学習塾における教育の質は、「講師力・授業力」という“商品”によって決まるといっても過言ではありません。その商品を磨き続け、真に価値あるものとするためには、教室長がどのように講師を育てるかが極めて重要です。その鍵となるのが、「競争」「共創」「共奏」の3つの「きょうそう」によるシナジーです。私はこの3つの「きょうそう」が実現されている塾こそが、講師力で他を圧倒し、結果として生徒や保護者から選ばれる存在になっていると確信しています。
まず、「競争」について考えてみます。競争というと、時にギスギスした空気やプレッシャーを連想しがちですが、適切な競争は成長の源です。互いに高め合い、良きライバルとして切磋琢磨する環境は、講師のスキルや授業の質を大きく引き上げます。成績アップや満足度向上という結果が目に見えて表れることで、講師自身も自信と誇りを持つことができます。
次に、「共創」は、講師たちが個々の知識や経験を持ち寄り、新しい価値を生み出す過程を意味します。例えば、授業の進め方や教材の工夫、あるいは子どもとの接し方など、一人では見えにくかった改善点や工夫が、仲間との対話を通して浮き彫りになります。講師間での意見交換やミーティングが活発な塾ほど、創造性に富んだ指導が可能になります。
そして最後に、「共奏」。これは音楽のアンサンブルのように、講師それぞれが自分の役割を理解し、全体の調和を意識しながら生徒に向き合う姿勢を意味します。授業という舞台の上で、講師と生徒、あるいは講師同士が調和しながら学びを奏でる。その一体感が、子どもたちの安心感と学ぶ意欲を引き出すのです。
この3つの「きょうそう」が有機的に機能するとき、講師は「ここで働けて良かった」「もっと頑張りたい」と心から感じられるようになります。そうした前向きな気持ちが、授業にもにじみ出て、生徒の学力向上や意欲向上につながります。その結果、体験生はほぼ確実に入塾し、通常の退塾はほとんど発生しないという好循環が生まれるのです。
こうした環境を築くことができれば、教室長は経営や人材育成に追われるばかりではなく、自身の理想とする教育を追求する余裕が生まれます。つまり、3つの「きょうそう」のシナジーを育むことは、単に講師育成のための手段ではなく、教室全体を理想的な学びの場へと変えるための本質的なアプローチなのです。
学習塾における講師の力とは、生徒の未来を支える大きな柱です。その柱を強く、しなやかに育てていくためにも、教室長が「競争」「共創」「共奏」という3つの「きょうそう」の調和を意識しながらリーダーシップを発揮することが、これからの塾運営に求められているのではないでしょうか。