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いつか紹介したいなと思っていたイギリスのテレビ番組があります。

 

 

 

 

 

 

 

『ザ・ピアノ(The Piano)』というこの番組。

 

 

 

 

ちょうど一年ほど前に観たこちらは、素人のピアニストたちが駅に置いてあるピアノで腕前を披露するというシンプルなもの。

 


しかし、実は参加者には内緒で審査員二人がこっそりとその様子を伺っています。審査員のお眼鏡にかなった参加者は、のちにロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで開催されるピアノコンサートに奏者として招待されるというサプライズ付き。

 

 

 

 

審査員は、世界的ピアニストのラン・ラン(Lang Lang)とシンガーソングライターで自身もピアノを弾くのミーカ(Mika)。

 

(映画『のだめカンタービレ最終章』ののだめの演奏は全てラン・ランの吹き替えだそう。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長年趣味でピアノを弾いてきたという人、コロナ禍で初めてピアノに触れた人、独学で作曲するようになった人、学生、会社員、定年した人、子供、発達障害やアスペルガー障害に向き合うツールとして弾いている人、メンタルヘルスのバランスを取るため、自分を癒すため、向き合うため、ドラッグ中毒からの回復の過程でピアノに出会った人…などなど、参加者はさまざま。

 

 

 

 

驚くのは、参加者の多くが独学であるということ。

 

 

 

 

「ピアノを弾く人」という切り口から、その人の人生や物語が浮かび上がってくるのもとても興味深い。

 

 

 

 

 

 

 

 

皆それぞれに特別で、一人一人のピアノとの関わり方や物語が印象的だったのですが、その中でも視聴者全員が度肝を抜かれたのが、13歳のルーシー。

 

 

乳児期にガンにより視力を失い、自閉症など複数の障害を持つルーシーにとって、ピアノはコミュニケーションツールでもあります。

 

 

 

 

 

 

彼女の駅での演奏がこちら。

 

 

 

 

 

 

 


「指から何かが出ている」みたいな表現を聞きますが、

 

こんなにも自然に指から音楽が出てくる人って初めて見ました。

 

 

 

 

 

ピアノ奏者にもいろいろなタイプがいると思うのですが、全身全霊を傾けて憑依されたように情熱的に演奏するのと違い、ルーシーはルーシーのまま、ただとてつもない音楽だけが指先から溢れてきます。

 

 

ちなみにフェスティバルホールの舞台では、演奏中に共演者の名前を呼んでみたり、お母さんのことを話しながら演奏していたりします。

 

 

 

 

 

 

 

ロイヤル・フェスティバル・ホールでのルーシーの演奏。

 

 

 

 

 

 

 


 

この過程を通して、はじめは聴覚過敏などにより拍手は嬉しくてもその音が苦手で耳を塞がなければならなかったルーシーが、コンサートではスタンディングオベーションの拍手喝采を享受できるようになっているという変化も合わせて興味深い!

 

 

 

 

 

 

 

イギリスでは、「ピアノ版ベイクオフ」とも呼ばれているそう。笑

 

番組のシーズン2が4月下旬から始まったので、この機会に紹介してみました。

 

 

 

他のファイナリストたちの経歴やピアノとの関わり方も本当に興味深く演奏もすこぶるかっこいいので、ご興味がありましたらぜひ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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