個別指導学習塾を開業する際に、「フランチャイズ(FC)」で始めるべきか、それとも「個人」で立ち上げるべきかという選択に悩む方は少なくありません。私は断然、「個人」でやるべきだと考えています。以下に、その理由を具体的に述べていきたいと思います。
まず、FCで学習塾を開業する際には、多額の初期投資が必要になります。加盟金、研修費、設備費など、まとまった金額が必要となるにもかかわらず、その見返りとして得られる内容は、必ずしも現代の教育ニーズにマッチしているとは言えません。むしろ、提供されるノウハウや指導法は時代遅れで、現場のニーズや子どもたちの多様な学び方に対応しきれていないものが目立ちます。
さらに、開業後も「ロイヤリティ」と呼ばれる継続的な支払いが発生します。これは決して安いものではなく、月々の売上の数%を長期にわたって支払い続けなければなりません。塾の利益が上がらない間もこの負担は続くため、経営を圧迫する要因になり得ます。
私の周囲でも、FCで塾を始めたものの、数年以内に契約を打ち切った人が多くいます。彼らに話を聞くと、「思っていたほどのサポートが得られなかった」「本部の方針と自分のやりたい教育が合わなかった」「費用のわりに自由度が低すぎた」といった声が目立ちました。つまり、FCという仕組み自体が、現場で柔軟に対応していきたい人にとっては、むしろ足かせになってしまうのです。
それに比べて、個人で塾を立ち上げる場合、初期費用を抑えながら、自分自身の教育理念や方針に基づいた自由な運営が可能になります。「一人でやるのは不安だ」と感じる方もいるかもしれませんが、そういったときには、優れた教育コンサルタントと個人契約を結ぶという選択肢があります。
優秀なコンサルタントの中には、非常に情報量が豊富で、指導ノウハウだけでなく集客や運営のアイデアも的確に提案してくれる方がいます。定期的な打ち合わせを通じて、困ったときの相談相手にもなってくれますし、コンサルタントを通じて新たな人脈を得ることもできます。しかも、顧問料はFCのロイヤリティと比べてずっとリーズナブルで、まさに費用対効果が高いと実感できると思います。
つまり、FCに頼らずとも、適切な支援体制を整えれば、むしろ個人の方が効率的かつ自由な塾運営が可能なのです。教育とは本来、子ども一人ひとりに寄り添う柔軟さと創造性が求められる分野です。その意味でも、画一的なフランチャイズの枠にとらわれるより、自分のビジョンを軸にした個人経営こそが、今後の学習塾のあり方として望ましいのではないでしょうか。