どこ鉄143 〜AIとのファーストコンタクト | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



今回も刺激的ないい写真が揃いました。

早速やっていきましょう。




まずは加瀬さんからの前菜。

線路の幅が広い(標準軌)。


そして2本の線路が合流して単線になる。



関東における標準軌の単線区間なぞ熟知しております。そもそも加瀬さんがそういう写真をたくさん送ってくるから覚えたようなものです。



というわけで配線略図大先生。

2本の線路が合流…あそこだな。


線路のカーブもおあつらえ向き。

新築物件以外完全一致。


京成金町線・柴又駅付近の踏切、瞬時に確保。



加瀬さんの地点データ↓

この辺だけで5箇所も送ってきてるし(それも金町駅は複数回)。

もうこのパターンの配球は通用しませんよ!





お次は日下さんからの1枚。

画質がいい!


やっぱり写真は画質が良いほうがやる気も出ますね。


さて非電化のローカル線。


背景を見る限り、山間部というよりは低い小山の中を縫って走る路線=房総半島あるいは平野部の端のほうか。


写真を拡大。

駅名標のデザインはJR東日本ぽい。

注目するのは駅名標上部に入ったうっすらエメラルドグリーン。


乗換路線図アプリでラインカラーを確認。

ほう……房総半島を走るJR東日本非電化ローカル線・久留里線が怪しいラインカラーをしている。


配線略図大先生。

さらに色が怪しくなった。

すれ違いのできる2面2線構造の駅は久留里駅のみ。



では元の写真↓


見つけ出した写真↓

KANPEKI。


JR久留里線・久留里駅、どっちが問題写真だったか分からなくなる精度で確保!!!



あー楽しい!




さあ続きまして、岡山の恵理さんからの1枚。

こちらは単線電化路線の踏切。

左カーブの先にはトンネル、踏切脇には水路か。


まず、とある要素からJR西日本の路線であることは確定。

ベラベラ得意気に書くと今後加工で消されることもあるから言いませんよ!



恵理さんの地元である岡山(津山)から近い該当路線といえば、伯備線。



まずは路線のルックスを検索。

気になるのが、架線柱が立派なこと。


問題写真の架線柱は、伯備線と比べるとだいぶシンプル。


伯備線は単線といえども山陽と山陰を結ぶ重要な幹線であり、設備が立派なのも当然。


もう少しローカルな路線という事か?



もう一つ気になるのが。

川というか水路?の水位が高いこと。


山間部でももちろん堰き止めれば水位は上がるけど、海に近い場所と考えたほうが自然ではないか?



JR西日本の海沿い単線電化路線。


先日もさんざん注目した呉線へ。

こちらも架線柱が立派。


赤穂線(あこうせん)は?

こちらも違いそうか……


赤穂線もけっこうローカルな線だと思ったんだけどな。

もっとシンプルな架線柱を使ってそうな単線ローカル線は……それにしても水路がなみなみしてるのが……あっ。

分かっちゃったかも知れない。



一気に城崎温泉へ。

駅の先にカーブ。トンネル。水路。



どうやら閃きは間違ってないようだな。



では元の写真↓


探し出した写真↓

JR山陰本線・城崎温泉駅近くの川と踏切、一発の閃きにより確保!!!フゥーッ!!!



水位が高かったのは、海が近いという要素以外に温泉街だから(湧水が豊富)という事もあったのか?正直わかりません。



この閃きには架線柱も大きく関係しているのですが、それがこちら。

問題写真でも奥に見える、この白地に赤のマーク。


(こひつじの家さんのページより)


「架線はここまでで終わりですよ」という標識で、電化区間と非電化区間の境界になるわけですね。

山陰本線の(京都寄り)電化区間は京都〜城崎温泉間なので、城崎温泉駅の先・ちょうどここに架線の終端があったわけです。


奥のトンネルから、非電化区間が始まります。

架線の末端だから(=城崎温泉駅まで張られた架線の余白部分だから)、架線柱もシンプルだったわけですね。



…最初からこれに気づいていればもっと早く分かったかも知れませんが、まあいいでしょう。こんなにベラベラ書いたところで理解してくれる人のほうが少なそうだし!


 



さあ次へ行きましょう。名古屋のKANSさんからの1枚。

架線柱祭り。


左のほうなんて景色が見えないほど林立してて圧巻ですね!


注目するのは、右側にも別の高架で路線が並走していること。

新幹線かな?とも思ったんですが、

信号機がある。すなわち新幹線ではない。



新幹線は、こういう信号機にあたる機能が車両に搭載されているので(運転席に表示されます)、線路脇に立っていることはありません。

だいたい300キロ近い速度で走りながらたまにピュッと過ぎてく信号機を視認するなんて無理ですからね。

「あれ今何色だった?」とか悩んでいるうちに1kmくらい余裕で行っちゃうし。



写真に戻って。

ここは素直にKANSさんの地元・名古屋付近でJRと名鉄が高架で並走する区間から捜索を始めよう。



その場所は尾張一宮(名鉄一宮)駅付近。

JR東海道線の横に名鉄の高架。

目論見どおりのいい構図だ。


↓↓↓

……ちょっと違ったか……!!!



最大の違いは、4本の線路が2本(複線)に収束する構造になっていること。


問題写真では、4本の線路がそのまま延びていくように見える。


これは複々線区間という事か?

名古屋付近にはこれに該当しそうな区間はない。



関西へ足を伸ばそう。


関西のJR複々線区間とライバル私鉄が並走する区間。



京阪神間はJRと京阪・阪急・阪神が競合する日本屈指の激戦区間ですが、実際にはそれぞれ微妙に離れた地域を走っているため、線路がピッタリ並走する区間はそれほどありません。



京都・大阪と並走区間はなく、初めて並び立つのは神戸三宮付近でのJRと阪急。

しかし三宮駅は、それぞれの会社で微妙に駅がずれている。



その先、JRと山陽電鉄の競合区間へ。

神戸を過ぎると山が海へ迫ってくるので、おのずと線路を敷ける土地も限定され並走区間も増えます。



垂水(たるみ)駅。

違ったか…!


ただ柵の構造が、(問題写真拡大↓)

同じ。このセンで間違いないだろう。



次に照準を定めた明石駅。ようやく見つけた写真を限界まで拡大。

……ほぼ間違いない、というか絶対ここなんだけど問題写真のような画角が見つからない(あんなホームの端っこであっち側の写真とる人はいない)。



さらに深くまで写真を探しても、

こんなのが紛れ込んでるし。

明石駅に新幹線は来ません。これは隣の西明石駅の画像ですよ!



そこで信頼できるマニアの皆様がアップした動画も駆使して徹底的に捜索。



では元の写真↓


なんとか探し出した写真↓

こちらの支柱が一致していた事を念のためアピール。



というわけでJR神戸線(&山陽電鉄)・明石駅、豊富な鉄分要素をもとに確保!



やはり車両はなくとも、ある程度見えている方が捜索は捗るな!




〜おまけ〜

ワッティさんからの1枚。

ゴールデンウィークに届いた海外編。

どこかの南国感漂うリゾート地か。

車両も写ってないから恐怖の写真だぞ?と慄きながら拡大を開始、すると。

……なにこれ?

線路がグニャグニャしながら消えてるんだけど。

さらに架線柱が建っているのに、手前側に架線が延びてきていない。



不審に思ったやりとり↓

なんだと?



さらに写真を凝視すると。

線路とホームがカーブしているのに屋根は直線。

というかそれ以前に建築限界をはみ出している。

この構造では列車が屋根に激突してしまいますね。お話になりません。

当たり前じゃ。


AIごときでこの私を騙そうとするなんて100年早いですね。


というわけでAIがこしらえたニセ海外写真、返品だよ返品!!おととい来やがれ!!!



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今回は以上です。



鉄道のことになるとほんの少しだけ熱くなってしまうものでしてね、失礼いたしました。




相変わらず絶望的に解けない写真たちに苦労しております。これ以外にもまだまだある……



こんな事より芝居のこと考えろって話ですがね!

もちろんしっかりやっております。

6月、ぜひご期待ください。




ではまた!