永久機関と君と④ | ー夢星石ーシンイ二次創作

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永久機関と君と④






「・・・・・」



チッチッチッ・・・。




――自分が付けている腕時計てこんな音だったかしら?


私が待っているのは、時計の秒針音では無く結婚相談所からの連絡だった。


3日前に結婚相談所からのマッチングで男性を紹介され1時間程食事をした。


『ユさんはお医者様でしたか』


凄いですねと驚く男性に、そんな事はと口を隠し小さく笑った。

どうやらその男性は両親が経営する会社を継いで機械の取り付け、配線等をしているという。

所謂(いわゆる)中小企業の跡取りだが、場所はソウル市内という比較的安心地域に住んでいる。

電気機器はソウル市だけでなく何処でも必要であり、こういう技術職は後々不必要になる事は有り得ない。


――・・・これは逃せられないわね。


ウンスは優しい笑みを返しながら、そう考えた。




――なのに。



「私何か失敗した?あれから何の連絡も無いんだけど?」


メールも電話も来ない。

こちらから掛け直すのは女性としては、と考え待った。


そして今日既に3日経ってしまっている。


結婚相談所に連絡すると

『わかりました、後程折り返しご連絡致しますのでお待ち下さい』

スタッフはウンスにそう言うと通話を切った。


・・・まぁ、何となく予想はしているのだけど。


以前も似た様な事があった。

食事をし、ソウルの街を少し歩いただけだったが次の日には断りの連絡が来たのだ。


『大変申し訳ないのですが、結婚したら奥さんには家庭に入って欲しいので・・・』

『はぁ、そうですか』


ウンスが話す内容に納得出来ない部分があったのか、徐々に男性の表情が困り始め散歩が終わった時には気まづそうな空気を放っていた。

そう言った男性はそそくさと離れて行き、しまったなぁと心配していたのだがやはりそれが覆る事はなかった。


『女性も色々な夢や将来に対して思う所はあると知ってはいます。ただ結婚後はパートナーの助けを最優先にして欲しい』



・・・では、私の夢は結婚よりも小さかったの?


何を天秤に掛けるかは人それぞれだが、この男性はパートナーは傍にいて助けが必要だという事。




鳴らない携帯電話をテーブルに置いてウンスはため息を吐いた。



「また、駄目かぁ」


氷が溶け薄くなったアイスコーヒーを飲みながら、厚いガラス板の向こうの通り過ぎる人達をぼんやりと眺めると偶に美女や美男もいる。

きっとそんな人は恋人を探すのに苦労はしないだろう。


「・・・あ〜、羨ましい」


僻み根性だと自覚しているが思わず呟くと、前を通った背の高いロングコートの男性がチラリとウンスを見てきた。


「おっと・・・」


自分の気持ちが顔に出たのかもしれない。

誤魔化す様にウンスは携帯電話に目線を移そうとしたが、ショップ入口見しった顔を見つけ、


「あれ?」


ぼんやり眺めていると彼女はウンスを見ながら店に入って来た。


「ユ先生見つけたー!」

「え、何?どうしたの?」


実はと口を動かした彼女だったが、先程の男性も入って来て前を塞ぐ彼女を不思議そうに見下ろしている。


「あ、ごめんなさい」


彼女は背後に気付きそう言うと、話す勢いでウンスに近付きパク主任の話をし始めた。

どうやら明日の手術もウンスが執刀するという。

本来なら男性医師だったが、研修予定が明日に変更されウンスが指名された事に聞き終わると頭を抱えてしまった。


「・・・・・」


どうやら自分が行かない選択は彼らには無いらしい。

しかし、そんな考えを自分も無い訳では無く、今ここで文句を言うつもりは無かった。



「このユウンスさんが“無理”だなんて言う訳ないでしょう?きっちりこなしてみせるわよ!」


「流石ユ先生ー!」


拍手をする同僚にハッと店内を見渡すと、先程いた男性は店から出て行ったらしい。


「あ・・・騒いじゃったから?」


前髪が長めだった男性の視線がウンスに向けられていて、またこれで自分は騒がしい女性と感じたのだろうと肩を落としたのだった――。







「・・・彼女の名前は“ユウンス”さんか」


漸く知った名にヨンは無意識に口元が緩んでいた。


数日見れなかっただけでも気持ちが落ち着かなくなるのは、やはり好きなのか。

“好き”という言葉を使いすんなり納得出来たのだから否定はしない。

いや、しなくていいじゃないか。

俺の好きなタイプはあの女性だ。


お洒落だが、余計な飾りを必要以上に付けずシンプルなスーツも彼女の優秀さがよくわかる。


「・・・」


パッと何気に自分の格好を見下ろし確認した。


――大丈夫か?さっきチラリと目が合ったが、直ぐに剃らされてしまった。

気になる程でも無かったか?



止まっていた足を再び進ませる。



「メヒの件が終わったら、またちらっと話聞いてみるとか・・・?

いや、怪しい人物になるか」



何時かコーヒーショップのあの席に座る彼女に声を掛けたいな・・・。


そんな勇気が欲しい。




『あの、隣り良いですか?』


『え?ええ』


『実は何時もこの席に座っている貴女を見ていました』


『まあ』


『・・・私の名前は“チェヨン”と申します。

チェ製薬会社に勤めておりまして・・・』













――数日後。




「え?仁川空港近くで交通事故があったの?」

「空港に向かっていた車が対向車に突進して来たとかで・・・今は仁川市内にある病院に緊急搬送されたみたい」

「まぁ、大変ねぇ」

「結構大会社の職員なのかあちこちの病院に緊急搬送の要望が来たって話で・・・」




「・・・うちには来てないのか」



看護師の忙しない会話を聞き、

そう言うとウンスはスタッフルームへと歩き出した――。





⑤に続く

△△△△△△


⑤からテーマを変更しました。🙂

つまりはそういう事で。

ここも記憶がないのはウンスだけでしたからね。



・・・ヨンのウンスへのお誘いはこちらは幻になってしまいましたがねぇ(⊃´▿` )⊃

今のヨンが頑張るしかなく。




🐥🐥🐥🐥🐥

あ、お久しぶりです(*^^*)

結構開いてしまいましたが、何をしていたというとグッズを作成しておりました。

いや、イラスト描いていただけなのですがね。

詳しい募集事項等は2月初めの記事に載せますので興味がある方は応募方法通りに準備をお願い致します。

キーホルダーの数には制限がありますので、無くなり次第終了になります。

(募集期間中でも終了する場合もあります)


アメ限記事にイラストを載せましたので、気になる方はチラリと覗いて見て下さいませね🙂🐥✨



🐥🐥🐥🐥🐥






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🦌🦅🦮🐧🦊🐈🐥~🎤🎶今年も推し活も頑張ります💪