懐かしい大映スタアと大映映画史とも言える映画の本「スタアのいた季節が興味深い。

一気読み必定、シニアはもとより、若い邦画ファンにもお薦めです。

機会がありましたら、ご一読ください。

本書の一部をご紹介します。

「スタアのいた季節 わが青春の大映回顧録」(中島賢・著)は、全286ページに懐かしい大映スタアと大映映画史が詰まった魅力ある単行本(ソフトカバー)。

2015年講談社発行です。

地元の印西市図書館にも蔵書されていました。

 

懐かしい大映スタアの名前がいっぱい。

本書の登場順に、若尾文子、山本富士子、京マチ子、藤由紀子、叶順子、渚まゆみ、中村玉緒、藤村志保、毛利郁子、浜田ゆう子、高田美和、姿美千子、安田道代、江波杏子、万里昌代、三木裕子、川上康子、若松和子、紺野ユカ、長谷川待子、坪内キミ子、滝瑛子、近藤美恵子、近江輝子、渥美マリ、関根恵子、松坂慶子。

 

男優人は登場順に、市川雷蔵、勝新太郎、船越英二、北原義郎、ガメラ、橋本力、根上淳、川崎敬三、高松英郎、中条静夫、平泉成、峰岸徹、潮万太郎、品川隆二、上田寛、阿部脩、本郷功次郎、藤巻潤、田宮二郎、篠田三郎。

全員ご存じでしょうか。

 

美しすぎる初代ミス日本・山本富士子の話、田宮二郎と田宮夫人で元祖クール・ビューティ藤由紀子、常識破りの俳優・勝新太郎と勝夫人の中村玉緒ミス資生堂だった叶順子、五社協定の弊害、映画を心から愛した永田雅一など。

著者の中島賢氏は映画産業最盛期に活躍された大映宣伝マンをされた方だけあって、華やかな映画界という狭い世界に生きる俳優たちを間近で見て、聞いた興味深いプライベートな逸話、エピソードと画像がいっぱい載っています。

(掲載画像は本書の写真です)

 

市川雷蔵の「眠狂四郎女妖剣」(池広一夫監督)は娯楽要素が強くシリーズ化を決定づけました。共演の藤村志保毛利郁子のエピソードは興味深い。

池広一夫監督が持っていた市川雷蔵自身が最も気にいていた写真。

<市川雷蔵>

 

田宮二郎の「黒の超特急(増村保造監督)など「黒」シリーズに6本出演した田宮二郎夫人で元祖クール・ビューティ藤由紀子のサイン入り写真。

<藤由紀子>

 

ミス資生堂から大映に入社した叶順子のプライベート写真。

「痴人の愛」(木村恵吾監督)は彼女の代表作。

私は「黒の試走車」(増村保造監督)が好きです。

<叶順子>

 

「大魔神」(安田公義監督)も彼女の純真な涙に負けた。高田浩吉の娘さん高田美和のプライベート写真。

<高田美和>

 

私がファンだった渚まゆみはハスキーボイスでエキゾチックな美女。

市川雷蔵の妹役を演じた「斬る」(三隈研次監督)の爽やかな演技、成田三樹夫と共演した「怪談落とし穴」(島耕二監督)では生前も死後も熱演でした。

著者が撮ったお気に入りの渚まゆみプライベート写真。

<渚まゆみ>

【参考】過去に投稿した大映に関するブログです。併せて御訪問ください。

<「怪談落とし穴」“成田三樹夫”VS“渚まゆみ”>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12728285350.html?frm=theme

 

大映末期に人気を博したマスコミ向け撮影会での渥美マリ

軟体動物シリーズの第1作「いそぎんちゃく」(弓削太郎監督)や「でんきくらげ」(増村保造監督)に主演し、大映末期を支えました。

<渥美マリ>

 

16歳で増村保造監督「遊び」に主演した関根恵子、19歳で帯盛迪彦監督「夜の診察室」で主演デビューの松坂慶子

遊び」と「夜の診察室」は2本立て同時公開されました。

珍しい“二人ケイコ”のフォトスナップ。

<関根恵子と松坂慶子“二人ケイコ”>

 

ヴェネツィア国際映画祭グランプリ「羅生門」(黒澤明監督)、欧米を驚愕させた「地獄門」の色彩、70ミリスーパーテクニラマに挑戦した「釈迦」(三隈研次監督)など、大映映画は技術力の高さが窺えます。

昭和42年、社内にレコード室が新設され、大映レコードが誕生します。

私も当時、勝新太郎と藤巻潤の大映レコードを買って、今も持っています。

<大映レコードのジャッケト>

 

昭和45年、経営難の大映と日活は、共同でダイニチ映配㈱を設立します。

大映倒産までの語りが興味深い。

大映の宣伝部だった著者と永田ラッパの異名を持つ永田雅一(当時の大映社長)は直属に近い組織のようで、映画を心から愛した永田の人となりが伝わってきます。

 

【参考】過去に投稿した大映に関するブログです。併せて御訪問ください。

<「大映4K映画祭」の魅力と大映の話>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12781502907.html

<増村保造(映画監督)作品を語る>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12784567935.html

<井上昭さん(映画監督)を偲んで>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12729972423.html

<「大悪党」ドキドキ感のクライムサスペンス映画>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12702843384.html

<「蛇娘と白髪魔」初めて映画化された“楳図かずお”の世界>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12674279323.html

<「黒の試走車」白井佳夫氏が解説>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12672242013.html

<「土曜日の虎」(TV映画)と梶山季之(原作)>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12563353164.html

<昨日消えた男(1964年・大映映画)>

https://ameblo.jp/sinekon/entry-10831791202.html

 

文中、敬称略としました。ご容赦ください。

<記事に登場した大映映画DVD>