原口喜美子です。
他人に言えない秘密……
親友の知子が病に冒されている。

知子は霊感が強くて、クラスメイトからは
“不思議少女”って呼ばれてる。
だから幽霊話の好きな私に付き合ってくれた
心霊スポット巡り( )では凄い体験もしてる。
そんな知子が……。

昨日の事だった。
知子が学校を休んでいた。
メールをしても返事が無い。
担任の先生が言うには「風邪」
ってことだったんだけど……。
私、なんだか心配になって、
一時間目の途中で学校を早退した。
仮病だ。
それだけ、知子が心配だったの。
私は、制服のまま知子の家に向かった。
と、その途中で歩いている知子を見つけた。
駆け寄る前に声を掛け様と思ったけど……
私は知子の顔を見るや否や反射的に物陰に隠れた。

その顔が、あまりに悲痛な表情だったからだ。
知子は、私に気付かず、私が隠れている物陰を通り過ぎて行った。
私は、知子に気付かれないように後を追った。

と、知子は私の家に来た。
いや、正確に記すなら、ママの病院に入って行った。
ママは肛門科の開業医。
隠れ巨乳の私の胸が締め付けられた。

知子が……「痔」だ。

私なら「痔」を患っても笑い話になる。
そういうキャラだし。
でも、隠れ巨尻の知子のアナルが「痔」だなんて……
どう、表現したらいいの???
なんて慰めたらいいの???

ダメ、ダメよ。
今日見た事は封印しなきゃ。
プライドの高い子なのよ、知子は。
封印よ、封印。

……でも、きっと「イボ痔」よ。
根拠は無いけど、肛門科の娘としての第六感。
ど、どうしよう……病状は酷いのかしら???

ママが言ってたけど、「痔」って甘く考えていたら
洒落にならないほど怖い病気なのよ。
ああっ、ママに聞きたい!!!……でも、ママはプロだ。
私の親友の事とはいえ、患者のプライバシーは絶対に守るだろう。
実際、その日の夕飯時、ママは知子の事を何も話さなかったし、
知子が学校を休んでいたという話をしても、

「そうなの。」

と、涼しい顔だった。

私は……この誰にも言えない秘密を、墓場まで持っていくつもりだ。
日本人女性の平均寿命を考えると、まだまだ私の人生は長い。
もし、この秘密を他人にもらしたり……
いや、それ以前に、知子が「痔」であるという事実を
私が知っていると知子に知られたりしたら……。

 

 

 

 

 

ハァ~

心霊スポットに行くより怖いよ……。


女子高生の告白 其の壱