ジグザグ8 | ー常永久ーシンイ二次創作

ー常永久ーシンイ二次創作

☆信義-シンイ-の二次創作ブログ☆
(小説・イラスト・日記等)
二次創作に嫌悪感のある方はオススメいたしません。





▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
ジグザグ8




―・・・確かにあの時ウンスに伝え、彼女も笑顔で返してくれた筈なのだ。

「ウンスは俺を待っていてくれる?」

女性側として4~5年は長い。
それでもウンスに待っていて欲しい。
ウンスはニコリと笑い「わかった」と頷く。
『ヨンはアメリカでも大丈夫』だと言ってくれ、『その間待っている』とも言った。
最後に見るのはウンスの姿だと空港まで連れて来て、忘れない様にと記憶にしっかり残していた。

ウンスが自分を待っている。
ヨンはそれだけでもう充分幸せだった。

毎年ウンスの誕生日に彼女に似合うだろうと色々贈り、本当は自分の手で彼女の首にも手にも身体にも付けてあげたいとずっと好きだと書いたメッセージと共に届けていた。


帰って来たらその姿の彼女を抱き締め、プロポーズするんだと・・・。


しかし、久しぶりに会えたウンスは自分が送った物を何も身に付けていなかった。

もしかしたらウンスの好みでは無かったのか?
予約したレストランも大丈夫だったか?
不安が募り、ヨンはポケットの中の指輪を渡す事さえ出来なかった。



「・・・え?・・・ウンスはどう・・・いや、まさか何も?」

彼女が贈った物を付けていなかった理由は・・・

いつの間にか掴んだ手を離していた。


「・・・俺は・・・ウンスの恋人では無かったのか?」


「・・・恋人ですって?」

その言葉にウンスの眉がキリキリと上がっていく。
そして下を向いて肩を揺らし堪えきれないと笑い出した。

「ヨンは何を言っているの?私は貴方に振られたというのに・・・」
言葉を吐き睨み付けて来たウンスにヨンは顔色が悪いまま驚きで目を大きくする。

「俺がウンスを振る?有り得ない!」
それこそおかしな話だ。
そもそもそんな事ウンスからされた事等無いじゃないか!
何時も自分から一歩引いた感じで、彼女の気持ちを自分に向け少しでも此方を見て貰おうとヨンは大学生の頃から必死だったのに。

ウンスは歯をギリと食いしばった。
目が痛い。涙が出てきそうだ、でもまだ耐えなくては。
彼の前では泣かない為に。

「・・・アメリカに行く前よ。私はヨンに手紙を書いたわ、自分の気持ちを綴った手紙を・・・だけど貴方はいらないと言って来た」
ウンスの言葉にヨンの眉が顰められていたが、ふと何かを思い出したのか徐々に目と口を大きく開け手で口を覆った。

「手紙?・・・ウンスが渡そうとしていた?」
「そうよ。あの時から私はヨンに対して恋愛の感情は消えたわ」

ヨンがヒュッと息を吸う音が聞こえる。
ゆるく左右に首を振りヨンはウンスを見ていたが、対するウンスははぁーとまたため息を吐いた。
手が震えるのは感情を必死に抑えているからなのか?それともさっきヨンに強く掴まれたからなのか?
震える手を見られたくないと後ろに隠しウンスは静かにヨンを見つめた。


「・・・じゃあ、このお見合いは終了って事で。帰るわね」

背中を向けたウンスにヨンは手を伸ばし、肩を掴んだが肩越しからウンスが目を薄め見て来た。

「・・・あぁ、機器の事だけど。いらないわ」
「ウンス・・・」

ヨンの掠れた声を切り捨てる様にウンスは素早く肩から彼の手を離すと、再びエレベーターに向かって歩いて行った。
後ろからドサリと音が聞こえ、一瞬だけ見るとヨンはソファーに座り下を向いている。

でももういい。私は全部彼に吐き出した。
これでヨンが近くに来る事は無いだろう。

エレベーターに乗り込むとウンスは自分が何故か息が苦しい事に気付いた。

「・・・ッ、うぅ」

そうか。私は泣いていたのね。
漸くこの苦しかった気持ちとも終了だわ。
数年分の涙が出てくるのは仕方ないとウンスは流れる涙をそのままに、
数が減っていく表示をぼんやりとした視界で見つめていた。






(9)に続く
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

漸くヨンの行動の意味が判明。
しかし、前にも言いましたが現代のヨンは積極的ですから。(^_^;