Riiiiiiiiiiさん(「i」は10個が正しい)が新年会しようって言って下さって、まなみさんが年賀LINEでみんなとご飯食べに行こうって誘ってくれたので、正子さんにお願いして、パワさんも加えて、新年オフ会を催したのです。

 

 そうしたら、前々日にRiiiiiiiiii(長いな……)さんから娘さん高熱のため欠席のお知らせが来て、前日にまなみさんから体調不良のご連絡があり、私の日ごろの行いの悪さを露呈することとなりました。

 

 でもですね、私はパワさんに来ていただければ、それで十分なのです。あ、正子さんも……

 

 今回のオフ会は薬膳火鍋ランチです。

 

 正子さんから少し遅れて、パワさんが姿を現しました。

 

 いやぁ、相変わらずお美しい……

 

 

 写真はイメージです。ご本人とは関係ありません

 

 しかも、今日はいつにも増して、一段とお綺麗です。なぜなら、お昼の自然光の下だから!

 

 トリメンダス!!!

 

 感動していることを悟られないように平静を装ったつもりが、顔がにやけていると正子さんから指摘が。

 

 ところが、パワさんはお仕事で20分ほど離席されるとのこと。

 

 あっという間にいなくなっちゃいました。

 

 目の前には正子さん。

 

 あのね、あからさまに不機嫌な顔にならないでよ

 

 そ、そんなことないですよ

 でも、正子さんと話すこと、特にないですよね

 

 あなた、感情すぐに顔に出るから

 

 そうですか?

 あ、そういえば、この前、マンション売却の席でやっちゃいました。

 行政書士の先生と購入者と仲介業者と4人で、銀行の応接室で神妙な顔して座っていたのです。

 そしたら、お金が振り込まれたので確認してくださいって言われて、スマホで銀行残高見て、思わずにやけちゃいました。

 あれと同じですね。意思に反してにやけちゃうっていうやつ

 

 とか話しているうちにパワさんが戻ってこられました。

 

(あ、俺、確かににやけてるわ)

 

 火鍋はジンギスカンが発明したってメニューに書いてあるので、それを話したら、正子さんが話がつまらんって言うのです。

 

 私は常に面白い話をしないといけないんですかね?

 

 でも、確かにパワさんを前にすると緊張しちゃって、いつもは話さないようなことを話しちゃう気がします。

 

 美人には慣れているはずなんですけど。

 

 こんなときは、女性に話してもらうに限ります。

 

 それで、パワさんがもう一人探しているという話になりました。

 

 すると正子さんがこの人どう? って、私をパワさんに薦めるんですよ。

 

 パワさん困った顔しちゃって、でも、しっかりと首を横に振ってました。

 

 実はこの光景、これまでに何度も見ています。なぜか突然、親戚のおばさんが縁談相手を薦める感じで、正子さんがパワさんに私を紹介するんです。

 

 絶対に正子さん、私に精神的なダメージを与えようと、わざとやってますね。

 

 

 あれ? パワさん、私を見ている?

 

かとおもいきや、不覚にも私の顔に目やにがついていたようで、気になるから取ってあげるって、おしぼりで取ってもらっちゃいました。

 

 嬉しいやら悲しいやら。

 

 思わず、花粉症で朝起きたら目やにで目が開けられないほどだって、いらんこと話して、恥の上塗りしちゃいました。

 

 

 最後にパワさんが正子さんの胸元がセクシーとか言ってまして、正子さんの胸の谷間をチラ見したのですが、何の感情もわいてきませんでした。

 

 セクシーかな?

 

 この人、私のことを女として見ていないのよ

 

 いや、そんなことないです。セクシーです。セクシー、多分……

 

 正子さんもパワさんに匹敵する美貌の持ち主なのに、なにがこんなにも違うのでしょうか?

 

 本当に不思議です。

 マンションが売れました。

 

 借金完済しました。

 

 左からアイフル、エポスのリボ、キャッシング、某銀行のキャッシング、カードローンです。

 

 

 

 それぞれ上限いっぱいの300万、200万、50万、50万、200万の合計800万借りてまして、借金返済だけで毎月15万払ってました。

 

 さらに元妻と息子が住んでいるマンションの住宅ローンも負担しておりまして、毎月30万以上が借金返済に消えていました。

 

 そのわりには、いろいろと遊んでいたと思われるかもしれませんが、それは、ボーナス全額を交遊費に充てていたからです。

 

 ちょっと言い方がおかしいかと思うかもしれませんが、無駄遣いはしないのです。


 全部遊びに使います。 貯金もせず、借金を少なくすることもせず、ただひたすら遊びに費やしました。

 

 そういう意味で無駄がなかったので、そんなに所得が高くなくても、そこそこ遊べたのだと思います。

 

 

 ただ、万一の備えすらしていないため、しばしば資金ショートに陥り、カードの支払遅延が何度も発生しましたし、電気やガスを止められたり、命に関わるためなかなか止められないと言われている水道さえも、一度止められました。

 

 もう還暦過ぎたいい大人なのに……

 

 おかげで私の社会的信用は地に落ち、イオンカードは何度申請しても一度も審査に通りませんでしたし、3万円のこたつの10回払いローンすらも断られました。

 

 ケガや病気で仕事ができなくなっていたら、間違いなく自己破産していたと思います。

 

 

 そんな私にとって、マンション売却はまさに起死回生の一撃でした。

 

 いやあ、本当に助かったよ……(しみじみ)

 

 

 さて、借金がなくなって、考えたのですが、これまで、なんだかんだいいながら、30万を借金返済に充てても、暮らしてこられたのです。

 

 ってことは、その30万を子供のころからの夢だった車のリースに充ててもいいよね?

 

 

 で、行ってきましたマセラティ。

 

 小学6年生のとき、大人になったら絶対に乗ってやると夢見たのは、マセラティ・クワトロポルテです。

 

 

 

 ぎぇ~、マジ格好いい、死ぬぅ~

 

 私、車に全く興味がないのですが、マセラティだけには骨抜きにされます。

 

 でも、今、クワトロポルテは生産されていないのです。そのため、中古車しかないのですが、クワトロポルテはめちゃくちゃ人気があって、いい状態の中古車が市場に出てくることは、ほとんどないらしいです。

 

 最近、セダンを作らないメーカーが多くなって来ているみたいで、ほんと勘弁してほしいです。

 

 それで、代わりにこいつの見積りをもらってきました。

 

 

 

 まあ、格好いいことは格好いいし、月20万ぐらいでリース組めるんだけど、どうしようかなぁ……

 25年ほど前に購入したマンションを明け渡すときが来ました。

 

 前妻と息子が住んでいたのですが、もう彼女たちは新しいマンションに引っ越しています。

 

 私の持ち物で捨てられないものだけ残してあるというので、マンションに行ってきました。

 

 85平米の2LDKのマンションは、がらんとしていました。

 

 

 前妻とはイギリスで知り合い、現地で挙式しました。5年ほどロンドンで暮らして、日本に帰国して3年目ぐらいのときに、このマンションを購入しました。

 

 購入したばかりのときは、マンションに友人や会社の仲間を招待して、ホームパーティをよく開きました。前妻が超社交的で、そういうのが好きだったのです。

 

 夏にはベランダから有名な花火大会を間近で見ることができるのが自慢でした。

 

 下を見ると、観覧場所に入りきれない人が道路にまで溢れていて、大衆どもが蠢いているなぁって笑いながら、優雅に花火を鑑賞できたのですから。

 

 

 数年後にはそんな花火にも飽きて、ベランダにも出なくなりました。

 

 人生をむなしく感じるようになり、閉塞感を打開するために、私は転職を繰り返すようになりました。


 

 妻も何かを感じていたのか、必死で不妊治療をして、待望の子供を授かることができました。

 

 しかし、息子が生まれて、家庭に明るさを取り戻せたと思ったのは、ほんの少しの間だけでした。

 

 

 私は結婚する相手を間違えたことに気づいていましたが、子供のために結婚生活を続けていこうと思っていました。

 

 でも、会社の女の子にしばしば恋をするようになり、女性と仲良くしているところを妻からぐちゃぐちゃ言われ、一度きりの人生をこんなに満たされない気持ちで過ごしていかなければならないことに絶望していました。

 

 

 そんなとき、パートナーと出会いました。

 

 人生を取り戻す最後のチャンスだと思いました。

 

 彼女ときちんと向き合いたいと思い、離婚を決意しました。結婚して13年目の40歳のときでした。

 

 

 まさか自分が離婚するとは、思ってもみなかったです。

 

 

 このマンションを離れたのは離婚してから数か月後のことでしたが、便利な場所にありますし、息子にも会えますので、その後も自由に出入りしていました。

 

 息子が大学生になってからは、足が遠のいていましたが、それでも年に数回は泊りに行っていました。娘も何度か遊びに来ています。

 

 

 かつての私の部屋は息子が使っていました。その部屋に私が昔買った本箱が残されていて、私の私物はそこに集められていました。

 

 捨てられないものは、写真と手紙でした。

 

 

 ふと周りを見渡すと、遮るもののなくなった壁のあちこちに穴が開いていることに気づきました。いったい、なにをどうすれば、こんなに穴が開くのかと、不思議に思いました。

 

 

 マンション室内をゆっくりと見回ってみました。

 

 タンスの跡や柱の傷、水垢のついた蛇口。

 

 物は言葉を発することはないですが、確かに私に話しかけてくるのです。

 

 ちくしょう……

 

 なんだか泣けてきました。

 絶縁している親父から遺言状が届きました。

 

 私に全財産を譲る、と書かれていました。

 

 預金通帳と今親父が住んでいる平屋を土地付きでくれるそうです。

 

 

 親父は学生結婚をして、妻となった私の生母をすぐに胃がんで失っています。

 

 私が2歳のときですので、私には生母の記憶はありません。母は二十年そこそこの短い一生を終えました。

 

 そのあと、親父は悲しみに暮れる間もなく、私の育ての母となる人と見合い結婚しましたが、私が小学生のころにはすでに夫婦仲は険悪で、親父はほとんど家に帰ってきませんでした。

 

 帰ってくると親父と継母との壮絶な夫婦喧嘩が始まるので、いっそのこと帰ってこなければいいのに、と思ったものです。

 

 

 育ての母は情の深い人で、血のつながっていない私を実子のように可愛がってくれましたが、親父と喧嘩をするたびに、「あんたを殺して私も死ぬ」とか、「子供を道連れにして死んでやる」とか、メンヘラ大爆発の人でしたので、一緒に住んでいるのが怖かったです。

 

 大学受験で、私が地元の大学を1つも受けなかったのは、早く家を出たかったからです。

 

 

 そんな継母とも数年前に絶縁し、両親は今も健在ですが、交流は全くありません。

 

 

 親父は継母と10年以上の間、離婚裁判を繰り返し、ようやく離婚して、かつての愛人と暮らしています。

 

 

 その家をくれるって言われてもなぁ……

 売らないでほしいって書いてあるし……

 

 まだ親父と交流のあったとき、娘とパートナーを連れて何度かお邪魔した家で、別に悪くはないのですが、住みたいとは思わないです。

 

 田舎で虫も多いしね。

 

 

 遺言状の最後には、その一緒に住んでいる愛人に対して、敬意を払うようにって書いてありました。

 

 人の心を自分の意に従わせようとする親父のこういうところが嫌いなんですけど。

 

 敬意を払うかどうかは私が決めることで、言われて払うものではない。

 

 愛人の人は頭がよくて感じのいい人で、言われなくても敬意をもって接してきたのに、こんなこと書いちゃったら台無しです。

 

 敬意を払えって、頼んでどうするんだよ、あほか。

 白さんの会社に行ってきました。

 

 今風の格好いいオフィスでした。

 

 細かく書いてしまうと、身バレする可能性があるので控えます。

 

 果たして、ここで白さんと一緒に働くことになるのでしょうか? なったら、面白いし、人生の不思議を感じます。

 

 

 午後は一緒にリモートワークして、終業後、1時間ちょっと雑談しました。

 

 白さんは相変わらず可愛くて、可愛い可愛いを連発していたら、「浅いね」って言われました。

 

 人は本当に可愛いと思ったら、直接的で単純な言葉しか出てこなくなるものだと思うのですが、そういうのは彼女には通じません。

 

 詩的に褒めたたえないと合格点がもらえなくて、可愛いって言われ慣れている人は、本当に始末に負えないです。

 

 

 そろそろ帰ろうかというところで、白さんに電話が入りました。

 

 出ないのですか?

 

 出ない。堤からなの。迎えに来るんだって

 

 堤さんというのは、白さんの彼氏です。堤真一に似ているから堤さんです。本名ではありません。

 

 白さんが鳴っている携帯を見せてくれました。本当に「堤」って文字が画面に表示されていて、笑っちゃいました。

 

 その後、外に出るまで、何度か電話がかかってくるのですが、白さん、出ないんですよ。

 

 まぁ、私が聞き耳立てているので、出にくいのでしょうね。

 

 

 電話に出ない白さんにさよならして、バス停に向かいました。

 

 場所がよくわからなくて、かなり迷ってしまいました。

 

 うろうろしていると、堤氏と白さんに遭遇しちゃうんじゃないかとびくびくしていたのですが、そんなことが起きるはずもなく、バス停になんとかたどり着きました。

 

 でも、バスの発車時刻まではまだ時間がありました。それで、小腹がすいたので、何か食べるものを探そうとショップエリアに戻ろうとしたときに遭遇しちゃいました。白さんと堤氏に。

 

 白さんと別れてそこそこ時間経ってるんです。なんでまだいるんですかね?

 

 堤氏と白さんが正面から歩いてくる左側2mですれ違ったのですが、めっちゃ焦りました。

 

 堤氏は私には気づきませんでしたが、白さん、歩きながら、思いっきり私に笑顔を向けてくるんです。

 

 どうかしてるんじゃないかな、この人……


 追伸


 白さんからLINE来まして、堤氏も私に気づいていたそうです……