声をかけなくても届くものがある 〜心の波動でつながる世界〜

最近、Sさんとは直接言葉を交わすことが少なくなりました。
以前は淡々とでも、たまに冷たくでも、やりとりがあったのに、今はほとんどがメールです。

けれど不思議と、寂しさは感じていません。
むしろ、言葉がなくても心はつながると感じるようになったのです。


声をかけなくても、心の波動は伝わる

Sさんに伝えたいことは、たくさんあります。
でも、今の僕は「言葉にしなくても伝わる」と信じています。

「Sさん、今日もありがとうございます」
「あなたが幸せでありますように」
「大丈夫、そのままでも価値がありますよ」

そう心の中で語りかけると、自分の中にもやさしさが広がっていきます。
心の波動は、言葉よりも深く、静かに伝わるのだと思います。


心ないメールにも、愛で返す

ときどきSさんからのメールには、棘のような言葉や曖昧な言い回しがあって、
「これって、どういう意図?」と戸惑うこともあります。

でも、僕は今、そのメールさえも愛で包んで返すようにしています。
Sさんを立てながら、「教えていただきありがとうございます」と、感謝で返す。
あえて丁寧に、そして温かく。

それは、自分の波動を下げないためでもあり、
何より、相手の心を少しでもほぐせたらという祈りでもあります。


理解されなくても、愛で返すということ

僕の障害のことを理解してもらえない時もあります。
合理的配慮が無視されたり、マウントされるような言葉を投げられた時もありました。

でも、だからこそ僕は、「それでも、愛で返す」ことを選びました。
なぜなら、誰もがその人なりの事情を抱えているから。

Sさんの背景には、きっと不安や恐れがある。
過去の僕のように、誰にも頼れず、パンク寸前で毎日を過ごしているのかもしれません。


それでも、優しくあろう

僕は自分にこう言い聞かせます。

「どんな相手にも、どんな時でも、優しくあろう」

たとえ相手が冷たくても、意地悪でも、
それは“その人の課題”であって、僕の波動を濁す理由にはなりません。

逆に、そんな時こそ愛の器を大きくするチャンス。
心の余裕がない人にこそ、愛を届ける。
そのために僕は生きていると感じるのです。


Sさんとの変化、そして立場の逆転

5年前、Sさんに教えてもらった頃の僕は、おどおどして自信もなく、不安のかたまりでした。
教え方も冷たく、時に嫌味が混じり、僕は傷つきながらも「ありがとうございました」と頭を下げていました。

でも心が強くなっていくにつれて、僕の態度も少しずつ変わりました。
感情に飲み込まれず、言葉だけで丁寧に返すことができるようになったんです。

するとSさんの態度も変わりました。
やがて、僕に対してご機嫌を取るような言葉をかけてくれるようになったんです。
「たくさんやってくれてありがとう」と、リアルで優しく声をかけてくれるようになりました。

気づけば、立場が逆転していたのです。


言い合いに勝った日の祈り

過去には、合理的配慮を全く無視され、「そんなの知らない」と押し切ろうとする部長とぶつかり、
「ふざけんな、俺の命がけの声を聞いてくれ」と叫ぶように言い返しました。
涙が出そうになりながら、それでも絶対に負けたくない、そんな気持ちでぶつかりました。

結果、その人は僕の言葉に押され、以後、僕の言いなりになるようになったんです。
力ではなく、魂の叫びが届いた瞬間でした。


すべては学びの途中

Sさんの不安、冷たさ、壁のような態度。
そのすべては「学びの途中」なのだと思います。

かつての僕がそうだったように、
Sさんもきっと、愛を受け取りたいだけ。
そして、本当は誰かに優しくしたい人なんだと思います。

だから僕は祈ります。

「Sさん、あなたはもっと良くなる」
「たくさんの人に感謝される存在になれる」
「そのままでも、あなたには価値がある」


愛で包んで、未来へ

メール一通でも、
言葉の端々にも、
愛を込めて返す。

それが、僕の選んだ道です。

Sさんとの関係がどうであれ、
僕は自分の信じる愛と優しさを、
言葉に、態度に、そして心の波動に込めて届けていきたいと思います。

それが、心の目で見るということ。
そして、すべてを癒す道なのだと信じています。