月明かりに華◆(6) | ー常永久ーシンイ二次創作

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月明かりに華◆(6)




「・・・・・・」
「・・・・・・」

トルベとチュソクは黙っているヨンの背中をジッと見つめていた。

店主からあの薬員と妓生の騒動を聞きヨンから醸し出す空気は変わらず、いや更に不機嫌になったのがわかる。


「店主」
「は、はい?」
「次にあの方を妓生の様に扱ったら、首が無くなると思え」
「申し訳ございません!」
「それを買った妓生らの妓楼はわかるな?」
「は、はい」


入って来た時よりもヨンの機嫌は殊更に悪くなり、店主は額に汗をかき返事をするのがやっとの様子だった。だがそれは後ろにいる二人も同じく感じていて、兎に角自分達に声を掛けないで欲しいと願っていた。
抜いてない鬼剣を向けられている様なのだ。

あの薬員は男を招く女人だと思われてしまった上に、隊長を誑かしたとまで言われて本人がそれを知ってしまったら折角元から戻って来たというのに、やるせない気持ちになるに違いない。

あの薬員を隊長が恋い慕っているのなら、こんな話を聞けば憤怒するのは当たり前か。


「ほ、他には何か?」
「まだ店に出して無い残りの物を全てだせ」

店主は恐る恐るヨンの顔を伺っていたが、
ヨンの鋭い眼差しと増してくる威圧感に慌てて店の奥に入って行った。


その日のうちに、ヨンはウンスが買った謎の液体の残り全てを没収したのだった――。






「・・・ウンス殿、凄い事を妓生達に発したのをわかっていますか?」

ヨンは顰めた顔をウンスに向けていた。

「でも、エンケイの事も馬鹿にしたのよ?それは絶対許せないわ!」
「そうですが・・・」
「正に聖人君子だった彼を、少しでも悪く言うのだけは我慢ならない」
「・・・それは、確かに」

口篭るヨンにチャン侍医はチラリと視線をヨンに向けるが、そこは二人も仕方ないと感じたのか小さく頷いた。

彼は確かにその様な者だった。
不遇な環境になっても誰も恨む事も無く、ただ寂しい瞳をして最期まで微笑んでいた。その流される様な運命を静かに受け止めて、若くして病で亡くなったのだ。
元々母親も身体の弱い人だった為、そこは彼は覚悟していたのかもしれないが。

そして彼はウンスの命の恩人でもある為に、ウンスの懐き具合は昔から激しいものがある。護衛した過去があるヨンは見ていた為、そこは何も物言いは出来なかった。


「しかし、妓生に喧嘩を売るとは・・・」
チャン侍医はため息を吐いた。

妓生達は高官の接待や宮中行事の際外国から来た使者達の接客も行う女人でもあり、何処に繋がっているのか、誰が何を握っているのかも深くはわからない場所でもあるのだ。
普段行かなければ全く関わりは無いのだろうが、はっきり言ってウンスがあの女人達と関わるのだけは避けたいとヨンもチャン侍医も考えていたのだった。

ウンスの位がもう少し違うものだったら、また変わっていたのかもしれないが、今はエンケイの元許嫁という危うい身元だけ。
辛うじてイ家は無くなり誰も追求出来ないのが幸いなのだ。


ヨンが調べる限り、ウンスとその妓生の集団、更に数日前に別な妓生が何人か。随分と数があると感じたが、その貿易商が妓生が使う白粉入れに小分けにしてその店に卸したのだろうと考えた。

「軍が監理出来ない山や里等は探せば沢山ありますので、密かに作っているのかもしれないが・・・」

その品を卸しているのが、妓楼という特殊な場所に決めているのも怪しい物だと語っている様なものだ。



「兎に角、ウンス殿は二度とあの店には行かぬように」

再びヨンがウンスに言うと、コクリと頷きながらも、

「でもこの匂いは香水に似ているんだけどなー」

肌荒れや乾燥に効くのは良い事で、一瞬使いたいと思ったが、
ウンスの表情で考えが読めたのかチャン侍医は陶器をそっと机の端に移動させウンスから遠ざけていた――。





―――少し前の事―――。


ヨンは市井から帰って来て、自分の部屋に入るなり何でだ?!と椅子に座り唸っていた。

何時からそんな話が出回っていたとか、そんな事はどうでも良い!

「骨抜き?覚えた技を使って?!」

男故願望があるのは否めない、だが、何故されてもいない事が既に終わっているのか?
一、二度ウンスの腰や肩に触れただけなのに、それでそこまで話が進んでいるなど知らなかった!

ふとした機会に手を伸ばそうと考えもあった。
昔みたいに、四六時中見ていられる訳にもいかず、まだあの時のがウンスの動向がよくわかったのに。

「・・・くそっ、触れ難くなるだろうがっ」



「・・・何だ?今の音は?」

近くの柱を殴った音を聞いたのは、
二階に上がろうと歩いていたトクマンだけだった――。






(7)に続く
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・・・えー、ヨン氏そんな事思っていたの?(*´`)


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