★★★★⭐︎

阪神タイガースで、日本の球団で最初にBOS(ベースボール・オペレーション・システム)を導入しようとした野崎勝義氏と、広島東洋カープで選手育成の種を蒔き続けて24年ぶりの優勝への土台を作った鈴木清明氏。

サラリーマン社長として、オーナーや組織のしがらみと闘い、苦悩しながらも、球団のため、選手たちのため、そして野球界のため、諦めずに進み続けた姿に心をうたれる。

社長としてよりも、サラリーマンとしての姿に、自分を重ね合わせて考えさせられるものがたくさんあった。

そして、素晴らしい言葉も、たくさん記されていた。

また読みたい。


・わらわれて わらわれて えらくなるのだよ
 しかられて しかられて かしこくなるのだよ
 たたかれて たたかれて つよくなるのだよ
 よのなかのえらいといわれたひとが
 みんないちどはとうたみちなんだよ

・共存共栄は、最後には強存強栄にしかならない
   (セリーグは巨人を中心にした…)

・トヨタとBMWが共同開発し、エンジンやシャーシを共通にしたスポーツカー。トヨタはスープラ、BMWはZ4。基本部分は同じでもスタイルや性能は大きく異なる。
 … 開発の正解は一つではないのだ。

・練習ハ不可能ヲ可能ニス

・人の心が休まる寺を造る
… 旅人が石を運んでいる人々に「何をしているんですか」と尋ねた。一人が「私は石を運んでいます」、二人目は「塀を作っています」、三人目は「私は寺を造っています。みんなの心が休まるような」と答えた。
… 目的をはっきり持つ。単調な仕事でも、いつも何のためにやっているのか、ということを考えなくてはいけない。

・何も変えないことが最も悪いこと。
  (トヨタ 奥田碩)

★★★⭐︎⭐︎

脱炭素の特集の前に、巻頭記事の"ヨーカ堂「退去拒否」家主が提訴"が気になった。

上板橋店が建物の契約更新をしてもらえず、建替コンペにも落選したのに立ち退かず居座っている、と。

何を考えてるのだろう?

記事でも、評価を落とす、大切なものを失ってないか、と書かれている。

ヨーカ堂、大丈夫だろうか?


脱炭素の方は、日本製鉄がトヨタを提訴したことの内幕から。

電動車に欠かせない「無方向性電磁鋼板」に関する特許侵害が理由だが、その背景としてトヨタが「中国市場と日本製鉄を天秤にかけた揚げ句、中国を選んだ」ことだという。

2年前、日本製鉄は電磁鋼板の供給増の条件として値上げを要求、トヨタは激怒した。

そして日本製鉄の穴を埋めるために中国の宝鋼からの調達に動いたが、品質はイマイチ。

それに対して、日本製鉄は助け船を出していたのに…。

それは、脱炭素でビジネスモデルの転換を強いられている両社が生き残りを懸けた脱炭素戦争に直面していることの証左だ、と。


今号も、世間の動向を知る上で勉強になった。

★★★★⭐︎

映画の予告を観て、"騙しあい"の連鎖で面白そ〜と興味があったので、じゃあ原作を読んでみよう、と。

主人公は大泉洋を想定したようなキャラだなぁと思ってたら、ホントにそうだった。

内容は"騙しあい"という程ではなかったけど、純粋に、雑誌編集者の話として充分面白かった。

「娘への想い」はリアルで身につまされたし、エピローグで明らかになった「読者からの手紙」のことも良い流れだった。

何より、えんぴつ1本で作家を育て、編集者を育て、雑誌を育てるという「創る」ことへの想いが、その先にいる「読者」への「想い」が心地良かった。


ただ、登場人物が頭に入らないというか、名前を見ても全然ピンとこなくて、「こいつ誰だっけ?」の繰り返しだったのがどうもな…。

ついでに、読後に映画の予告やキャラクターを見直したら、原作とはかなり異なる風で、こりゃあ、原作の方が面白いだろうなと直感した(笑)。

来年あたりに「地上波 初放送!」とかやりそうだが、絶対観ないぞー。

★★★★⭐︎

10月10日は「世界メンタルヘルスデー」で、勤め先でもぷちイベントがあり(あったらしいが、コロナの影響⁉︎で自分は呼ばれてない 笑 )、それに伴って部内でも話し合いがあった。

その際にコメントを求められて、「著者がハチャメチャで笑えるよ」とこの本を紹介したので、自分でも改めて読むことにした。

以前よりも鬱とかに対する社会的認知度は広がり、「そーゆー人たちがたくさんいるよ、差別的な対応はダメだよ」という意識は浸透してきていると感じる。

ただ、そういう大人な対応をしなきゃいけない、というのがストレスになって、コッチの神経が疲弊しそうなんですけどー(笑)

歳とったからか、巻末の中島らもさんの解説文がグッとくるなぁ。
「歪みのない精神など存在しない。ある意味では歪みが我々を顕在化させているとも言える。… 生への希求を杖にしてとにかく一歩、歩いてみよう。」


★★★⭐︎⭐︎

2021年5月の発行だから、書き下ろしたのは3月頃かな。コロナを中心とした世界と日本の動きを分析して、簡潔に示してくれている。

… のだけど、やっぱり物足りない。2020〜2021とかもそうだったが、大前さんならではの部分が少ないなぁ。


・世界のユニコーン企業(想定時価総額10億ドル以上で未上場のベンチャー)の7割がアメリカと中国に集中。日本は4社のみ。
  → プリファードネットワークス、スマートニュース、リキッドグループ、Playco

・バイデン氏は、トランプを追い出したことで、大統領としての仕事は終わった。もうひとつ行ってほしい仕事は大統領選挙制度の改革。

・21世紀型の人材を生み出す仕組みとして、ドイツの「アジェンダ2010」という労働改革を日本も実行すべき。
 → 企業が生産性の低い労働者を簡単に解雇できるようにして、解雇された人の生活は失業保険で守りながら、国の責任で再教育を施し、戦力化して労働市場に戻すことを狙ったもの。重要なのは、21世紀型のスキルが身につくような教育プログラムを開発すること。

・国家は富の再配分機構、
 富の創出単位はメガリージョン(深圳、シリコンバレー、ベンガルールなど)だが、日本にはこれがない。