塾の先生が「先生」であるために大切なこと | 福岡県の学習塾コンサルタント|学習塾運営の手引き

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塾の先生として教壇に立つとき、忘れてはならないのは、自分が「親」でも「学校の先生」でもなく、「塾の先生」であるという立場です。これは当たり前のように思えるかもしれませんが、実際に指導の現場では、この境界が曖昧になってしまう場面が少なくありません。

 

塾の先生たちを見ていて残念に思うことのひとつは、知らず知らずのうちに「お父さん」や「お母さん」あるいは「学校の先生」になってしまっている先生がいることです。たとえば、「なんでそんなこともできないの?」「ちゃんとやりなさい」など、家庭や学校でよく聞くような叱責の言葉を使ってしまうと、生徒はその先生に対して拒否反応を示しやすくなります。それどころか、塾そのものに対して苦手意識を持ち、「もう塾をやめたい」という気持ちにまでつながってしまう可能性があります。

 

塾に通う子どもたちは、学校とは違う空間、家庭とは異なる距離感の中で、「少し特別な学び」を期待していることが多いのです。だからこそ、塾の先生は学校でも家でも得られない学びの楽しさや、知ることへの興味を引き出す存在であるべきです。厳しさが必要な場面も確かにありますが、そのときの言葉選びや態度に細心の注意を払うことが求められます。

 

特にベテランの先生ほど、長年の経験からくる自信や習慣で、「指導=叱る」「指導=矯正する」というスタイルに陥りがちです。しかし、指導の本質は「導くこと」です。一方的な押しつけや感情的な叱責ではなく、生徒が自ら前向きに学ぼうと思えるような働きかけが重要です。そのためには、相手をよく観察し、理解し、信じる姿勢が必要です。

 

「親のような態度」とは、たとえば感情が前に出すぎてしまうことや、理屈ではなく「こうあるべき」という価値観を押しつけることを指します。また、「学校の先生のような態度」とは、成績や行動だけで生徒を評価し、一律の基準で指導しようとすることを意味します。塾の先生は、そのどちらでもなく、「学びのサポーター」であるべきです。生徒一人ひとりの個性や状況に寄り添い、学ぶ意欲を育てることが何よりも大切です。

 

私自身も、塾で出会った「先生」の言葉に背中を押された経験があります。その先生は決して叱ることなく、常にフラットな姿勢で、私の小さな成長にも目を向けてくれました。そのような先生の存在は、今も私の中で生き続けています。だからこそ、塾の先生は、生徒にとって「学びを肯定してくれる存在」であり続けてほしいと強く思います。

 

最後に、「先生」という言葉は「先に生まれた人」と書きます。つまり、知識や経験を少し先に得た者として、後に続く者を温かく導くことが求められているのです。決して威圧することなく、押しつけることなく、尊敬される存在として、子どもたちと向き合ってほしいと思います。それが、「塾の先生」としての真の在り方なのではないでしょうか。