ジグザグ7
ウンスは呆然と立ったままヨンを見つめ、ヨンもソファーに座ったままウンスと同じ表情でウンスを見上げていた。
「・・・何で?ヨンが?」
しかしウンスの言葉に先に我に返ったのはヨンで
ゆらりと立ち上がるとウンスに向いた。
「・・・はぁ、なるほど。・・・同じ医者・・・ねぇ」
鼻で笑いながら吐き捨てる様に言った後、ツカツカとウンスに近付いて来た。
「どういうつもりなんだ?」
そう言うと徐に手首を掴み顔を近付け睨んで来た。
「ど、どういうつもり?た、ただ私はお見合いに・・・」
「だから、それだよ」
「・・・え?」
「意味がわからない。理解出来ない」
ウンスこそ何故彼がここにいるのかわからなかった。
「・・・貴方がオーナーの親戚の息子さん?」
「ああ」
それにも驚きだが、だったら私は間違えていない。
頼まれここに来たのだから。
「私はその息子さんとお見合いをして欲しいと言われ来ただけよ?ま、間違っていないわ!」
「間違いとかそう言う問題じゃない!」
いきなり声を荒らげたヨンにウンスはビクリと身体を跳ねさせてしまった。
先程から掴まれている手首も痛い。
ここからは見えないが、フロアの空気が変わっている。きっと他のお客も驚き此方の様子を窺っているのだろう。
「・・・ヨン、声が・」
「帰って来た早々親から見合いしろと言われた」
ウンスの声を遮る様にヨンは話し始めた。
「親戚のおじさんが仲介者で、断る事も出来ない、しかもその女性は同じ医者で大変乗り気だと。男性が行かない等と恥ずかしい事はするなと言われ、嫌々来て見ればコレだ」
ヨンは眉を顰めウンスをきつい眼差しで見ている。
「会社の都合・・・まさかウンスが乗り気だったとはな・・・」
「別にいいでしょう?」
「何?」
ウンスも負けじとヨンを睨み付けた。
何を間違っているのか?独身女性に見合い話が来たら、そりゃしようかとなるじゃない?
「私は独身女性よ?その話があって断る意味がわからないわ!」
「・・・はぁ?」
何故か更にヨンの怒りが増したのか手首を掴む力が強くなる。
「・・・いたっ」
「断る意味?」
すると手首を掴んだままヨンは手を引きウンスの身体を引き寄せると腰を掴んだ。
「断るだろうが、普通は・・・!」
「だから何で―」
「普通っ・・・恋人の俺がいたら、そんな事はしないだろう!」
「・・・・・・・・・・はい?誰の話?」
ウンスは理解出来ずポカンと目を大きくしてヨンを見つめた。
「・・ッ・・何をっ・・・」
ヨンは続けて話そうとしたが、ウンスのきょとんとした顔を見て口を開けたまま徐々に言葉を発するのを止めた。
そしてヨンの表情も目を開き驚愕していく。
「・・・え、だって、ウンスは・・・俺の気持ちを受け止めてくれたじゃないか・・・?」
「・・・・は?」
ヨンの顔色が悪くなっていき、しかしウンスにはその意味さえわからない。
「4年前・・・空港で・・・ウンスに待っていてくれる?て聞いて、ウンスはわかったと・・・笑って・・・」
ヨンは言葉も荒らげた時とは違い、弱々しいものに変わっていた。
(8)に続く
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※まさかの展開。ヨンは既にウンスと恋人同士だと思っていた様です。
