ジグザグ♧(6) | ー常永久ーシンイ二次創作

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ジグザグ♧(6)




リハーサルを終え講習会場から出てウンスに電話をしようと何気に遠くを見ると、
「・・・?」

男の身体とエスカレーターの壁で全体は見えないが、影から見えた赤茶色のふわりとした髪の毛はウンスだと直ぐにわかったが。

・・・誰だ?

ベンチに座り二人話している様で、直ぐに足を向け近付いた。

「・・・ありがとう」
ウンスがにこりとはにかんだ様に笑い礼を言う姿を見てヨンは苛立ち始めてしまう。だが、近付くにつれ、大学時代の友人のヒョンジュだとわかった。

・・・何でヒョンジュがウンスに話し掛けているんだ?

「・・・お前、何やってんだよ?」

声を掛けると、ヒョンジュと横にいるウンスがヨンに視線を向けて来た。
話をしていたのだが?という二人の眼差しに、ヨンは苛立ったままヒョンジュに構わずウンスの手を取り話し出した。

「終わったら一緒に帰ろう」

講習会が終わったら、ウンスは良いと言ってくれたのだ。明日も休みで、ウンスと二人でいられる時間が多ければ多い程良い。
だから、あと少し頑張るから。

切々と語るヨンに、きょとんと目を丸くしたウンスは首を振り頷いて返事をしたが、まだ頭の中にははてなマークが飛んでいる。だが、ヨンが随分と講習会に力を入れているのだけはわかり、それを成功させたい意気込みは強く感じた。

「う、うん、頑張ってね」

ヨンは満足気にうんと頷き笑うと、そこで漸く機嫌が直ったらしく横にいるヒョンジュに顔を向け、何故この会場にいるのか?と尋ねた。
その疑問をぶつけると、ヒョンジュは怒りながらも以前ヨンが友人達に婚約の報告メールを飛ばし、それの祝いに来たという事だった。

・・・あぁ、そうだった。

学生時代の友人達に一斉送信して、何人からかはお祝いのメールが返って来たがヨンとしてはただこの幸せを叫びたかっただけで、その後の事は考えていなかったのだ。

「俺は昔から知っていたよ、良かったな、ヨン!」

バンバンと肩を叩かれ眉を顰めたが、それでもウンスの事も知っているヒョンジュの祝福の言葉にヨンも素直に嬉しいと感じ、ウンスと同じくありがとうと返事を返したのだった――。




「改めて後で祝ってやるってさ」
「良かったわね、ヨン」

学生時代の友人達に祝福される事は、親とはまた違う恥ずかしさと嬉しさがある様でヨンも珍しく照れている様だった。
そんな顔を見れてウンスもにこりと微笑んでしまう。

「もう少しで始まるんだ、ウンスも中に入ったら良いよ」
最前列も空いているし。
「やだ、やめてよ。流石にそれは恥ずかしいわよ!」
「俺は別にいいのに・・・」
「私は嫌よ、上の方で良いわ」

そんな会話をしながら会場に入るが、既に席が埋まっていてヨンが言っていた最前列は座る場所も無くなっていた。
しかも女性率がとても高いのだ。

「・・・・・」
「・・・はー、流石チェヨンさんだわぁ~」

へー、へーと何度も言い、低くなったウンスの声にヨンもチラリと見て機嫌を伺った。
これでウンスが不機嫌にでもなれば、また今日もおわずけじゃないか?・・・いや、それは絶対に嫌だ。

しかし、ヨンの腕にウンスは自分の額を付けて来てふふっ、と笑う。

「・・・もう、こうなるとは予想はしていたから大丈夫よ。兎に角頑張ってね」
「ウンス・・・!」


ぱぁーとヨンの瞳が輝いていくのに苦笑してしまうもののヨンが成功する様に願うのは当然で、
自分がいる事で彼が頑張れるなら嬉しいとウンスは考えていた。





その時は本当にそう思っていたのに――。




「・・・でも、ヨンがクラブに来ていたのは皆知っているわよ?」
「私だって彼とクラブで会った事があるし、彼普通にお酒飲んで楽しそうに話していたけど?」


ウンスの席の斜め後ろ、少し離れた場所で小さい声で話しているのは先程自分にぶつかって来た大学時代の同級生の数人で、最初はヨンの講習を見て浮かれた声が聞こえているだけだった。

それが変わったのは大学時代のヨンの話になってからで――。



「・・・・・」
――ヨンがクラブに。
――・・・全く、知らなかった。


何時も自分の近くで優しく笑っているヨンしか覚えていない。実習が終われば、どうだった?と聞いて来てヨンのレポートと見比べてお互いの感想を言い合う。

・・・あぁそうだ。今更だけど、学生時代ヨンと夜に会う事なんて滅多に無かった。
医師になって、飲みに行こうと誘われてから多くなっただけで、学生の時は殆ど昼間しか彼と会っていなかったのだ。
 
あの時は自分が彼に遠慮する気持ちもあった為、そこまで疑問にも思わなかったのだが・・・。


「要は、男の欲求って我慢出来るものじゃないって事よね」
「若かったわねぇ・・・」



「・・・・・」

ウンスは顔を伏せ、ジッとパンフレットを見つめていたが静かに立ち上がると上の扉を開け講習会場から出て行った。



・・・・ウンス?

突然会場から出て行ったウンスに、一瞬戸惑ったがまだ講習会は終わっていない。

ヨンは困惑しながらも講師を務めたのだった――。






(7)に続く
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・・・誰か言っていた様な。


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