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イトシイイトシイイウココロ⑱
次の日の昼頃に典医寺に数人の女官が入って来て診療所から出て来たチャン侍医は何事かと驚いてしまった。
しかし女官の一人が医仙と昨日の話を振って来て大凡の想像が付き、なるほどでは、と作り方を教える為に彼女達を典医寺の広間へと案内をした。
簡易的に造った小さな小屋へと女官達を招き入れると、薬草とは別に干している乾燥させた花や花から抽出した精油を見せながら説明を始め、
女官達は初めて聞く内容で理解していなそうな女官もいたがそれでも必死に紙に書き留め、その様子をチャン侍医は苦笑しながらも静かに見守っているのだった。
「あぁ、賑やかで羨ましいな・・・」
「・・・いいから仕事をしろよ」
珍しく典医寺内に女人達の軽やかな声が聞こえ、その様子を薬員や医員達は羨ましそうに眺めていたのだが、何故かその場にウンスがいない事を不思議に思っていた。
・・・医仙が好きそうだと思ったのだけどな?
匂い袋を提案したのは医仙で、
薬員達にも楽しそうに語っていたというのに。
「・・・今日、医仙を見掛けましたか?」
「え?・・・あぁ、見ていないですね。診療所にもいなかったような・・・」
一人の薬員が他の薬員に声を掛け、そういえばと皆周りを見渡し朝から見掛けないウンスに首を傾げていた。
暫くして女官達は礼を言い典医寺を出て行った。
それを見送っていたチャン侍医だったが、顔から笑みを消すと書架室に入り扉を閉め椅子に座りながら深いため息を吐き出す。
だが、そのため息は先程の疲れよりも何とも言えぬ感情を吐き出す為でもあった。
「・・・決断していないのなら、知られるべきではありませんでしたね」
・・・全くどうするつもりなのか?
・・・そして、医仙はどう思うのでしょうか?
「・・・さて、もうそろそろ伺いますか・・・」
やれやれと椅子に凭れ空気を吸うと、部屋中に充満している甘ったるい匂いに少し顔を顰めてしまうが、
チャン侍医は昨日から様子がおかしいウンスを心配するのだった――。
昨日王宮から帰って来たウンスは気が付くと呆けている時があり、呼んでも返事が返って来ない。肩を叩いて漸く気付く様子にチャン侍医は眉を顰め、診療所の外で護衛で立っている武閣氏達の所に行くとチャン侍医の険しい顔を見て、二人は申し訳なさそうに女官達との出来事を話し出した。
「・・・また“噂”ですか・・・?」
呆れた顔で首を振るチャン侍医に申し訳ございませんと武閣氏達は頭を下げる。
「女官達の話は信じるには怪しいものばかりですからと、医仙にはお伝えしましたが・・・」
「・・・それは隊長の不注意でしょう」
「はい?」
「いいえ、何でもありません」
チャン侍医はそのまま診療所に戻ってしまい、武閣氏達は眉を下げたままチラリとお互いの顔を見合わせるしかなかった。
⑲に続く
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少し空きましたかね?りまです。
複雑な気持ち中のウンスの代わりに、
女官達に教えたチャン先生なのでした。
上手く文を途中で切る場所がわからない・・・(;∀;)
昨日迄推しアイドルグループの記念日でお祝いしておりました!📯💐めでたいめでたい!👏👏💖
今月は推しの誕生日もあるし幸せ・・・✨
(また更新出来ているので公式ジャンルに入りました・・・←コロコロ申し訳ない汗)