どこ鉄 〜長い戦いの終わり | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。


ワタクシは順調に花粉症も始まりまして、マスクが二重の意味で活躍する季節になって参りました。
皆様お元気でしょうか。



さて今回も、やっていきましょう。




最近はヘヴィーな問題が続いたので、リズム感のある問題をいくつか。



まずは中山有子さんからの1枚。
ほう、

首都圏の私鉄っぽいですね。
ホームが4本の線路を挟んで、そのまま真っすぐ続く=複々線区間でしょう。

というか小田急っぽいな。




まず思いついた梅ヶ丘駅を見てみます。

ほらこの屋根の鉄骨。もうそのままじゃん!


元の写真で森が見える方角には、この地域で名の知られている羽根木公園があるし。
これは瞬殺か(ニヤリ)?と思いながらも、いちおう元の写真に近いアングルを探します。



……どうも、しっくり来ない。




もしや、という考えが起き、他の駅も見ていきます。


祖師谷大蔵駅。
ほぼ同じ構造!!


このあたり、小田急小田原線の梅ヶ丘〜喜多見間は、同じ時期に一挙に高架・複々線化された区間なので、そりゃ構造も似てくるというもんです。

(代々木上原〜登戸という都内超過密区間の高架複々線事業を何十年もかけようやく完成させた小田急を僕は尊敬します)



うーむ、

似たような構造で、元の写真のように外ばかりが見える画像・場所を探すのは困難(普通あんな撮り方しない、僕に写真を送ってくれる人は撮り方がおかしい。本気の褒め言葉です)。




さて、どうしたものか。



とにかく元の写真をじっくり眺めていたら、ここに気づきました。
わかりづらいかもですが、線路が向こうのほうで若干左にスライドしています。
オレンジ色の右側に見える四角い明かりは、隣の駅のホームかな?



すぐさま頭に浮かんだのが、我が家に所蔵されている雑誌のとあるページ。

ほら、ギュインってなってる。カッコ良いから覚えてた。


左下の説明(ボヤけちゃってますが)によると、この写真は手前側が経堂駅で、奥が千歳船橋駅方面だと。


経堂駅は追い越し設備もある大きな駅なので、答えはおのずと。



では元の写真(下半分を拡大)↓

探し出した写真↓
森の位置、その手前の建物も言い訳の余地なし。


小田急小田原線・千歳船橋駅(東京都)、確保!!


簡単そうに見えてしっかりトラップのかかった、楽しい問題でした。





お次は加瀬師匠のこちら。
「証拠は全部消してやろう」という気概を感じますね。



しかし、僕には通用しません。



注目するのはここ。
窓ガラスに映ったシートの色合い(はみ出る駅名標の緑色)、

壁面の「12」という表記。
ブレている緑は「指定席」かな?



まずシートから、特急クラスの設備を持った車両だと分かります。

そして12号車。


現在、12両以上も繋いで走っている特急は全国でも数が限られます。



何より、隠しきれない雪景色。



候補は、山形新幹線・秋田新幹線のみ。
(はみ出た駅名標の緑もJR東日本と推定できてしまいます)


これらは「ミニ新幹線」として有名ですね。
フル規格の東北新幹線と連結して福島・盛岡まで一緒に走り、そこから在来線に入って目的地まで乗り換えなしで結びます。


おもに10両編成の東北新幹線と繋ぐので、号車番号も一連で大きくなるわけです。


座席を調べた結果↓

こっちだな。

(秋田新幹線は、稲穂をイメージした暖かい黄色でした)



さあ山形新幹線を捜索開始、の前に改めて駅構造を確認。
対面には、線路とホームが1本ずつ。

手前側は分からないので、
2面2線の対向式ホーム構造か、
2面3線の対向式+(手前側が)島式ホーム構造、のどちらかでしょう。


また、ホームの向こうには駐車場。




福島〜米沢間は山越えの険しい区間なので、その先を当たっていきます。先ほど挙げた条件を踏まえて、まずは高畠駅。

おや、駅のまわりに駐車場がふんだんにあるぞ。


まあ地方だと当たり前の事かも知れませんが、高揚感を持ちながら現地に降り立ちます(ストリートビューで)。


では、元の写真↓

探し出した写真↓
奥の建物、四角と三角の完璧なコンビ。


というわけで山形新幹線(奥羽本線)、高畠駅(山形県)、思いのほかアッサリ確保!!



加瀬さんは「なんで分かるの??」と非常に驚いていましたが、僕に言わせれば「よく貴方が送りつけてくるエスカレーターや地下鉄の階段だけ写ったのに比べれば何倍も親切な写真です」




さて今回ラストは、前回の最後に載せたヒザイさんの鬼写真2。
これを貰ったのは去年の10月。まだJACROWの本番も始まってない頃ですね。

(最初、エレベーターの裏側かな?と勘違いしました)



橋ですね。




すんごい接写の。




橋、しかないですね。




どうしたら良いのでしょうか。




とにかく、橋を調べるしかないのでしょう。それが、どこ鉄の運命(さだめ)。


まず、この鉄骨でできた構造は「ガーダー橋」と言います。
そして橋脚がレンガでできていますね、これは大きな特徴ではないか。
レンガ橋脚の横には、石垣もチラリと見えます。
さらに、線路は単線でしょう。(複線区間で、橋が別々になっている可能性もあり)


「ガーダー橋 レンガ 石垣」


これ以上ない(ネガティブな意味)検索で出発。



この検索で最大の障壁になったのが、ご覧のとおり埼玉県の深谷にある日本煉瓦製造の廃線跡。



この後手を変え品を変え検索しようと思っても、「レンガ」と入っている時点で必ずここの画像がズラリと出てきます。


くうー、この場所に罪はないが!…しかし!



上の画像で唯一、青いガーダー橋が見える名鉄には、もちろん接近してみました。


いい感じだ!だが違う!なにしろ下は川だぞ!船から見たのか!?


同じ日に、こんな場所も調べた写真が残っていました。

去年の11月18日は「船から見上げた橋だろう」ブームだったんでしょうかね。




真面目にやっております。




なにしろ、場所が全然わからない。


おそらくそんなに遠くではない、首都圏のどこかだろうという予想はあるのですが、それでも捜索範囲は広く、写真は狭い。
この青とも、緑とも言えない微妙な色合い。


確かにこういう、くすんだ感じの橋はよくあるんだよな……!


ひたすら「ガーダー橋 レンガ 橋脚 橋台 石垣 青 水色 緑」などの語句を検索し、手応えのありそうな写真をさらに調べる、の繰り返し。

写真に見える黒いパイプを水道管かな?と予想して追加するも、単純に水道橋が出てきたりと轟沈。

11月18日には、こんな場所も検索していました。
水道管が太い!!残念!!!
大牟田て!!!



失敗を繰り返すなかで、東武鉄道、JR外房線・内房線・久留里線あたりが脈ありかな?という感触が出てきました。
しかしそれでも捜索範囲は広く、あの角度で見上げた橋を「同じだ!」と思えるような画像というか場所を探すのは並大抵のことではなく。



ひたすら闇雲の中を進んでいる感覚の中、一筋の光が見えた瞬間が。

小名木川支線、が目に止まりました。


小名木川支線=一般には越中島貨物線。


……越中島貨物線!!!



単線で、設備が古くて、なにしろヒザイの生活圏から近い……!!


灯台もと暗しだったか!!


さらに、出てきた写真が気持ちを昂らせます。
ほら、いい感じだ!!




結果、




まさかの敗退。





(どこ鉄イップスの時期)




生活をしてても、ランニングをしてても、ガーダー橋を見かけると心がチクリと痛みます。
(↑ランニング中に撮った井の頭線橋梁)



同じ角度で写真を撮ってどうする。



そんな中で、前回の鬼写真がようやく解けたことで、気持ちも新たに改めて捜索をしてみようと。


焦点を絞ったのが、子供連れで行く観光地


なかでも、房総半島に絞ってみることにしました。
(すぐ房総半島に向かうのは僕の習性)


マザー牧場、東京ドイツ村など、子供連れで行く観光地とアクセスを調べて、駅付近の橋をストリートビュー調べるという作戦です。
駅から目的地(あるいはバス停)に歩いて行く途中で、撮ったんだろうと。


今までで一番、細かな作戦。


いくつかのSUKAを出しながらGoogleマップを旋回している時、ここに目がピタリと止まりました。
鋸山……。



観光地だ。


この、真ん中あたりのガードを見てみよう。
………!!!!!



これは、………!!!!!!!



ここだ!!!!!



ついに、ついに見つけたっ!!!!!!




橋しか写ってない写真からっ!!!!!



天王川ガードと言うんだな!
まあ名前はあんまり重要じゃないけど!


さらに何故ここに来たのか、それを増強する要素も叩きつけます。

謎は、すべて解けた!!!


さあ改めて、元の写真↓

ようやく辿り着いた写真↓

そして送られてきた写真↓
完成。



というわけでJR内房線・浜金谷駅付近の「天王川ガード」(千葉県)、到達!!!!




いやー。

壮絶な戦いだった。



やっと、鬼退治が終わった。




最初から「ガード」をキーワードの軸にしていたら、もっと早く辿り着いていたかな……などと興奮冷めさせる思いも頭に浮かんできます。

まあいいや、これも伸びしろという事にしておこう!

〜〜〜〜〜〜〜

今回は以上です。
結局、こってりした回になってしまいましたね。


最後までお読みくださり、ありがとうございました。


新しい鬼写真も、もう少ししたらお待ちしております。



ではまた!