本来の姿は、地味でいい | 菅野貴夫の野球電鉄

菅野貴夫の野球電鉄

俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

珍しく連続投稿です。


非日常なことがあると書きやすいのかな。



先ほど岩手から帰って参りました。



ここ二年で3回目の陸前高田でした。自分にとって大切な場所で大切な人たちがいて、大切な節目になっています。

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のどか。静か。

鳥の声と水の音だけが聞こえてきます。



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親戚たちが柿をもいでいる横で、畑のダイコンを抜き、白菜やジャガイモと一緒に猫車で家まで運びました。ねこぐるまって。触ったのも、その単語を口に出したのも、いつぶりだろう。





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穏やかな谷あいの、出口のほうでは、三陸復興道路の建設が進んでいます。


陸前高田の有名なベルトコンベアも解体が始まって、高台の新興住宅地の土台もできつつあり、少しずつ変わってきています。
もちろん小さなことから大きなことまで、問題も多くあるようです。チラホラ話は聞きましたがインターネットの世界に書くのはやめておく。



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昨日Facebookで上げた、本当に綺麗なリアス式海岸の風景。
ひたすら浮かんでる黒い粒は、カキの養殖のブイと知りました。三陸は日本有数の名産地と。
カキ食べたい。申し訳ないが柿より牡蠣食べたい。舞台の稽古やってるとなかなか食べられない。生ガキとか当たったら怖いし。

そんなことをグダグダ言うと、地元の人は決まって言います。

「そりゃ、ホントにうめえやつを食ったことねえからだ」


ケースは違えど、旅行すると全国いろんなところで言われる言葉ですね。



ああ羨ましい。ホントにうめえもん。



鰻の三重県とか、伊勢海老の千葉県とか、そして牡蠣の三陸海岸とか、
一般的に知られてるイメージと違う土地で名産品なのか!に萌えます。僕が知らなかっただけかも分からないけど。
その土地にとっては、当たり前のこと。




そして夜は向かいの真っ暗な山から聞こえてくる鹿と思しきガサガサした足音に驚き、翌朝は枯れた川の水たまりに生息するイワナの大群に驚き、従兄弟のタケシが鮭をまるまる一本、包丁でさばくのに驚き。


東京に暮らしているとヒューマンサバイバルには多少の耐性がつきますがネイチャーサバイバルはからっきしだなと思い知ります。




で、ここからが本分(笑)


両親の車で途中まで送ってもらい、東北本線の花泉駅というよく知らない駅から東京へ帰ることにしました。


来るときは新幹線の「くりこま高原」という駅で拾ってもらったんですが、新幹線は高いので在来線で粘れるだけ粘って、飽きたり疲れが我慢できなくなったら新幹線に飛び乗ろうという計画でした。



結果、在来線だけで帰ってきました。
待ち時間も含めて10時間ほど。いやー飽きない飽きない。




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大都市・仙台にて、その後のローカル普通列車乗り継ぎを考慮して1時間ほどブラブラ。演劇活動以外で来るのが新鮮。しかし無計画がたたって、知り合いに会うことはできません。


でも時間堂でも縁の深いダスケちゃんこと原西忠佑氏や、大学野球サークルの戦友古郡英一氏と連絡を取り合っただけでもちょっと嬉しかったです。


さらに南進南進。



ローカル列車長旅のいいところは、駅や車両よりも、今後も立ち寄ることのないような、縁のない小さな街や人々の空気を、ほんの少し感じられることです。



大きな駅から乗ってきた高校生や勤め人が、ちりぢりに小さな駅で降りていったり、
逆に小さな駅から乗ってきた人々が、大きな駅で降りるのか別の線へ乗り換えるのか、散っていったり。
ここで暮らしている人たち。その空気を感じたい。



僕は、お土産に買った生わかめとタケシがさばいた鮭から取って親戚の女性たちと母親が仕込んでくれた出来たてのイクラの温度が上がり過ぎないでくれるといいなと気にしながら東京へ帰る鉄道好きの俳優です。




高校生の男女グループ、女の子たちが先にボックス席に座ったあとで男の子が座ったら「オメーは座るんじゃねえよ!」とか小競り合いを始めます。


鉄道好き36歳は「オメーら早く付き合っちゃえよ」と思いながら、旅人面をして文庫本をめくります。



あー楽しかった。



ありがとうございます。