第1話の「ローマ字と英語の違い」が、
好評をいただきましたので、第2話。
実はこれが本命のお話。笑
これを書きたいがために、はじめたコーナー。
(じゃぁ、これで終わるかも?笑)
「お茶が世界を周るお話」

留学やら、友達に会いに行ったりやらで、
飛行機に乗る機会が多かった20代の頃。
機内食でよく耳にしたあの言葉。
日本行きの機内で、
外国人フライトアテンダーが、
片言の日本語も交え、
「Tea〜〜、オチャ〜〜、
Tea〜〜、オチャ〜〜。」
と、紅茶と緑茶を持って、食後のお茶のおかわり聞いて歩いていました。
ある日、その聞き慣れた言葉に疑問が。
ティ〜〜、チャ〜〜、やっぱり似てる。
よく考えたら、言葉だけじゃない。
紅茶と烏龍茶は同じ茶葉を使ってるし。
おかしいぞーーー!!!!
なんかあるぞーーー!!!!
まだインターネットで、そこまでモノが調べ尽くせなかった20年くらい前。
ネットだの、本だの、色んな資料を調べまくったら、
....お茶と世界を一周した気分になりました。
お茶が誕生したのは、ご存知中国です。

日本にも遣唐使の時代に伝わり、
12世紀には武家階級に浸透していきます。
この頃、まだ紅茶は存在しません。
最初にヨーロッパにお茶が入ったのは、、
なんと、日本の緑茶でした。


16世紀に、平戸からポルトガルの宣教師によって、ポルトガルに伝わりました。
この時、日本語の茶(チャ)として伝わります。
今でもポルトガルでは、紅茶のことをcha(シャ)と言います。
こうして、
はじめてヨーロッパに入ったお茶。
しかし、
緑茶の味は、ヨーロッパの人にはイマイチ受け入れられず、そこまで広まりませんでした。
時代は、17世紀。
オランダが強国として台頭していました。
中国の福建省から、お茶を持ち帰ります。
このお茶は、ご存知、烏龍茶です。
福建省の言葉で、茶の発音は「チャ」ではなく、「テ」でした。
というわけで、
オランダに「テ」として烏龍茶が伝わります。
この時代、歴史で何が起こったか。
英蘭戦争です。

元々オランダからお茶を輸入していたイギリスでしたが、
オランダに勝った事をきっかけに、
インドのアッサム地方にお茶の栽培地を作り、
発酵させた紅茶を作って、さらにヨーロッパ人に飲みやすく改良しました。
ここで、お馴染みの紅茶の誕生です。

オランダにte(テ)として伝わったものが、
イギリスでtea(ティー)となったのは、
なんとなく想像できますね。
物語はここでは終わりません

まさか、
私たちの生活に浸透している、
コーヒーにまで話が及ぶとは!!!


ここで、さらに時代が動きます!


18世紀。
ここで、何が起こったか。
アメリカ独立戦争です。

アメリカは元々オランダの植民地なので、
イギリスの植民地になる前から、
アメリカでもすっかり浸透している紅茶文化。

この独立運動で、
アメリカは、「イギリス不買運動」というのをはじめます。
イギリスからは、何も買ったらんぞ!

って運動ですね。笑
そこで困ったのが、
紅茶。

毎日飲みたいけどーーーーー、、
紅茶はイギリスから買えないしー、
どーーしよっかなぁ〜〜
でも、飲みたいしぃーーーーー


と、困ったアメリカ人。
そこで、思いつきます。
そうだ!コーヒー豆ならいっぱいあるから、
コーヒーを薄めまくったら、
紅茶みたいにガブガブ飲めるんじゃない??
そこで、できたのが、
アメリカンコーヒー。

なぜ特徴もない普通のコーヒーなのに、
わざわざ”アメリカン”と名前が付いているのか不思議でしたが、
ここでも謎が解けました。
意味があった

これは、
アメリカ人が作った、
アメリカ人のためのアメリカンコーヒーなのだ!!!




笑
ヨーロッパでは、
濃いエスプレッソが、小さいカップに出て来るのが普通です。
前に、イタリアで勇気を出して、
「カッフェ・アメリカーノを下さい。」
と、アメリカンコーヒーを注文してみたんですが、
なんと、
なんと、
なんと、
エスプレッソと、
大きいカラのカップと、
お湯の入ったポットを渡されました。
ビックリーーー





と、いうことなんでしょう。笑
コーヒーを薄める必要のなかったヨーロッパ人の歴史を思えば、
っていう感じなんでしょうね。
お湯をドカンと渡された時は、ほんと怖かったですが!笑 


ヨーロッパ人からすれば、
こんな美味しいエスプレッソに、わざわざお湯入れて薄めるアメリカンコーヒーなんて邪道だ。って気持ちなんでしょうね!

そして、
おまけのお茶のお話。
舞台はインド。
東インド会社に、紅茶の葉をたくさん作らされたインド。
いいお茶っぱは、イギリスに持って行かれるけど、
手元に質の悪い茶葉の、粉々の葉っぱだけが残りました。

何かうまく活用できないかな〜
そうだ!ミルクで炊いてみよう!こうしてできたのが、
チャイです。
チャイという言葉も「茶」に似てるのには、訳があったんですね。
チャイは、上質な葉っぱを使わない方が美味しくできると聞いたことがありましたが、
こういう理由だったんですね。
いかがでしたか? 
お茶が世界を周るお話。



大阪では明日からG20がはじまりますが、
世界はお茶で、昔から丸く繋がってるのかも知れませんね。

