米沢で慌ただしく、福島行きの普通列車に乗り継いだ。
5時間ぶりの普通列車ということもあったのか、車内は意外と混んでいた。
青春18きっぷシーズンというのも影響していうのかもしれない。
この先、奥羽本線は板谷峠に挑む。
山形新幹線開業前は赤岩、板谷、峠、大沢と4駅連続スイッチバックが続く難所だった。
冬場は雪深い地域でもあり、なかでも峠駅は奥羽本線で標高がもっとも高い位置にある。
赤岩駅と板谷駅の間には山形県と福島県の県境が存在する。
最初の元スイッチバック駅、大沢駅に到着すると、ハイカーらしき女性が一人で降り立った。
気軽にハイキングといった雰囲気ではなく、周囲は山に囲まれた場所である。
かなり、ベテランハイカーといった雰囲気の人だった。他に乗り降りはなくすぐ出発。
スイッチバック時代ならこうはいかないはずだ。
山を登り詰め、いよいよ峠駅に到着した。
スイッチバック時代には、列車は必ず何分か停車していたため
ホームには売る子さんがおり、列車の窓越しに色々商品を買っていたという。
中でも一番人気は「峠の力餅」だ。
中に餡子が入っている大福餅なのだが、昔からの人気商品だ。
今回これを買ってみようと思う。
新幹線車内でもほぼ同じ商品が売っているのだが、
峠駅と新幹線では業者が異なりできれば、峠駅で買いたいと思う。
現在でも、ホームに売り子さんがいるので、僅かな停車時間でも買うことができる。
お値段も丁度1000円ということで、お釣りの心配はあまりない。
どうにか無事に購入することができた。
何人かは列車に乗り込んできたが、列車に乗らない見物客も多かった。
駅前には峠の力餅の店舗もあり、そちらでも購入が可能だ。
通販でも買うことができる商品だが、できることなら現地で買いたい。
ホームにいた沢山の見物客に見送られるように、列車は板谷駅目指して下り坂を進む。
普通列車とはすれ違った記憶がないが、山形新幹線は何本かすれ違っていった。
赤岩駅ではすでに福島県に入っている。
次の庭坂辺りまでくると、福島の郊外といった雰囲気となり
福島駅から比較的近い場所に結構な峠や県境があるんだなと改めて感じた。
新幹線だと通過してしまうので、知らないうちに福島に到着していることだろう。
箱の大きさがどのくらいなのかすごく気になったが、意外と小ぶりで
バックなどに簡単に収めることができる。
驚いたのは、餅の柔らかさだ、これほど柔らかい餅は食べたことがない。
つき立てだからかと思うが、非常に美味しい餅だった。
峠駅は、不便な場所にあり、行く機会があったとしても、途中下車することもないだろうし
新幹線ならあっさり通過してしまう。
そんな不便な場所で、今でも峠の茶屋があるというのは非常に貴重だと思う。
僕も今回ここで購入できたことは、貴重な経験だったと思う。


