言葉が出なくても、私はもう奪われない

今日は、少し前の自分だったら
きっと心の奥にしまい込んでいた出来事を、
今の自分だからこそ、ちゃんと形にして残しておこうと思います。


言葉が出ないということ

私は 高次脳機能障害 があり、失語症 もあります。
だから、とっさに言葉が出ないことがあります。

嫌なことを言われた瞬間、
「え?なんでそんなこと言うの?」
「私はそんなこと、絶対にしないのに…」
そう思っているうちに、時間だけが過ぎていく。

返したい気持ちはある。
でも言葉が見つからない。
結果、黙るしかない。

そして相手は、こう感じるのだと思います。
「この人には何を言っても大丈夫」
「怒らない」「反撃してこない」

それは会話ではなく、
一方的なマウント。
エネルギーを奪う構図です。

私は、何度もそれを経験してきました。


エネルギーを奪う人の正体

そういう人は、
本当はとても 自信がない。

だから誰かを下に置いて、
一瞬だけ自分を上に感じたい。

でも借り物のエネルギーは、すぐに消える。
だから、またやる。
言いやすい人にだけ。

私は、
「なめられている」
「調子に乗られている」
そう感じていました。

でも――
今の私は、もう違います。


水をください、という選択

ある日、こんなことがありました。

「ダイエット茶を作ったの。
あなた、飲みなさい」

命令口調。
上から目線。

正直、ムカっとしました。
頼んでないし、指示される筋合いもない。

でも私は、感情で返さなかった。

私は静かに、こう言いました。

「それはいりません。
私は水が飲みたいです。
水をいただけますか?」

水です。水。

相手はペットボトルを差し出しながら
「飲みなよ、飲みなよ」と言う。

……でも、コップがない。

私はさらに静かに、丁寧に言いました。

「コップがないと飲めません。
どれを使えばいいかわからないので、
コップをいただけますか?」

やっと、コップが出てきて、
私は水を飲むことができました。


ここで起きていたこと

このやり取りの中で、
私は 奪われなかった。

怒鳴っていない。
責めていない。
でも、流れを変えた。

相手は、
ずっと「上」でいようとしていた。

態度を崩したら、
自分が下がってしまうから。

その姿が、とてもはっきり見えました。

ああ、この人は
弱いんだな
って。


昔の私と、今の私

昔の私だったら、
きっとシーンとして終わっていた。

言葉が出なくて、
エネルギーを奪われて、
あとから何度も思い出して
自分を責めていたと思います。

でも今は違う。

完璧な言葉じゃなくてもいい。
強く言い返さなくてもいい。

自分の尊厳を、静かに守れた。

それだけで、十分。


次に同じことがあったら

次は、こんなふうに言ってもいいかもしれない。
•「そんな言い方はしないでくださいね」
•「私に命令しないでください」
•「ダイエットは頼んでいません」

笑いながら、軽く。
でも、境界線ははっきり。

それでいい。


今日の結論

私は、強くなりました。
声を荒げなくても。
相手を下げなくても。

自分を大切にする力 が、戻ってきました。

だから今日は、
心から自分を褒めたい。

よくやったね。
ちゃんと成長してるよ。

この一杯の「水」は、
私が私を取り戻した証でした。