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僕の弟が強迫性障害だということが、最近本当に心から理解できた。
今までは、弟の確認作業がどうしてもイライラしてしまっていた。
「早くしてよ」「また確認してるの?」
そんなふうに言ってしまうことも多かった。
でも、自分の障害と重ねて考えてみたとき、はっと気づいた。
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“安心が持てない脳”という共通点
弟は**「確認しないと不安」「やめたくてもやめられない」。
僕は「記憶が定着しない」「今日も仕事ができるか不安」**。
僕は仕事の前に、心の中で**「大丈夫、大丈夫、大丈夫」**と何千回もつぶやいて、不安を押さえていた。
それはまるで、弟が車のドアを何度も確認したり、同じ作業を繰り返すのと同じだった。
僕にとっての**「大丈夫」が、弟にとっては「確認作業」**だったんだ。
そう理解できたとき、自然と弟に対する言葉が変わった。
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「一緒にやろうよ」――声を変えてみた
今までは「早くしようよ」「大丈夫だから」と言っていた。
でも今回は、**「一緒にやろうよ」「頑張ってやろうよ」**と声をかけた。
弟が確認作業をしている間、今までなら急かしていたけど、
5分でも10分でも、黙って待ってみた。
それは僕がかつて、**“大丈夫”を3000回つぶやいていた頃の自分を思い出したからだ。
急がされると、余計に不安になるのは僕もよく知っている。
だから今回は、弟のリズムを尊重しようと決めた。
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変化が現れた
すると、少しずつ弟にも変化が見えてきた。
• 田んぼの仕事も**「一緒にやろう」**と声をかけたら、スムーズに動き出した。
• いつもなら1人で悩んでいた準備も、一緒に進められた。
• 半日だけ働いて、少しずつ毎日やるペースにしたら、弟の心も落ち着いた。
驚いたのは、その次の日からだった。
弟が自分から朝早く起きて、僕が何も言わないのに田んぼ仕事を自分で進めていた。
そして、僕が想像していたより2日も早く田植えが終わった。
弟は疲れた様子はあったけど、そこには達成感や自信のような表情があった。
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弟のプライド、僕のプライド
弟には**「自分は一生懸命やっているんだ」という誇り**がある。
僕も同じだ。
僕たちは「普通の人」から見ると、
結果だけ見られて「あれ?遅いな」「何してるんだろう」と思われがちだ。
でも、ものすごく努力している自覚がある。
その気持ちは、弟も僕もとても似ていた。
だからこそ、僕が理解することで、弟の**“自分も頑張っている”**という気持ちがさらに引き出されたんだと思う。
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まとめ:理解が生んだ変化
僕と弟は違う障害を抱えている。
でもその本質は**「安心が持てない心」**。
そこが深くつながっていた。
• 理解すること
• 言葉を変えること
• 待つこと
• 「一緒にやろう」と伝えること
たったそれだけで、弟の行動も心も変わりはじめた。
僕の中でも、かつての自分をもっとやさしく見てあげられるようになった。
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弟の確認作業は、僕の“大丈夫”と同じ。
それに気づけたことで、僕たち兄弟の間に**少しずつ「安心の循環」**が生まれている気がする。

