺者の青春」という非常に狭いカテゴリーでくくるしかないのか。
暗殺者の方などが観れば意外とグッとくるところもあったのかもしれない。
この世界には私の感性だけでは捉えられないものが山ほどある。
ということで、暗殺を生業としている方で、この映画を観た、という方は是非ご一報ください。
あ、接触したら消されるんですか?
じゃあ今回は、見送るということで。

時には映画の話をしようか-96
(映画館にて鑑賞)



私だ。
もしも生まれ変わったら。
また私だ。

「96時間」を鑑賞してきた。
実際の上映時間は1時間半ほどなので安心していただきたい。
私は無事だ。

ということで、これはアレだ。
傑作どぅァ!
はい出ました、傑作太字。
いや、そんなシステムは特になかったが。

前評判の高さからそこそこ期待しながら観に行ったが、その期待をはるかに上回る面白さどぅァったというわけだ。
「リュック・ベッソン製作」と「オッサン主人公」はまれに奇跡のケミストリを起こすことがあるが、これはまさにそんな一本であった。

昨今の映画では珍しいほどにシンプルな話である。
「パリで誘拐された娘を助けるため、ダディ(元CIA工作員)が単身特攻」
以上。
寄り道も裏切りもない。
まったくもってそのままである。
だが、それなのに異様に面白い。
こんな単純なストーリーでまだこんなに面白く映画を作れるのか、と感心した。
ちなみに、タイトルは「96時間」となっているが、タイムリミットサスペンス的な要素はわりと薄い。

ハリウッド映画界において「元○○」というポジションは現役○○より圧倒的に強いということで知られているが、この元CIA工作員ダディもご多分に漏れず、鬼のごとく強きダディである。
ついでに頭も切れ、行動力も抜群だ。
そんな無敵戦艦ダディが「娘を助けるためならエッフェル塔もぶっ壊す」と宣言している通り、まったく手段を選ばず一直線に手がかりを追い、敵地へと詰めていく様は実に頼もしく、痛快である。
観ていて「ああ、このダディは娘の救出に必要ならガチでエッフェル塔壊すな」と深く頷かざるを得ない。
エッフェル塔も戦慄したことだろう。

1時間半という比較的短い上映時間の中で、話は非常にスピーディに、テンポ良く進む。
ご都合主義的な展開も多い映画だが、それを気にさせない勢いがあった。
ダディの強さ、切れ者っぷりが際立っているので、むしろそのご都合主義的展開も「またおれたちのダディがすげえことやってくれたぜ!ヒャハー!」という爽快感にすり替わる。
見事なキャラ立てっぷりだ。
特に、ダディのキャラ立てとして圧巻だったのはやはり序盤の「娘が誘拐される瞬間」のあたりだろう。
通話中の娘が今まさに誘拐されかけているその時、パリから遠く離れた地でダディが取る行動、放つセリフ。
詳しくは語らないが、あの時点でこの映画の面白さは決定付けられていたのかもしれない、と思うほどだ。

決して奥が深い映画ではないし、見たこともないアクションが見れるわけでもない。
心に残る映画かどうかも疑わしい。
だが、それでもこの映画はとにかく面白かった。
「誘拐された娘を助ける」という題材で作られた映画の中でも、最高の一本ではなかろうか。
その手の話を全部観てきたわけではないが。
「ちょっと映画でも観てみようか」という時には最適の映画だと思う。
ハリウッドの底力を強く感じられる映画なので、ハリウッド大好きっ子たちは是非劇場に向かっていただきたい。
傑作どぅァよ!