メロキュン企画第9弾!
☆蓮キョ!バレンタイン&ホワイトデー連動企画☆
テーマお題『メロキュンカフェバー☆オープン!』
タイトルで『メロキュンカフェバー』のスィーツとカクテルのメニューを作るのが今回のお題です。
バレンタインネタがスイーツ、ホワイトデーネタがカクテルです。
バレンタインは乗り遅れてしまいましたので、ホワイトデーネタにはチャレンジしようと思います!
メロキュンカフェバーのご案内はこちら→☆
(ピコ様の案内になります)
こちらは同じくメロキュンカフェバーに提出した『シンデレラ 』の対になります。
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誕生日に初めてお酒をいただいて、恥ずかしながら醜態をさらした私。
本当はとても楽しみにしていた。
ゆっくりグラスを傾けてお酒を飲むあなたの仕草が好き。
ハタチになってお酒も飲めて、ちょっとは大人のお付き合いもしてみたい。
ホワイトデーのお返しに貰ったのは手作りカクテルのシンデレラ。
ノンアルコールカクテルにこめられた気遣いがうれしくて。
でも、ちょっぴり子ども扱いされた気がしていじける私は、やっぱり子供なんでしょうね?
スクリュードライバー~殺されたのはどっち?~
敦賀さんが作るものを口にするなんて、マウイオムライス以来?
作られたカクテルはとても美味しくて、作る過程もきれいでなんだか壊滅的な料理を作る人とは思えない。そんなギャップに少し笑みがこぼれた。
0時を回った深夜で2人、空になったカクテルグラス。
何かお作りしましょうか?と今宵バーテンダーを独り占めできるのはなんて贅沢なんだろう。
「…私、敦賀さんとお酒飲みたかったんです」
こんな素敵なプレゼントをもらっておいて、ちょっと失礼な言い草かもしれないけれど、一緒に飲むのを楽しいしみにしてくれてたと思ったら彼の思い込みを訂正したくなって。
「うん」
「…実は、ちょっとずつお酒飲めるように練習してました」
「え?」
お酒を練習なんて、それこそ子供らしいかしら?
「敦賀さん、ウォッカってありますか?」
「え…?あるけど、まさか飲むの?」
ええそりゃあ、びっくりするでしょうね?何せ飲めないと思っていた相手が度数のキツイ蒸留酒なんて。
誕生日に失態を晒した私。
お酒も飲めないなんてどこまでも子供で意地になっていたのもあると思う。
お酒が飲めるようになりたいと相談したモー子さんが、ちょっとずつ飲みやすくして慣らしていったら?と教えてくれた。
癖が無くて飲みやすいウォッカをジュースで割って飲むだけ。量だってお酒は少量だけ。
ふわっとあったかくなって心地よいアルコールの効果を知ったのは最近のこと。
お酒は強くはないけど、自分の限度を知ればちゃんと楽しめると思う。
「一緒にお酒を飲んで楽しみたかったんです。…自宅で少し飲むようになって、ジュースで割ってなら」
「練習って…」
「…だって、憧れてたんだもん…」
大人な付き合いに憧れて『練習』するなんて、ますます子供っぽいかしら?
ちょっと情けなくて、視線をそらすとふっとため息に笑みが交ざるのを感じて敦賀さんの顔をみた。
敦賀さんは困ったように照れたような笑顔でちょっと安心した。
「いいよ。何と合わせようか?」
「じゃあ、オレンジジュースと」
今日買い物した材料を思い浮かべて、そう言うと敦賀さんの手が止まった。
ちょっと考え込むようなしぐさの後に、敦賀さんはロングタンブラーを取り出してテーブルにおいた。
「…ウォッカとオレンジジュースで作るカクテル、知ってるの?」
「いえ?名前があるんですか?」
いつも自宅では少しウォッカを入れたグラスにオレンジジュースかグレープフルーツジュースを注ぐだけ。
敦賀さんの指先がメジャーでウォッカを計り取って、氷を入れたタンブラーに入れる。
オレンジジュースを注いで、バースプーンで二回転。
作るなんて言えないくらい簡単な工程のはずなのに、敦賀さんの手で作られたそれはきっちりとカクテルの顔をしていた。
「どうぞ。このカクテルはスクリュードライバーっていうんだ」
「スクリュードライバー?」
さっきのシンデレラとは違って、無機質な名前。
スクリュードライバーって、ねじ回しのこと?
メルヘンな名前とのギャップに、自宅で練習していた自分もなんだか素っ気なくかわいらしさのかけらもなかったかなんてこっそり思ったのは顔に出さない。
おずおずとタンブラーに手を伸ばすと、少し困ったような敦賀さんと目が合った。
「これ、外で飲んじゃ駄目だよ?」
「?」
「特に男から勧められたら絶対ダメ」
首をかしげた私に、ちょっと強まった口調。何か悪いところでもあったかしら?
「なんでですか?」
「飲んでごらん?」
訳が分からず、言われるがままに口をつける。
自分で作るよりもアルコールがちょっと強いかしら?それでもあまり気にならずオレンジジのさわやかな味が印象に残った。
美味しいと感じるのは敦賀さんが作ったから?材料が違うから?
「美味しいです。自分で作るのよりずっと…」
「そう。でもそれ、アルコール日本酒並みだよ?」
「ええ!?」
日本酒って事は10%以上?飲んだ印象からはそんなに強いなんて思わなかった。
「別名レディーキラー。飲み口がいいだろう?女性を簡単に酔わせられることから付いた別名だよ」
たしかに日本酒と同じくらいのアルコール度数なのに、すいっと飲めてしまうこのカクテル。
簡単に自分の限度を超えてしまいそうだった。
驚いたのと、自分が頼んだカクテルの異名と、複雑そうな敦賀さんの顔。
かーっと顔が熱くなったのはこのお酒のせいだと思いたい。
「ほらね、もうそんな顔して。このカクテルは俺以外の前じゃ飲んじゃ駄目だよ?」
頬に大きな敦賀さんの手が触れた。冷たくて気持ちいいと感じるのは私の顔が熱いから?
覗きこむ表情は夜の帝王のそれになっているのに、不思議と焦る気持ちも起きなかった。
甘い柑橘に隠されたアルコール。
女殺しの異名をもつ無機質な名前のカクテルは女性を落とすために使われるんだろうか?
そんなカクテルを私に勧めるのは、妖しい空気を纏った目の前の貴方。
「敦賀さんは私を殺したいんですか?」
ふわっとした浮遊感はお酒のせいかなんなのか。
近づいた距離に自然と目を閉じれば、唇にキスがふってきた。
「…まいったな。殺されそうなのは俺の方だ」
物騒なセリフの応酬なのに、甘いと感じるのはどうしてかしら。
レディーキラー…殺されたのはどっち?
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<カクテルレシピ>
~スクリュードライバー~
アメリカの油田の労働者がウォッカとオレンジ・ジュースをねじ回しでかき混ぜたのが始まりとされる。
レディーキラーの異名で呼ばれることもある。これは、たとえアルコール度数の高いウォッカをベースにした場合でも口当たりが良いとされることから、女性を無自覚なまま酔わせるのに適したカクテルだと言われているため。
ベース:ウォッカ
材料:ウォッカ 45ml、オレンジジュース 105ml (適量でアルコール度数の調節可)
作り方:氷を入れたタンブラーにウォッカを入れ、オレンジジュースを注ぎステアする。
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スミマセン、副題が全く持ってメロキュンじゃない…orz
