どこ鉄116 〜どこに目をつけるか | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



今回もバラエティに富んだ写真が揃いましたので、早速やっていきましょう。



まずはお久しぶりの、そらさんからの1枚。

いい跨線橋だ。


夕暮れの空、暖かい照明と味のある跨線橋。

架線がいくつも見えるから、電化路線でそこそこ大きな駅か。



「めっちゃ簡単だと思うんですが」とのコメントとともに送られてきましたが、、全く簡単だとは思えないですね。


それでも本人コメントの法則基づき、

まずはそらさんの故郷に近い、大井川鉄道沿線の捜索へ。


大井川鉄道はSLも走る風情あるローカル線(しかも電化路線)だから、こんな跨線橋もあるんじゃないか?



出発。

主要駅・新金谷には跨線橋がないか……。



全線捜索、大井川鉄道にはひとつも跨線橋がないという知識を取得。



勉強になりました!



次は「東海道線 跨線橋」で検索。

大井川鉄道の起点・金谷駅で接続する東海道線も歴史ある路線だからな、あんな跨線橋がどこにあってもおかしくない。

お!

この跨線橋、窓の感じも似てる!



この写真の当該駅・関ヶ原駅へ向かい、問題と似た角度を探します。

↓↓↓

………上の通路の部分が少し違うか……。


問題写真↓

こちらは斜めの補強部材が入っていない。


それによく見ると、壁に木目が入っているように見える。


検索に「木造」の語句を足して継続。

チラチラ出てくる模型を避けながらの捜索になりますが、ご覧のように斜め部材の入った跨線橋ばかり。



このまま延々と跨線橋を眺め続けるのか……とうんざりしかけた時。



あ。「めっちゃ簡単」の理由わかった。



すぐさま岐阜県の恵那(えな)駅へ赴き、画像を物色。

木造の跨線橋。よしよし。



では元の写真↓


探し出した写真↓

(観光列車から!日々利用の乗り物まで さんのブログより)

JR中央本線&明知鉄道・恵那駅、確保。


なぜ分かったかと言えば、そらさんが最近#恵那の家短編映画というプロジェクトで映画を撮っていたのを思い出したから。
クラウドファンディングは見事目標達成されたようで、おめでとうございます!

完成したら観に行きます!





さてお次は野球仲間マサシさんからの1枚。

JACROWの舞台も配信で観てくれて「これは弊社ですか?」と言うくらい楽しんでもらえたようで、ありがたい限りです。


さあ写真はこちら。

なに?この構造???


建物と連続したトンネルが徐々に地中に埋まっている?

こんなの見たことない。すっごい珍しい!気になる!



単純に「わー!面白い構造だね!」と関心だけしてればいいならどんなに楽なことでしょう。しかし残念ながら私は「どこ鉄」。場所を当てなければなりません。なんでこんな事をしているんだろう。



まずは「鉄道 トンネル 地上 外側 外構 見える 埋まる」等の語句検索で撃沈。



そりゃそうだと思いますよ。

地上→地下トンネルに対しての一般的なトンネル

外側→トンネルを出た外

外構→家の外構(庭や門柱)の画像がわんさか

見える→意味が分からない

埋まる→旧い使われなくなったトンネルが埋まってるケースがある



わかる。わかるよ、だけど僕は「トンネルの構造体が外側から見える」ことを探したいの!

もう、何と語句を入れたらいいものか……。



次に思いついたのは「シェルター」。


そうだ、雪国なんかでポイント(分岐器)のある場所とかトンネル同士の間にシェルターを造ることはままあるからな!


検索。

思うような結果は出ず。



うーむ、闇雲に大ざっぱな検索をしてもラチがあかないか……。



改めて写真を。

トンネルが埋まっていくほう、住宅地が斜面になっている。



……そうだ、あの場所はどうだろう?


北九州の枝光付近には、地図にはあまり載ってない「くろがね線」という貨物線が通っていて、急斜面の住宅地の下をトンネルでくぐっていたはず!



ピンポイントで現地へ。

斜面はともかくシェルターが無い。

住宅地の貨物線だから騒音対策のシェルターもあり得ると思ったんだけどな!



というか、あれがシェルターなのかトンネルなのか判断がつかない。なんか建物が2つ繋がってるし。

スノーシェルターだとしたら、それこそ東北や北海道に大量にあるだろうな……



徐々に旗色が悪くなりつつあるので、何かヒントはないかと写真が送られてきた時のコメントを再確認すると「駅のホームを外から撮ったものです。Google画像検索ではヒットしなかったので瞬殺はされないと思いますが。。」とのこと。


なるほど、駅か!

左側の建物が駅舎ってことかな?



ここでふと頭をよぎるのは、ほくほく線(北越急行)・美佐島駅のこと。

長大トンネル「頸城(くびき)トンネル」の中にある駅で、かつては特急はくたかが160キロで通過していたため、通過時は絶対にホームに出られない仕様になっていました。(現在は北陸新幹線が開通し、はくたかの愛称も新幹線列車へ移行。ほくほく線を走る高速特急は廃止)



不気味すぎる接近チャイムが鳴り響くなか爆速で通過していくはくたか、激しい気圧の差が引き起こす空気音が尋常ではない動画はYouTubeにいくつも上がっています。

(これはぜひご覧ください)



ただ、この駅は前述のとおり完全に山岳トンネルの中にあるので、問題写真のように地上に姿を出してはいないんですよね…

(美佐島駅の駅舎↓)

どこに線路があるのか、キミはほんとに駅なのかと疑いたくなる佇まい。




頭を切り替え、何か他にヒントになるものは無いかと写真を拡大していると。

……この隙間から見えるの、車両じゃないかな?



左側が、うっすらドアのようにも見える……



しかし暗くてよく分からない。



ならば、明るくするまでよ。

露出全開よし。写真だからこそ成せる技。


……白地の車体で、窓上に赤系のラインが入っているか?

草で隠れた部分、ドアに青系の塗装がしてあるようにも見える……。



この車両を探そう。



まず思い浮かんだえちぜん鉄道は、

窓上にラインがない。



次は関東鉄道。

こちらも、上にラインが入っている車両は窓まわりがグレーになっているので違うか…

(そもそも関東鉄道は関東平野のど真ん中を走っているため山岳部皆無)



他にこんな色の鉄道あったっけ…………あっ!ほくほく線は?

これかな……先ほど美佐島駅を思い浮かべたのは偶然だと思ったけど偶然でもなかったのか?


よし、ほくほく線に決めよう!

一旦そう決めると雪国の山間部を走るほくほく線の疑わしさは動かしがたいものに思えてきます。



あとはマップで一駅一駅見ていくのみ。



では元の写真↓


探し出した写真↓

完璧。


仕留める時にはGoogle画像検索など使わないのだよハッハッハッ!

(当てた瞬間に前半の恥ずかしい検索のことは忘れている)



というわけでほくほく線・しんざ駅(新潟県)、ほんの少しの隙間をこじ開けて確保!!!



なお駅ホームから撮った画像を見てみると、

むしろ問題写真真ん中の三角屋根がスノーシェルターだったんだな!(先ほどの美佐島駅は、ここから始まる頸城トンネルの中にあります)



いやー、こんな面白い構造の駅を探し出せたのは嬉しいっ!





さあ次の写真へ行こう。

JACROW公演も終了し、地元名古屋に戻られたKANSさんからの1枚。

草の向こうに単線の電化路線。



とうとう苦手(土地鑑ゼロの大都市)の名古屋周辺からの写真が来たか……と若干震えますが、ここは落ち着いていこう。架線柱の感じからして、おそらくJRだろうと推測。(名鉄・近鉄のことは考えないでおく)



そして一番気になるのが、写真奥に見えるあの塔。

あれは火力発電所じゃないか?



マップで入力。

当たり前だけど海沿いに多い。この辺は工業地帯だもんな。



このなかで、発電所付近を通るJRの単線電化路線といえば武豊線(たけとよせん)が真っ先に浮かぶけど、、ひょっとしたら貨物線の可能性もあるよな……。



ちょっと自制しようと思ってたけどやっぱり調べちゃおう。

この倉庫を。


朝日……倉…食…いや金属か?



入力。

やはり武豊線沿いに出てきた!!



勢い込んで全線捜索、SUKA。




アレー???




だがもう一ヶ所、四日市付近にも出てきたぞ!


さらに拡大。

おっ!倉庫の脇に貨物線が伸びているッ!

これはいいんじゃないか?

非電化。



クーッ!!!



少々不粋とは感じながらも、会社名なら間違いないと思ったんだけどな!




さて、ここからどうしたものか。

土地鑑の全くない名古屋近辺を適当なインスピレーションで捜索するのは現実的ではない。


やはり、この発電所を徹底的に探し出してみよう。



発電所の入力に戻って、一つ一つ煙突(煙突なのか?とにかく一番高い塔)の形状をチェックしてやる。



まずは武豊火力発電所。

似てる。でも青いラインが違うか……?



碧南(へきなん)火力発電所。

2つ並んでいる。

問題写真では、そんなに近くにもう一つは見えなかったよな…?



知多第二↓

形はいいけど色合いが。



新名古屋↓

形が全然違う!



西名古屋↓

いろんな形があるんだな!おもしろい!




だがラチがあかない!




シンプルに画像検索で一覧しよう。

最初「東海 火力発電所」で検索したら茨城県の発電所がズラリ出てきて何でだろうと思いましたが(「東海地方」にしても出てきてますが)、茨城県には東海村という日本初の原子力発電所ができたことで有名な村があるんでしたね。僕も以前、原子力のお芝居をする時に見学に行きました。



さて、画像検索を深く深くまで潜っていって。

四日市。

これが一番近いんじゃないか?


うむ。奥に煙突のようなものも見える……!



よし、四日市に決めよう。

四日市発電所の近くを通るJR路線は、関西本線。



この路線は確か、複線と単線が入り組んでいたはずだが……


配線略図大先生にて確認。

うむ、やはり入り組んでいる。



四日市付近の単線区間は、桑名付近と富田〜富田浜間、そして四日市〜南四日市間か。



北から順に探していって、四日市〜南四日市に差し掛かった時。

あ、朝日金属!!



…………て、あれ?さっき見たとこじゃない?



そうか、、さっきは貨物線だけ見て行っちゃったんだ……!!



では元の写真↓


ようやく辿り着いた写真↓

フゥー発電所ォォォォ!!!!



JR関西本線・四日市〜南四日市間の景色、確保!!!

問題写真は絶対、左側の茂みから撮ったんだろう!



この先で関西本線と非電化の貨物線が合流してた事、地図を見てたのに全く思い至らなかったな……!

あっちじゃなくてこっちだった!



それはともかく、大変楽しい捜索でした。





〜おまけ〜

KANSさんから「番外編」と送られてきた2枚。


年季の入った駅舎。

昭和の時代、こんな駅が全国的に建てられていましたね。


気になるのが、駅名がどこにも書いてないこと。

普通、こういう駅って正面上にデカデカと「〇〇駅」って出てるはずなんだけど。


KANSさんの解説によると、改装工事のため駅名の看板を外しているとのこと。

(改装前↓)

なるほど。


……駅名だけ外して、どこまで改装する予定なのか分かりませんが、昭和生まれとしてはこの国鉄時代の風合いを残した改装にして欲しいな、などと身勝手なことを思ってしまいますね。




なお、四日市市ではJRと近鉄の駅が離れていて、近鉄の駅前のほうが栄えているという噂があるけど、実際どうなんだろう?


近鉄の駅前↓

なるほど。


噂に違わぬ。



こういう駅(街)は、東海地方(他に岡崎とか)や、関西にもけっこう(堺、尼崎、西宮、茨木…etc.)ありますね。


関東ではそもそも「競合路線が市内それぞれ別の場所に中心駅を置いている」事例がほとんど無いため、あんまり馴染みがないかも知れませんが。京急川崎も京王八王子も、JRの駅とそこまで離れていませんし。

強いて言うなら千葉県の津田沼や佐倉(JR &京成)くらいですかね。



(ああ、こういう話ずっとしていられる)



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



個人的には非常に楽しく捜索できた回でした。

楽しんで頂けたら幸いです。



ではまた!