どこ鉄99 〜無駄と余計と遠回りの末に | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。



2月も終わりですね。

ワタクシは確定申告を今月中に終わらせるという自らに課した縛りを強い決意で手放す事にし、若干身軽になった気持ちで途中まで手をつけた書類に明日か明後日あたりから改めて向き合おうかどうしようかと考えております。



では、確定申告より先にやると決めたコチラをやっていきましょう。



まずはお初、僕が出演しました映画「マニブスの種」(アシケン監督)にて、カメラマンを務めて下さった西村さんからの1枚です。

3月初旬に開催される"SAITAMAなんとか映画祭"にて当作品がめでたくコンペ10作品に入賞しまして、お祝いムードで盛り上がるグループLINEの中にシレッと放り込まれた無機質な写真を僕は見逃しませんでした。

夜か。


とは言え「いい感じにヒント入ったと思ってます」とおっしゃっていた通りの写真です。

カメラマンですから、画面の中に何をおさめ何を省くかはお手のもの、という事でしょう!



一番のご馳走はこちら。

宇都宮線(東北線)。



説明不要。



もう一つ気になるのが、

左奥に見えるホームだけが延びている(ずれている?)こと。



少なくともホームが3本見えるので、そこそこ大きな駅か。



さて宇都宮線(東北線)で、3本以上のホームがある駅……



まずは大宮から始め(デカすぎ)、改めて写真を拡大してみた時。

奥のホーム、オレンジ色の柱(宇都宮線と同じ色)かと思っていたけど、よく見ると上に青いラインが入っているかな……?



このデザイン……東武ってことか?



(東武鉄道ホームページ↓)

ウム、駅名標のカラーリングが似ている。



さて、宇都宮線と東武が出会う駅といえば、

この2つ。(乗換路線図アプリより)



なお大宮駅にも東武野田線が乗り入れていますが、JRとのホームのずれ方が写真と逆なので、ここではスルー。




では元の写真↓


見つけ出した写真↓

ここは問題写真で見える隣のホームですが、これが限界。


ともかくJR宇都宮線&東武日光線・栗橋駅、テンポよく確保。




なお、後でよく見たら東武線ホームの柱の色は青ではなく濃い赤でしたが、

まあ合ってたから良いでしょう。(ちょうど問題写真と正反対の画角!)






お次はおなじみ加瀬さんからの2枚、まずはこちら。

相変わらずの都市部。

複々線区間か?



一目でわかる特徴は、

右側のホームに見えるホームドア。



こちら側のホームにはドアがなく、

より長いホームと思しきあちらにドアがある。



すなわち複々線区間で、長いほうのホームにだけホームドアがある。



=新小岩。




では元の写真↓


すぐに見つけた画像↓

(えきたんさんの動画より)


JR総武線(&総武快速線)・新小岩駅、一瞬で確保。



すぐに分かった理由。

首都圏JRのホームドア事情と言えば、まずは山手線・京浜東北線などの比較的短距離な通勤路線(おもに10両編成)から設置が始まって徐々に進んでいるところで、

総武快速線をはじめ東海道線や湘南新宿ラインのような、運行範囲が広く駅間も長い15両編成の中距離路線はまだ手がつけられていません。



そんな中で新小岩駅だけは、10両の各駅停車ホームより先に15両の快速線にホームドアがついています。



これは以前に新小岩駅の快速線ホームで人身事故があった際、マスコミがセンセーショナルな取り上げ方をした事もあってさらに事故が増えてしまい(特急が高速で通過するというのもある)、JRはあらゆる対策を講じる必要に迫られるなかで、ホームドアも特例として他の駅より先に設置せざるを得なかった、という事情があります。


航空写真でも、屋根がブルーに透けているのが分かります。青い光には心を落ち着ける効果があるそうです。


他にもさまざまな対策がしてあるそうで、まあそんなに愉快な話ではありませんがね、とにかくJRの努力(苦労)には頭が下がる思いです。


そして新小岩は賑やかな下町といった感じの素敵な街です!(隣の小岩はディープな街)




次!もう1枚。

夜シリーズ初期の写真。


去年の11月にもらって以来、手付かずだったものです(だって暗くて見えないんだもん)。


しかしだんだん保存期間が長くなってくると、他の新しい写真を解く時にもフォルダの中でチラチラ目に入ってきて精神衛生上あんまりよろしくないので、ここで気合いを入れて解くことにします。



さて。

・十中八九JR

・ホームは2面4線

・複々線区間?(線路が奥でまとまっている様には見えない。むしろ広い?)

・緩やかなカーブ

・ホームドアがない

・ホームの長さが揃っている

・右側に黄色い柵と、鉄道用地と思しき場所にトラック

・なので高架駅ではなさそう


要素はこんなところ。



そして最大のヒントは、

オレンジ色の乗車位置案内。



首都圏のJRでオレンジ色のラインカラーを用いた路線と言えば、中央線・東海道線・高崎&宇都宮線・そして湘南新宿ライン、念のため武蔵野線あたりか。(他の色より圧倒的に多い)

いずれもホームドアはまだ設置されていない路線のはず。



まず頭に浮かぶのは、東海道線の戸塚駅。

東海道線と横須賀線が並ぶ駅で、確か緩やかにカーブしていた気がするぞ…!


すかさず現地へ。

カーブが逆。



ちっ!


そこから中央線、宇都宮線、高崎線、武蔵野線とオレンジ色の路線を手当たり次第に捜索するもSUKAの量産体制。



たまらず検索も導入。

2面4線だつってんのに飯田橋(1面2線)ばかり出てくるし。


JRの検索なのに前回の西武まで顔を出してくるし!



もうちょっと人の言うことを聞いてほしいな!!!




いま一度写真に戻ります。

どうも、中央線で失敗したからこその感覚だけど、15両編成が停まる長いホームに感じるんだよな……(中央線は10両)。


ひとつ不可解なのが、オレンジ色の乗車位置案内がホーム内側には無いこと。

これはどういう事だ…たまたま?たまたまなんてあるか…??



とにかく、15両編成が走る区間……しかし東北本線も高崎線も探し尽くした気がするが……どこか見落としがあったのか…??


そしてホームの乗車位置案内でもう一つ気になっていたのが。

(高崎線・宮原駅)

このようにオレンジ色だけではない、2段構造の案内の駅が目立ったこと。


今回1問目の宇都宮線・栗橋駅↓

やっぱり2段。



問題写真はオレンジ色の表示だけ。



どういう事だ……この路線じゃないのか……?



ここでハッと思いついたのが、湘南新宿ラインと埼京線が同じ線路を走る区間、すなわち池袋〜大崎間。



湘南新宿ラインは15両編成、埼京線は10両編成のため、ホームの端には湘南新宿ラインの電車しか停まりません。
(ホームの先頭で待っていたら短い編成が手前で停車したので慌てて走る、という経験は一般的なあるあるですよね)


さて新宿駅の案内↓

右側にオレンジ色のみの表記。


このラインだ。



では元の写真↓


ようやく辿り着いた画像↓

広角レンズなので曲線の印象は違いますが、ポイントは右側の黄色い柵とその向こうの道路に見える消火栓の標識。


ホームをもう少し進むと、

問題写真と同じホームの継ぎ目。



JR埼京線&湘南新宿ライン・大崎駅、夜のせいで苦労しながらも何とか確保!!!



苦労した最大の理由がこちらです。

大崎駅はもちろん山手線も通っている、全部で4面8線の大きな駅。

しかし山手線(一番左の線路2本)との間を遮るように、貨物線の高架が通っています。


この向こう側に貨物線の高架(と山手線)があるとは、さすがに分からない。



これだから夜はもう!





さあ今回ラストは、またしても映画祭入賞おめでとうございますなアシケン監督からの1枚。

一目見てヤバそうな写真。


錆びついた線路と、小さな変電所?と、奥には陸橋と改装中のマンション。

ある程度郊外のほうかな……


微妙に「廃線?」という疑念も頭をかすめますが、架線が張られているからその線は薄いか。



とにかく普通の電車が走る線路には見えない。

石の柵も何だかくたびれているし、でも敷地は若干広そうだし、、どういう場所なのか全然掴めない。



とにかくまずは貨物線を調べてみよう



最初に向かうのは神奈川県の川崎・鶴見界隈の工業地帯。貨物線が1本だけ独立しているような区間を探します。

鶴見線の旅客線自体は全線複線なので、そこから分かれるような線路を拡大してじっくり捜索。


お、ここ1本だけ分かれてるぞ!


とりあえず見てみよう!

カッコイイ名前の道路。


違う!非電化じゃ話にならん!


この地域の捜索を無事終え、次は京葉工業地域へ。あのあたりには京葉臨海鉄道という貨物線が網目のように通っているはず!


しかし。

こちらも非電化。



首都圏でも貨物だけが走るような線路は、非電化になっている区間が多いのか……。



ここでハッと思い出したのが、新川崎付近でJR南武線と武蔵野貨物線を結ぶ短絡線の存在。



普通のGoogleマップ↓

これじゃ、どこにあるかサッパリ分かりませんね。


では航空写真に切り替えてみましょう↓

ほら出てきた。

まだ分かりません?ではさらに拡大してみましょう。

これです。



まともな人が知る由もない(必要のない)線路の存在を知っているのが深刻なマニアなんですよ。



ここは電化されていて、しかも通過する列車が少なかった(=線路が錆びている可能性大)はず!



さあアプローチ。

全然違いました!


得意気に画像まで貼ってベラベラ喋っといてこの体たらく!失礼しました!




うーむ。

貨物線をかなり捜索したけど、ここまで線路が錆びている区間はなかったな……。



「貨物線 変電所」の検索を導入するも、

どこまで潜ってもあの小屋は出て来ず。



やはり貨物線ではなく、単純に列車が走らない区間なのか?

いやでも、列車が走らない区間なのに電化されているってあり得る?



脳裏をよぎる以前の写真↓

(出題:ワッティさん)

ここは行き止まりの駅で、電車が手前に停車するから錆びてるんだよな……



あっ!久里浜!!!



横須賀線の久里浜駅は行き止まりの駅なんですが、線路が駅から少し先まで延びているのを思い出したぞ!

この区間じゃないか……?



降臨。

草ぼうぼう。
住宅密集、陸橋なし。


惨敗。

一旦捜索断念。



このあたりで冒頭の西村さんの写真を解きグループLINEに投稿したところ、
アシケンさん「僕の写真もはやく解いて欲しいな〜w」


クーッ!!!


3月5日の上映会で会うまでには解かなければ…どんな顔でニヤニヤされるか分かったもんじゃない…!


ここで閃いたのが、以前の芦原温泉駅の写真。

あの時は写真の日付をわざわざ改ざんして僕を混乱させようとしたアシケンさん。


今回は逆に、あの時の写真を今ごろ送ってきたんじゃないか……??



これは良い推理かも知れない。
鼻の穴を膨らませながら福井へ、まずは福井鉄道。

架線柱の形は良い感じだが、やはり線路が錆び付いていない……!



福井・金沢の私鉄捜索無事終了。



流れのままに、以前捜索した写真のフォルダから似たような架線柱を探し出す作業。

(出題:綾香さん)

伊予鉄道、架線柱が似ているぞ!線路も良い感じだ!


問題写真↓

ほら!


もう四国だろうが場所なんて構ってられない!とにかく行こう!


伊予鉄道全線捜索敗北。




その後、岳南電車・福島交通などの地方ローカル私鉄をめぐる旅も一切の収穫なし。




捜索の限界。気力もなくなり。




ローカル私鉄でもない、貨物線でもないとしたら、本当に地図にも書かれていないような線路って事になるぞ……そんなのどうやって探したらいいんだ……?!




後日。

99%打つ手が尽きた状況で縋ってみるのは、最初に少しだけ調べて専門的なページの波に飲まれ、あっさり手放したこちらの要素。

変電所の謎の機器に書かれた文字。



隠れているけど、おそらくDCCT。

ACが交流でDCが直流、その程度の知識しかない。



とりあえず改めて検索。

ア"ァ"ーーーーーッ出たァーーッ!!!!!



なんで、こんな、最初っから試せそうな語句の検索で急に!!!!


とにかく次の画面へ。

この小屋だ……間違いない……!

え、外房線の安房小湊?



とにかく現地へ。

マジか!全然思ってたのと違う場所……!


(さらに拡大)

ここか……ここだったか……ホームの裏に延びる謎の線路を写したのか…!



では元の写真↓


ようやく辿り着いた写真↓


マンション(リゾートマンションぽかった)改装中の様子も押さえておきます↓


というわけでJR外房線・安房小湊(あわこみなと)駅、さんざん苦労を重ねた末に初歩的な検索だけで確保!!!



クゥーあの膨大な時間は何だったんだ!



先ほどの小屋が写っていたありがたいページによると、

あのホーム裏の線路は「訓練線」とのこと。

何の訓練をするのかは分かりません!それでもこのページがなければ(あの小屋を写してくれなければ)絶対に辿り着けませんでした!ありがとうございます!!!




なお、解いた後にアシケンさんから送られてきた「現地を散歩してた時に見つけた不思議な場所」の写真↓

なんだこの踏切!いや踏切とも言えない!!

ガッツリ外房線の営業列車が走る線路だぞ!?



吾妻神社という小さな神社の参道に、この珍しい場所があるようです。



地元の人だけが利用している「勝手踏切」はたびたびニュースで出てきますが、それ以上とも言えるこんな踏切?があるんですね。まだまだ知らないことばかり。


それにしても「夢に出てきそう」と思うのは僕だけでしょうか。

実際こういう線路の夢はよく見るんですが。



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今回は以上です。



当初は安房「小湊」駅と、遠く離れた小湊鉄道との関係などもコラムにして書こうと思っていたんですが、記事が長くなり過ぎて鉄分過多になるのでまたの機会にします。



なお「どこ鉄」は次回でちょうど100本目ということになります。

ここまで続いたのは写真を送ってくださった皆様と読んでくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます!



そして今、強めに、新しい写真をお待ちしております。



(このままだと100本目が加瀬さんのエスカレーター写真だらけになってしまう)



切に、お待ちしております!!




ではまた!