【第1回】あなたはすでに魅力的
~“欠けている”という幻想から目覚める~


■ 足りない…と感じる、その優しさ

ふと、自分が足りないと感じる瞬間があります。
仕事で結果を出せなかったとき。
家族のためにもっと稼がなければと焦るとき。
弟のことを思うとき、農業の収益をどうにかしたいと悩むとき…。

「まだまだだ」「もっとやらなくちゃ」「こんな自分じゃダメだ」
そんな声が、心の中でぐるぐるしていました。

でも、そんな時、ふとSNSで「応援していますよ」と声をかけてくれた人たちがいました。
僕が頑張っていること、優しさを忘れずにいること、人としての姿を見てくれていた人たちです。

自分では「これくらい、当たり前だろう」と思っていたけど。
高次脳機能障害を抱えながら、必死に、精一杯生きてきたこと。
それを「すごいね」と言ってくれた人たちがいました。

あぁ、もしかしたら――
“自分では当たり前だと思っていること”が、本当の魅力なのかもしれない。


■ 鏡の法則:「自分の目に映る世界は、自分の心の鏡」

「自分には何もない」と感じていたとき、周りにも“冷たさ”や“無関心”しか見えませんでした。
でも、「もしかしたら、自分が自分に優しくしていなかったのかも」と気づいた瞬間から、
世界の見え方が、少しずつ変わってきました。

人は、自分のことをどう扱っているかで、世界を映します。
自分を責めていれば、誰かから責められているように感じてしまう。
逆に、自分をちょっとだけ褒めてみると、誰かの優しさが見えてきたりする。

それが、「鏡の法則」。
まず、自分の中にある“良いところ”を見つける練習から始めてみよう。
きっと、それが世界にも映ってくるから。


■ 脳のクセ:「ない」ばかりに目がいく理由

脳科学の視点で見てみると、僕らの脳には「足りない部分」に注目するクセがあります。
これは、太古の時代から「危険を避けて生き残るため」に発達した本能。
現代では、それが「失敗」「できない」「不安」にフォーカスしやすい脳をつくってしまっています。

でも、これは“脳のクセ”であって、“本当の自分”ではありません。
そのクセに気づいて、「ある」ものに目を向け直すだけで、世界は少しずつ変わっていきます。


■ 「ある」を見つめる。そこから始まる魅力の旅

僕には、“今ここ”に在るものがある。
たとえば――
・障害があっても、生きて、誰かの言葉に涙できる心
・試練を越えてきた、いぶし銀のような存在感
・言葉ではうまく伝えられなくても、ちゃんと伝わっている“優しさ”

もしかしたら、それこそが僕の魅力なのかもしれない。

「もっとできなきゃ」「もっと成果を出さなきゃ」と思うこともある。
でも、本当の魅力は、“今の自分”の中にちゃんと在る。

探さなくていい。ただ、「気づくだけ」でいい。


■ 魅力を探す旅のスタート地点は、今この瞬間

“自分の魅力”って、何か特別なスキルや見た目じゃない。
ただ「あなたが生きてること」「今ここにいること」
それ自体が、奇跡のような魅力。

そのことに気づいた瞬間から、もう旅は始まっている。

さあ、次はあなたの番。
自分が「足りない」と思っていた一面が、
誰かにとっては「愛おしい」と感じられているかもしれません。


【今日の問いかけ】

最近、「欠けてる」と思っていた自分の一面が、実は愛おしいと感じた瞬間はありますか?
それを“魅力”として見つめ直してみると、どんな感覚が湧いてきますか?


続く第2回では、「“できること”より“在ること”に宿る魅力」について深く見つめていきます。
どうぞ、お楽しみに。