早春の能郷白山に登りたい。
だけど、夏場でもかなりタフなルートなのに、残雪期に登るなら覚悟しなきゃいけない。
雪歩き程度なら何でも良いだろうけど、ある程度の行程をこなそうと思ったら、どうしてもある程度の道具が必要になってくる。
そんな雪山において有った方が良い道具が、「ピッケル」。
これまた悩む道具で、雪が有る山でしか使わない。
しかも滑りそうな危なっかしい所でしか必要としない。
僕が行く様な山ではそういうケースって稀なんけど、でもそういうケースに出くわすとピッケルが無いと危なっかしい。
しかしながらピッケルに対する意見も様々で、ピッケル必須と言う人も居れば、滑落しちゃったら有っても無くても一緒でむしろ刺さって危ないとか、カッコイイの買ったけど結局お守り代わりとか、調べれば調べるほど何が何だか。
だけど、先日登った鈴北岳の頂上直下の固い雪の急斜面は正直ちょっとビビった。
気休めかもしれないけど、ピッケルを刺しながらなら安定はしそう。
ところが金が無い。
先に冬用スパッツ(ゲイター)を買ってしまった。
あれはあれで必須だけど、冬用スパッツって安価なピッケルと変わらない値段する(>_<)
要は金が無い。
金は無い。ピッケルも無い。でも登りたい。
ロクに道具も無いのに危ない所登るなって言われそうだけど、実はこの行き詰った状況を打開する案を1つだけ思いついたんだよ。
自分で作れば良いんじゃね?
だけど、ピッケルを自作したなんて話は聞いた事が無いし、ざっとネットで調べても出てこない。
そりゃそうだ。
安い物なら8千円程度で売ってる。
それなのに不恰好で使い勝手の悪い手作り品を使う理由が無いし、大体材料を買うのに数千円使ってたら最初からピッケル買った方がマシ。
そもそも危ない個所で使う=命を預ける訳だから、得体の知れない素人の手作り品を使うのは無謀というもの。
それに、ピッケルは「岳人の魂」とか「お守り代わり」なんて良く言われてるのに、魂とかお守りを手作りするなんてバチ当たりだよね。
ちなみに「岳人」ってガクトって読むのかと思ってたら、「ガクジン」と読むらしい。
ガクンチュでもないらしい。
ともかく、魂だろうがお守りだろうが要は雪に刺されば良いんじゃないの?
お守りに持ってるだけとか、インテリアやコレクションにするくらいなら、少々不恰好でも刺さって使えれば良いじゃない。っていう素人の浅はかな考えのもと、見よう見まねでまぁこんな感じかな?って作ってみたピッケルがこれ↓
モンベルのピッケル
をイメージして作ってみたけど程遠い。
やけに棒が長いけど、一般的な目安となる「手で持った時にくるぶし辺りまでの長さ」にするとこうなった。
65cmほど有って、一般的な市販の縦走用ピッケルでも最長の長さになる。
多分僕の手が短いからだと思うんだけど、急斜面でしか使わないならもう少し短い方が取り回しは楽かもしれない。
白い棒の部分(シャフト)はアルミパイプ。
棒の先(スピッツェ)はボルトを削って尖らせた物。
既製品はツルハシ形状の部分(ヘッド)はステンレス製が良く見られたけど、材料が無いのと加工が難しいので普通の鉄の鋼材で作った。
無塗装だと錆びるし、アルミ地は手が黒くなるからペンキ塗っておいた。
コストの関係上ペンキも有り合わせ。
白1色だとシンプルで良いんだけど、雪の上で分からなくなっちゃいそうだから先端部分は目立つ黄色にしておいた。
既製品のツルハシ部分(ピック)はギザギザになってるんだけど、手間なので省略。
でもツルハシの反対側のカモノハシみたいな平べったい部分(ブレード)はちゃんと平べったくしてある。
軽量化と紐を通せる様に穴を空けておいた。
普通の鋼材だから強度は低いけど、一応焼き入れしておいた。
で、まぁこんな感じで良いかな?役に立ちそうかな?って思ったんだけど、これがやたら重い。
量ったら1kg有る。
市販のピッケルは300g~500g程度だから、倍以上重い。
材質を選べなかったから強度的に心配で余裕を見過ぎた。
特にツルハシ部分が重過ぎる。
というか、これじゃ本当にツルハシだよ。
これを持って雪山を歩くのはさすがにちょっと・・・
もう少し小振りで良いんじゃないかな?って作り直したのがこれ↓
たまたま、シャフトはタップ(ネジ穴)を立てて、ツルハシ部分と尖がった部分をネジ込む構造にしていたから取り外し出来る。
だからツルハシ部分だけ作り直してみたよ。
軽くて、強度が有って、加工しやすくて、手に入りやすい材質って何が有るだろう?って悩んだ結果、「スパナ」を使った。
モンベルはクローム・モリブデン鋼、スパナはクローム・バナジウム鋼。
強靭で粘りが有るから破損しにくいはず。
スパナの握り部分をツルハシの形状に削って、スパナ部分を90度ひねってから叩いて平たくする。
ひねる時と溶接する時に熱を加えているから、もろくなっているかもしれない。
スパナを使ったから、30っていうマーキングが入ってる(30mmのスパナ)。
シャフトに対してツルハシの角度がキツ過ぎた感じがするけど、まぁ何とか使えそうなレベルにはなった?
重さを量ると、0.8kg。
いまだに市販品の倍の重さ。
持った感じでは何とか耐えられる重さかな。
疲労した雪の急斜面ではしんどいかもしれないけど。
感じとしては、まぁこんな物かな。
手に持って歩く時は、重さは気にならなかった。
ただ、ザックにしまった状態だと重い。
ハードな行程だからなるべく軽くしたはずなのに、何で重いんだろう?って思ったら、このピッケルと、安物スノーシュー、安物アイゼンだけで結構な重量になる。
長過ぎたかと思ったけど、登りの補助として使うなら丁度良い長さだった。
滑落停止に使うには、長過ぎて取り回ししにくそう。
そもそもピッケルが必要かどうかも微妙。
本当に滑落して危ない個所を覗き込むと、こりゃあ確かにピッケル有っても止まらんわって思った。
それに、凍結した斜面なら有効かもしれないけど、今回みたいなザラメ状の雪だとピッケルは有効じゃなさそう。
ピッケルじゃなくても止まるだろうし、ストックみたいな輪っかが無いから刺さり過ぎてストック代わりに使えないし、ピッケルではなくストックの方が楽な場面の方が圧倒的に多い。
つまりほとんどお荷物状態。
しかも尖ってるから危ない。
でも、急斜面での補助としては使いやすかった。
使い勝手は市販のピッケルとさほど変わらないと思う。
要るか要らないか、既製品を買うか買わないかは、またゆっくり考える。
バイクの余ってたグリップが丁度良かったけど、ツルハシ部分のカバーが悩み。
とりあえず、お金掛けずにピッケルが必要か必要じゃないかを検証出来たのは有効だったかも・・・?
ところで、僕が使っているMILLETのPEUTEREY っていうザック、何であんなに丈夫な生地で出来てるんだろう?って思ったんだけど、やっと分かった。
ピッケルの先端で破らない様に丈夫に出来てるんだ。
ピッケルを固定してようやく気付いた。
追記


