妄想最終処分場 -19ページ目

妄想最終処分場

好きなジャンルの二次創作ブログです。
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ぼの様のリクエスト作品になります。蓮さんがかなり性格違います。スマートで紳士な蓮さんがお好きな方はご注意ください。


これまでの話

真夏の海のA・B・C…D       



真夏の海のA・B・C…D -5-



「ああああ、あれは!!キキキ、キ、キスじゃありません!!!」


力いっぱいに否定するキョーコに光は口元をひきつらせていた。

料理の味に惚れこみだるまやに通うようになって、光はバイトのキョーコの性格を掴みつつあった。


天然記念物的乙女な片鱗は認識済み。

しかし恋愛ごとに対してはモーレツに鈍い。

そして自分とは無関係のモノと思っている。


キョーコの人柄や天然なところに惹かれていた光も、それとなくモーションをかけてみては見事な空振りフルスイングをかますキョーコに切ない思いをしたのも片手では足りない。


そんなキョーコが、だ。


目の前のイケメンライフセーバーの周囲も赤面通り越してコメディとしか言えないほどのドストレートなアプローチを受けている。

しかも何やら蓮との間に怒ったことを揶揄されると真っ赤な顔をして怒りながら全力否定している。

キョーコは言葉通りに認めてはいないんだろうけれど、『キス』と周囲に誤解を与えてもおかしくないと認識するレベルの『何らかの接触』が蓮との間に発生しているの確信を光は持ってしまった。


「最上さんキスの意味知ってる?キスって自分の唇と相手の頬とか唇の接触のことを指すんだよ?」

「知ってますよ!キスくらいぃ!!馬鹿にしてるんですか!」


無言で二人のやり取りの背景に考えを巡らせる光の前で、キョーコと蓮の応酬は続いている。

アイスコーヒーを片手に、キョーコのどんな反応でも楽しむように蓮は笑顔だった。その一方蓮の言葉に反応するキョーコの姿は、何故だか逆毛を立てて耳を伏せて威嚇するヤマネコの幻とダブって見える。


「だから、触れただろう?俺のここと…」


口元だけ笑みの持ち上がった形の良い唇に自らの指を滑らせて、蓮が真っ昼間だというのに何故だか夜の空気を醸し出す。


「……君のここが、さ」


見ている方が恥ずかしくなるような雰囲気を纏った蓮は、きゅっと噛みしめたキョーコの唇に自分の唇をなぞった指先を伸ばす。

すっと伸びてた指先が唇に触れることができる距離にあったのに気が付いたキョーコは、『ぎゃっ!』とそれこそ猫の様な悲鳴を上げて後ろに飛びのいた。


「ききき、き、きっ、キスって!!信愛の情とか!そう言うのを示すためにする行為です!!た、た、単純な唇の接触をキスとはいいませんっ!!!」


フルフルと震えながら、蓮の言葉を真っ向否定しにかかるキョーコ。

そんな表情すらキョーコちゃんは可愛いなぁと光自身も思いつつ、黙って二人のやり取りを眺め蓮の反応にも気を配る。

否定しかないキョーコの主張に、蓮は「うんそうだね?」とあくまでも笑顔で応じている。

自分の意見をこうもあっさりと肯定して頷く蓮に、キョーコは更に怒りを募らせた。


「だからっ!!あれは人工呼吸なのであって、キスではありません!!!!」


鼻息荒く蓮の言葉を否定するキョーコ。

光は目の前でキョーコを口説く男の職業を思い出していた。

人命救助のための人工呼吸はマウストゥマウス。

あれをキスと表現するのは別次元だ。


「うん、あれは役得だったね。救助したのが俺で良かったよ」

「そういうことを言ってるんじゃありません!」


自分の主張は認められないキョーコは、なおも蓮の意見を否定したくてたまらない。


「だったら、ほら。やっぱりあれはキスじゃないか」


キョーコの主張を一旦反芻したのか、蓮は考え込むようなしぐさをした後にキョーコにそう告げた。


「ま、最初の接触はキスじゃなかったって認めよう。俺だって最上さんの命が優先だったからさ。でもね?2回目と3回目は俺の君に触れたいっていう気持ちから起きた行動だったんだ」

「……………」

「だから、愛情を示す行為として唇を合わせるのは『キス』、なんだろう?しかも最初以外は人工呼吸じゃなかったし」

「……………」

「ほら、やっぱりキスだったじゃないか」


なんだろう、いたたまれない。


どうしてこんなに『キス』という単語がだるまやの中で連呼されているのだろうか?

しかもそれに当たる行為をしたかしないかで意見をぶつけ合っている男女二人は、片や蕩ける笑顔で片や警戒心むき出しの山猫状態。


「わ、私は!!あんなのが私のファーストキスだなんて認めません~~!!!」

「「…えっ!?」」


私は清らかな乙女のまま一生を過ごすのよ!穢れてたまるもんですか!!と一息に大声で叫び肺の中の空気を吐き出したキョーコは、はぁはぁとしばし荒い息で薄くなった酸素を胸いっぱいに吸い込んだ。

そんなキョーコを、「えっ?」と疑問の声を発したままの口の形で、蓮は無表情で固まっていた。


「…!なっ!やっぱり…っ…!!」


ようやく息を整えたキョーコは、無表情で自分を穴が開くほど見つつめたままの蓮の顔を見つけ、今度はまた別な意味で怒り始めた。


「どうせ私の事、めんどくさい女とか思ったんでしょう!?この年になってファーストキスがどうのとかいうのって!」

「いや、待って。キョーコちゃんどうしてそんな誤解を…」

「…………」

「もう!分かってますよ!敦賀さんが遊び半分で私をからかってることなんて!めんどくさい女だって分かってびっくりしたんでしょう!?もう、最低!!」


キョーコの言い分に、さすがの光も会話の相手は蓮ではあることを分かっているが思わず声を上げる。

しかし当の蓮は固まったままだった。

蓮の反応をそう捉えたキョーコは、ふんっ!顔を反らすと、怒りながら店の厨房に引っ込んでしまった。


取り付く島もないキョーコの背中を見送って、光はこういう時に限って対処の遅い隣の男にチラリと目をやった。

隠しもせずキョーコに言い寄るこの男がキョーコの言葉から読み取った状況は自分と同じだろう。


光の視線が向いていることなど蓮は気にも留めず、キョーコの姿が完全に見えなくなってしばらくしてからカウンターのテーブルに突っ伏した。


「……………ファーストキス……だったんだ」


ポロリと漏れた蓮の言葉。

それに光は眉間の縦皺を深くした。


「………だから、キョーコちゃんはキスだとは認めないって言ってたじゃないですか」


突っ伏した蓮の表情など見たくないとばかりに、光は完食した皿を持って席を立ちあがった。

厨房に続く暖簾の前で中にいるだろうキョーコに声をかければ、キョーコは慌てて光に駆け寄ってきた。そしてあえてカウンターに座ったままの蓮には目もくれず、ぺこりと頭を下げたのだ。


「キョーコちゃん、ごちそうさま」

「あ…光さん、すみませんっ、騒がしくしちゃって!」

「いや、気にしてないよ」

「まぁ、悪いのは私だけじゃないけど…」


思わず漏れたキョーコの不満に、光は小さく笑った。

いつもならこの時間のキョーコは、なんだかんだ言って投げかけられるアクションに反応して蓮の相手をしている状態になることが多く、こんな風に会話を交わす時間を光は失いつつあったのだ。


「美味しかったよ。ね、限定カレー食べてみたいんだけど予約してこの時間に食べることってできる?」

「うーん、そうすると食べたくて早く来てくれたお客さんに悪いですし…」

「そうなると休みの日に来ないと無理かぁ」


残念、と笑って光はまた来るよとだるまやを後にする。

光を見送ってキョーコは大体休憩時間の同じ蓮もそろそろ仕事に戻らなくては時間なんじゃないかと気が付いたが、さっきの悔しさも手伝ってそのまま店の奥に引っ込んだ。

ぼの様のリクエスト作品になります。蓮さんがかなり性格違います。スマートで紳士な蓮さんがお好きな方はご注意ください。


これまでの話

真夏の海のA・B・C…D     



真夏の海のA・B・C…D -4-



キョーコが意識を失っているその間。


キョーコが再度意識を失う原因を作った男は、仮設テント奥のライフセーバーの救護室前で同僚に進路を塞がれていた。


「社さん、どいてください」

「いーや、ダメだ!」


社と呼ばれたその同僚は眉間に皺を寄せて懇願してくる男を一瞥した。


「どうしてですか!救助した相手がまだ意識を取り戻してないんですから、誰かが側で看ていた方がいいでしょう?」

「蓮、訂正しろ。意識を取り戻してないんじゃなくて、再度意識を失わせたんだろ。ライフセーバーであるオ・マ・エが!」


社の言葉にキョーコを救助した男…蓮が若干ばつの悪そうな表情で一瞬だけ視線を逸らした。


「だいだいな。一時救助を行った後、救急隊を呼んで病院で異常ないか診察してもらうのが筋なのに、彼女にそれができないのはお前のせいだからな」

「……………」

「救急隊に言えるかよ。一時救助で最初は意識も確認できた患者がどうして今また意識を失っているかなんて」

「いや、病院での診察まで必要ないでしょう?意識もしっかりしてたし、バイタルサインも異常ないんですから」


社に通せんぼされた先の部屋からは、ピッ、ピッと規則正しい機械音が響いてくる。

奥の救護室に運ばれたキョーコは、いまだ意識はなく簡易の生体情報モニターを装着されベッドに寝かされている。キョーコの生体反応を示すセンサーは異常値を感知してアラームを鳴らすことはなく、現段階で容体に危険な予兆は認めらない。


「そういう問題じゃない!意識を取り戻した相手に救助に当たったライフセーバーがディープキスかまして失神させたなんてどういう状況だっ!」


神聖な仕事中に!お前は何をしているんだ!と拳を震わせながら説教モードで詰め寄ってきた社に、蓮は不貞腐れたように口を尖らせた。


「だって仕方ないじゃないですか…」

「何がだよ!」

「一目惚れだったんですから」

「………は?」


キョーコが海に転落したのを目撃したグループの騒ぎを聞きつけ、いち早く現場に駆け付けたのはこのビーチの安全管理を担うライフセーバーの一員の蓮だった。

水面に浮いてこないキョーコを心配して騒ぐ男たちに転落位置を確認すると、蓮はすぐさま海に飛び込んだ。


水中で動かないキョーコを見つけすぐに引き上げ救命活動を展開したのだが、引き上げたキョーコの顔を見たとき蓮のハートは打ち抜かれてしまったのだ。


「運命を感じましたね、一瞬で恋に落ちました。これって一目惚れですよね?」

「…………蓮?」


いきなり飛躍した話題に社の目が点になる。

この男は何を言っているんだ……?

社の思考は蓮の言葉についていけない。


「だから意識を取り戻して俺を見てくれた時に、こう…思わず、……ね?」


若干頬を染めてはにかんだ表情で「ね?」と同意を求める蓮に、社はくらりと眩暈に似た感覚を覚えた。


「嬉しさで思わずキスしちゃっても仕方ないじゃないですか」

「…………もしもし、蓮君?」


理解できない。

しちゃっても仕方ないって…


そもそも社の知っている同僚の蓮は、超美形で文武両道。傍から見たら非の打ちどころのないイイ男の評価をほしいままにする、そんな男だ。しかもこんな外見にもかかわらず女性に対して貪欲さはなく言い寄ってくる女性にもお友達、的なそつない態度で対応する紳士な男だったはずなのだが…。

過去告白してきた女性と付き合った時期も知っているが、いつも女性側のアプローチに始まり、不誠実なことはしないまでもやや淡白な蓮に女性側がしびれを切らして破局するいつものパターンも社は見てきている。


こんなに女性に対してぶっ飛んで男の面を見せる蓮に、社は今までの蓮のイメージを覆されるほどの衝撃を受けていた。


「まぁ、飛び出た悲鳴に十分元気なことを確かめられたし、その…ちょっと抑制が効かなかったことは認めますけど…」


ちょっと…なんだろうか?

相手の意識を奪うほどの濃厚なキスをしておいて。


色々とツッコみどころ満載な蓮のセリフに頭痛がしてくる。


「…………………どういう理屈だ」


混乱を極め、項垂れて片手で額を覆った社に蓮は心底不思議そうな顔をして首をかしげた。


「え?だから、彼女に一目惚れしたんです!好きな人とキスしたいなんて当然の衝動でしょう?」


蓮の理屈も行動理由も社の感覚では理解不能だ。

しかも社の脳内では仕事に対して真摯だったはずの蓮の行動に、ライフセーバーとしての職務や規律やら整理しきれないいろんな情報がぐるぐると脳内を渦巻いていた。


「…………ごめんよぉ、キョーコちゃん…」


そしてこんなぶっ飛んだ同僚の知られざる一面を今はじめて知った社は、蓮が背後の少女に今後猛烈にアプローチを開始するだろうことが容易に想像できた。いや、社が謝るのも筋違いなのではあるが…。


「え?社さん彼女の名前知ってるんですか!?」


そしてポロリと、救護室にいるいまだ意識のないキョーコに向けた社の言葉に蓮が目を丸くした。


「れ~ん~…名前も知らない女性にいきなりあんなことしたのかよ…」

「いや、だから一目惚れだって言ったでしょう!?あの短時間の中に名前を聞く時間なんてなかったですよ?」

「…お前があんなことしなければちゃんと本人から身元確認する時間もあったろうよ」


そもそもキョーコはお店のロゴ入りのエプロンを身につけた状態で救助されたのだ。

ライフセーバーとしてビーチの安全管理上、朝夕の巡回でビーチに出店している店舗には挨拶と見回りに回っているのに…。

本人に会ったことはないにしても、名前を知らないにしても、キョーコの所属を示す情報はちゃんと目の前にあったのにそんな事にもこの男が気が付かないなんて『マジなのか』と社は感じ、頭痛がしてくる。


そんな中、社の背後の救護室からごそりと何かが蠢く音がした。


「社さん、彼女が意識を取り戻したのかもしれない!通してくださいっ!誰もいない状態で気が付いたら、きっと怖がるに違いない!」


その物音に蓮が反応し、社の肩を掴んで押し退けようした。しかし整理しきれない思考の中にあっても、社はたった一つ分かることがあった。


自分の目の前の同僚が再度意識を取り戻したかもしれない人物に一番危険であることだけは…。



「だったら余計にお前はダメだ!!!」


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これまでの話

真夏の海のA・B・C…D 



真夏の海のA・B・C…D -3-



苦しい


息ができない


揺らめく水面は太陽の光で明るいが、身を包む水温は次第にひんやりと冷たさを深める。

もがいてみても、体にまとわりつく服が重くキョーコは水面に這い上がることができない。

もがけばもがくほど水面が遠のき、苦しさが増す。



(……も、…ダメ……)


キョーコは自分が持ちえた空気が泡沫となって沈む自分と正反対に上っていくのを、遠ざかる意識の中で見上げていた。







(…………熱い)



何かが自分の中に入り込んでくる感覚に、キョーコの意識は浮き上がった。

息苦しいが、息を吸おうにも胸が一杯でとにかく吐き出さなければどうにもならなかった。息を吐こうとしても、口が塞がれてるのか息が押し込められているかのようにうまくいかない。


キョーコが力の入らない手を握りしめて振り回すと、ふっと圧迫感が外れた。


「…っ、はぁ…っ!」


詰めていた息を吐き出した後、喘ぎとともに自然と大きく息を吸い込んで空気を貪る。


「あ…、気がついた?」


目を開ければ視界はぼんやりと霞んでいた。

明るい空に照りつける太陽が頭上にあるはずが、刺すような日差しはぼやける瞳を焼くことはない。何かが陰になって、強い日差しを遮っているようだった。


次第に焦点を結び始めたキョーコは、それと同様に浮き上がり始めた意識の中で普段ならあり得ないほどの…唇が触れ合うくらいの至近距離に見知らぬ瞳を見つけていた。距離が近すぎて顔全部は視界に収まらなかったが自分に向けられた声色に、キョーコは目の前の人物が男だと認識した。


つい先ほどまでキョーコのの呼吸を塞いでいたのは、この男の唇であった。いや、塞いでいたというよりは息を吹き込んでいたのだが。


(……な…)


状況を理解する前に、喘ぎながら呼吸を繰り返していたキョーコの体は飲みこみそびれた唾液で激しく咳き込みはじめた。

海水の塩辛さも手伝って咳はキョーコに更なる苦しさをもたらした。生理的な体の反射に横向きに丸まり、ひとしきり咳き込みが収まると、キョーコは力が入らない自分の手を見つめた。


「…え、…わ、…わたし…」


海に転落して溺れた事実を混乱ですぐには認識できないキョーコは、咳き込む呼吸の間で疑問の掠れた声を漏らしていた。

見つめた先で自らの手首が長い指先の大きな手に掴まれ、自分に落ちた影にキョーコはゆっくりと頭上に視線を向けた。 気が付けば背中にも大きな手が触れていて、咳き込む自分を労わるように擦ってくれてる。


そこには、先ほど見た見知らぬ男性の顔。

整った顔立ちに切れ長の瞳が心配そうに覗き込んでいる。


完璧すぎるほど整ったその美貌に、働かない頭で天使がお迎えにでも来たのかしら…とぼんやりと考えていると、その瞳がキョーコの視線と絡まって…


……くしゃりと、いっそあどけない程ほっとしたように緩まった。


同時に体を抱き起されて、キョーコはぎゅっと抱きしめられた。

見知らぬ男からの突然の抱擁。


(あ……あったかぁい…)


鈍ったままのキョーコの思考は常ではないこの状況をすぐには理解できず、冷えた体に伝わってくる体温に心地よさすら感じていた。


「………はぁ、よかった」


キョーコの耳元に落とされた安堵の色をにじませた小さな声。

男はそう漏らして抱きしめていたキョーコから少し身体を離して、キョーコの顔を改めて覗き込んだ。

キョーコの瞳が意思を持って自分を捉えていることに、心底ほっとした様子のこの男。


キョーコは訳も分からず目の前にある美形の顔をまじまじと見つめていたが、ふとその顔が随分と近い事に気が付いた。

鈍っていた思考が徐々に動き出すが、まだ現実の時間の速度に追いついていない。


(……………え?)


近すぎて瞳しか見えないと思った瞬間に、唇に触れた熱。


(……な…に、何が…起こってるの…?)


「君、溺れてたこと分かる?…今はだいぶ意識はしっかりしてきたみたいだね」


(い……いま、キ、キキキキ…キス、された……!?)


訳も分からず固まっていれば、ちゅっと軽い音がして下唇を軽く食まれた感触に…





……………一気にキョーコの思考は突き抜けた。


「…き、…きゃあああああああぁぁぁぁぁぁ~~~~~!!!!」


平均以上の肺活量をもって繰り出されたキョーコの大絶叫。

ギュッと目を瞑り思わず振り上げたキョーコの右手は、目の前の男に向かって振り下ろされようとしていた。しかし真っ直ぐ頬に向かって定番通り男の頬を打つ予定だったキョーコの手はその途中で手首を捉えられ、バチーンという肌を打つ音は響かなかった。


「…!?」


つかまれた手首に、手のひらに伝わってこない肌を打つ衝撃。


「それだけ元気があれば大丈夫だね?」


降ってきたその声にキョーコが目を見開けば、そこにはにっこりと笑った綺麗な顔。


「………へ…?」


同時にまたしても、塞がれた唇。


「っ…んぅ~~~!!!」


奪われた呼吸に、口内を遊ぶ滑る熱い何か。

キョーコの意識は、再度この場から離れることとなった。

ぼの様のリクエスト作品になります。蓮さんがかなり性格違います。スマートで紳士な蓮さんがお好きな方はご注意ください。


これまでの話

真夏の海のA・B・C…D 



真夏の海のA・B・C…D -2-


抜けるような真っ青な空


照りつける太陽


陽の光を反射するマリンブルーの海



リゾートホテルLEMのプライベートビーチは今日も夏の海を楽しむ人で賑わっている。

ホテルの客以外にも有料でビーチを利用でき、設備の整った海の家やカフェを擁するこのビーチはビーチ利用のみの客も多い。


そんなビーチの中で、庶民的だが味は全てワンランク上!という人気の海の家『だるまや』。


「いらっしゃいませ~!」


店内は簡素なほどシンプルなどこにでもある海の家。そんな店内に元気のいい声が響いている。


「ご注文は何にされますか?」

「オススメは?」

「定番の焼きそばやチャーハン!でも大将の料理は何でもおいしいですよー。栄養バランスもばっちり!あ、まだ和定食もあります!今日とれたお魚、とっても美味しいんです。浜焼きもありますよ」

「え?定食??」

「はい」


海の家といえば、具の少ない焼きそばや申し訳程度のフライドポテトなどなど屋台メニューが主だが、だるまやは定食屋の様なメニューも充実している。

にっこり笑って客の対応をするのは、最上キョーコ、二十歳。

Tシャツにハーフパンツ、だるまやの店名の入ったエプロンとシンプルな格好だが少し焼けた健康的な手足が覗き、動きに合わせて跳ねる栗毛のショートカットが元気な印象だ。


混み合ってきた昼時でも、一人で回すには少々きつそうな席数の店内のオーダーと給仕をてきぱきとこなし、店の奥では大将と女将さんがフル回転で料理を作っている。


「すいませーん!この限定カレーってまだありますか?」


客が注文を迷っていると、別の席から声がかかる。まだメニューを見て逡巡している目の前の客をチラリと確認しキョーコはふわりと笑った後、声だけ別の客に飛ばした。


「スイマセン。今日はもう終わっちゃいました」

「残念ー。ここの限定カレー美味しいって聞いてきたのに」

「ありがとうございます。いつも昼前に無くなってしまうので、機会がありましたら午前中にどうぞ」






「やれやれ、ひと段落だね」

「はい」


昼時ピークが過ぎ、一時的に客の居なくなった店内。店の奥から出てきた女将がキョーコに声をかけた。

キョーコが女将を振り返ると、厨房の奥で大将が椅子に座ってお茶を飲んで一服しているのも目に入る。


「今年はここの社長さんに頼みこまれてこの浜で店を出すことにしてどうなるか心配だったけど…。キョーコちゃんが今年もバイトで来てくれて大助かりだよ」


1人で2人以上の働きをしてくれるからねぇ、と女将が自分の肩を叩きながらキョーコに笑いかけた。


海の家『だるまや』は元々一般の海水浴場で夏季営業をしていた。キョーコは大学に入ってから去年、一昨年とこのだるまやで季節バイトをしていたのだ。ホテルの社長から料理の味に惚れこまれ、首を縦に振った大将は今年、このホテルのビーチで営業することになった。


「いえ、今年もバイトさせてもらって嬉しいです!しかもこんなリゾート地で!」

「いつもの浜から離れてるだろう?あんたが来てくれればこっちも助かるけど何せ遠方だしね。求人出して連絡くれたのがキョーコちゃんでびっくりしたよ」

「住み込みなんてむしろ大歓迎です!」


去年までの2年間は1人暮らし中の大学の近くで自宅から通ったが、ホテルのビーチはリゾート地で離れている。

夏休み中ずっと賄い付きの泊り込でのバイトとあった求人はキョーコには好都合だった。ただでさえ苦学生で夏休みはバイト三昧の予定が、寝泊り食事つきでしかも気心知れたなじみのバイト先。


環境の違うビーチでの今期の営業。まったくの新人が申し込んでくるのを前提にしていたためは求人募集二人としていた。しかしバイト申込みが気心知れて働き者のキョーコと分かり、これなら一人で二人分の戦力とバイト代も底上げしてくれた。


「しかも、一緒に申込みしたモー子さんの分は別口に交渉してくれるなんてもう今年の夏は最高です!」

「モー子さんって、あれかい?最初に一緒に申し込んできたこの子のことかい?」

「はいっ」


募集二名だったのでキョーコは当初同級生の琴南奏江と二人でバイトするつもりで連絡したのだ。

バイトがキョーコとわかれば1人で良くなっただるまやは、雇い先のホテル内での夏季バイトを紹介してくれたのだ。

住み込みといっても部屋はホテルが用意したツインルーム。

見知ったバイト先に色を付けてもらった給料、浮いたひと夏の光熱費に食費。しかも親友と日中のバイトは別だがひと夏の共同生活。


キョーコにとって大学3年の今年の夏は、まさに天国だった。


「新しい場所で、どれだけお客さんが来るか分からないからちょっと不安だったけど。この分だと心配いらなそうだね」

「前の浜よりスゴイ人ですねぇ。でも有料ビーチのせいかお客さんのマナーもいいような気がします」

「この分だとこれから先お世話になってもいいかもねぇ、あんた」

「………まぁ、まだ分からねぇだろ」


女将が厨房内で休んでる大将に声をかけるとぶっきらぼうな言葉が返ってくるが、決して機嫌の悪い声じゃないのがキョーコにも分かって女将と顔を見合わせてこっそり笑った。


「…あれ?」


一息ついた後、次の来客に備えて店内を見回したキョーコは隅の座席に見覚えのないものを見つけ声を上げた。


「女将さん、お財布の忘れ物みたいです」


小さいコインケースを拾い上げ、キョーコは女将のもとに駆け寄った。

一応確認と女将が中を確かめると、海で濡れてもいいようにだろうか小銭ばかりだが500円玉が複数枚。海での落下防止かチェーンもついている。


「困ったね。海に来てるからそうそう身分証明書とかカードとかは入ってないだろからいいけど、これじゃ持ち主が分からない」

「小銭だけならまだしも、小銭で数千円って…」


苦学生のキョーコから見たら、この金額を落として無くしたとしたら結構ショックだ。キョーコは記憶をたどり、このコインケースがあった座席に座っていた客を引っ張りっ出していた。

「女将さん、私その席に座ってたお客さん覚えてます。ビーチに探しに行って届けてもいいですか?」

「そうだね。まだお客で混む時間じゃないし、お願いできるかい」


時計を見上げて、女将はこの後の客足を予測しキョーコの提案を受け入れた。






(えーと確か…)


キョーコが顔も正確に記憶するのが難しいたくさんの客のうちインケースの持ち主のことを引っ張り出せたのは、なんとなくその客が思い出したくない人物と似ていたから。


金髪に近いほど明るく染めた髪にゴツイシルバーアクセサリー。


今となっては愚かしい、過去の経験。

盲目的な恋は現実を知って愚かな自分を恥じるほどで、決別した現在は金銭的に苦しくても自分の為に自分で生きるこの生活をキョーコは純粋に楽しんでした。


(あんな馬鹿でも、こんな風に役に立つときがあるのね…)

吹っ切っていたはずなのに、時折思い出して苦い思いをするのは愚かな自分への罰で、二度と恋なんてしないと思う自分を強化する啓示なのだとキョーコは受け入れていた。


目的の客は男性グループで全員似たような容姿だったのできっと見つけやすいだろう。

キョーコは苦笑してビーチを見回す。


「いた…!」


視線の先、防波の為にめぐらされた護岸とテトラポットに明るい髪色の男性グループを見つける。ハーフパンツタイプの水着の色も記憶と合致した。

浜から遠いテトラポットに見つけた人影。店に戻るまでの移動時間を考え、キョーコは駆け足でそこに向かった。



「…はぁ、はぁっ…、お、お客さんっ」

「えっ?」


僅かに息を切らせたキョーコに突然声をかけられた男たちは、驚いたように振り返った。


「海の家、だるまやの者です。お財布お忘れになりませんでした?」


キョーコは息を整えて、エプロンのポケットからコインケースを取り出した。


「あっ!俺の」

「お前無くしたのか?」

「いや、今の今まで気が付かなかった…」


その様子に、記憶通りこの男性が持ち主とわかりキョーコはほっと息を付いた。


「サンキュー店員さん。助かったよ!」


キョーコは足場の悪いテトラポットを器用に伝い、海に半身つかりながら涼んでいる男性にコインケースを手渡す。


「良かったです。次からは気を付けてくださいね?」


無事忘れ物を届けてほっとしたキョーコが元来た道を戻るためにテトラポットの上に立ち上がろうとした瞬間、突然の突風が海の上を駆け抜けた。


風に煽られたキョーコは、立ち上がろうとしていたことも手伝ってバランスを崩した。踏ん張ろうと伸ばした足はテトラポットの丸みに体重移動を見誤り、ずるりと滑る。


(え…?)


キョーコの視野は訳が分からないまま反転し、自分の足先と一緒に空が見えた。


大変遅くなりました!!

春に達成した22222ヒットリクエスト作品になります。

ぼの様、大変遅くなりまして申訳ありません(スライディング土下座)

こんなもんでよろしければ、リクエスト品として捧げさせていただきます!

※お持ち帰り権利はリクエスト者のみに発生します。


注意!パラレルになります。苦手な方はご注意ください

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚




真夏の海のA・B・C…D



お昼時で混雑する店内がほっと一息つける午後のひと時。


キョーコはお客の減った店内から出入り口の向こうに広がる砂浜と海を見てため息を一つ。

時計を見なくても分かってしまうし、こんな風に習慣づくのだって本来なら癪なんだけれども。

店の外に目をやったのは一瞬で、その後は見たくないというようにキョーコは残された食器を下げてテーブルを整える。


「やぁ、昨日ぶりだね。会いたかった」


キョーコに声をかけてきたのは長身の男性。整った顔立ちには歩くだけでもビーチの女性客が目を向けるほど。ハーフパンツに前の開いたパーカーを羽織って引き締まった肉体を惜しげもなく晒している。


(私は会いたくありませんけど)


そんなキョーコの心情は顔に出ていたのか…。


「このお店の店員さんはお客さんにいらっしゃいませの挨拶も…」

「いらっしゃいませっ!ご注文はお決まりですかっ!」


いつものカウンターに座った男に少々乱暴に水を置いて、キョーコは相手のセリフを皆まで言わせず遮った。いつものと形容される程の日数、連日この男はキョーコの元を訪れているのだ。

思わず営業スマイルが崩れて、言葉がきつくなる。しかしそのことにすぐに気が付いたキョーコは、はっとして笑顔を作り直した。


「どんな客にも見せる営業スマイルじゃなくて素の表情だから可愛いのに」


即座に切り替わったキョーコの表情に不満を漏らすこの男。

表面の笑顔は崩さないまま雰囲気だけは塩を撒くどころか投げつける勢いで、キョーコは決まった文句を繰り返した。


「ご注文はお決まりですか?」

「君の笑顔」

「……ここは某ファーストフード店じゃありません」

「じゃあ、君」

「……メニューにない品物はご注文できません」

「照れなくていいんだよ?」

「……ご注文いただけないようでしたら、営業妨害ですのでお引き取り下さい」


いつものごとく繰り返されるこの不毛な会話にキョーコはうんざりしていた。

最終的にはいつもアイスコーヒーを頼む癖に、注文を引き出すまでに時間を要する。

混んでる時間帯ならこんな客に付き合っていられず、『お決まりになりましたらおよび下さい』と離脱することも可能なのだが、悲しいかなピークを過ぎたこの時間は客もまばらでその手も使えない。


相手はごめんごめんと謝る気のない謝罪を口にし、やっぱりアイスコーヒーを注文した。






「もう!なんなのよっ!私なんかをからかって楽しむなんて趣味が悪い!」

「キョーコちゃん、敦賀さん今日も来てるのかい?」


店の奥でアイスピックを振りかざし忌々しげに氷を砕くキョーコ。その様子を見て女将が苦笑した。

ここ連日だるまやを・・・いや、キョーコの元を訪れるその男はしっかり女将にも認識されていた。


「あんたに惚れてるんだろう?そんなに邪険にしたら可哀想だよ」

「ど・こ・が!あんなにヘラヘラと口から砂が出そうなセリフをホイホイ言えるなんて、絶対遊び人だわ!女の敵!!」


そうかい?お仕事は誠実だからそんなに変なヒトじゃないと思うけどねぇ、と注ぐコーヒーの苦みを強化するよな表情のキョーコの隣で女将が呟く。

女将の脳裏にはキョーコにひどい言われ様をしている件の人物の普段の様子が映し出されている。ビーチに連なる店に今日の天候や客への注意喚起など、彼は安全管理で毎日開店前の店舗を回って挨拶をしていくのだ。そんな丁寧な仕事に女将は好印象を持っていた。

もっともこの時間キョーコは厨房奥で開店準備をしているので対応するのはいつも女将なのだが。


男の名前は敦賀蓮。このビーチのライフセーバーの一人だ。


「例え!仮に!!どんなに仕事で人当たりが良くてもプライベートと仕事は別人のヒトだっているんです!」

「まぁねぇ…」


適度に砕いた氷をグラスに詰め、冷蔵庫から取り出したコーヒーを注ぐ。

たかだかアイスコーヒーなのだが、だるまやは一つ一つメニューにこだわりを持っている。冷蔵庫から取り出されたコーヒーも10時間近くかけて抽出する水出しコーヒーで余計な雑味のない自慢の品だ。

普通の製氷機もあるのにわざわざアイスピックで板氷を砕いて使うのは、そんなお店の自慢の味を損なうことなく提供したいというキョーコの提案から。


文句を言いながらも手を抜かずに仕事をこなすキョーコに、女将は穏やかな目で微笑んだ。




「…お待たせしました」

「ありがとう」


再び営業スマイルを張り付けたキョーコは、カウンターにアイスコーヒーのグラスを置く。

接客としてごく当たり前のことなのに、キョーコの目の前の男はキラキラと無駄にまばゆい笑顔を向けてくる。

キョーコは蓮の笑顔に最初こそ赤面し狼狽えたのだが、今は自分に対して大安売りされるその笑顔に若干の慣れと、残念な方向に解釈した思考をもって冷淡な目を向けていた。

が、しかし蓮の方もキョーコの扱いを心得てきたようだった。


「ここのコーヒー美味しいよね。氷だってちゃんと砕いたのをつかってるし。秘密は何?」


キョーコ自身を褒めちぎっても、返ってくるのは期待するような甘さはない。

蓮はキョーコがどれだけこの店を、女将と大将の仕事を尊敬して好いているのか知っていた。

自分のことでなく店のメニューについて褒められたキョーコは、張り付けた営業スマイルの下から素の表情をのぞかせる。


「とっても美味しいでしょう?女将さんがこうすると雑味が少なくておいしいって、水出しコーヒーなんですよ。しかもお水は毎日ちょっと離れたところの湧水を汲んできて…」

「でもここのコーヒー、以前は普通の氷だったけど?」


ホテル側の設備投資がしっかりしており安定供給される電源と提供された海の家に似合わぬ大型冷蔵冷凍庫。キョーコは前のバイトのころから氷にもこだわれれば…と密かに思っていたのをバイトを始めてからこの設備を見て大将と女将さんに提案したのだ。


「君のアイディア?」


そのことまで蓮に見抜かれて、キョーコの辟易していた気持ちがわずかに持ち上がり自然と気恥ずかしさでふんわりと笑っていた。


「…そこまで気づいてもらえるなんて、光栄デス」

「ここのコーヒーただでさえ美味しいからね。最高の状態で、って思うのは良く分かるよ」


コーヒーに口をつけつつ蓮は更に笑みを深める。


「『君の笑顔』、提供してくれたね。嬉しいよ」

「…なっ!からかわないでください!」

「ヒドイな。君に惚れてる男の言葉なんだから、すべて本気だよ?」

「そう言うのがからかってるっていうんです!」


ここ数日似たようなやり取りを繰り広げる二人。その様相は傍から見れば痴話喧嘩にも見えなくはない。

そんな二人に疑問を投げかける声が割って入った。


「っていうかさぁ、キョーコちゃん達ってどういう関係?」


店内は少ないながらも蓮以外にも客はいる。

今まで黙ってやり取りを聞いていた隣のカフェのバイト石橋光は、連日繰り返されるこの光景についに声を上げたのだった。自分のバイト先の賄に飽きた彼は隣のだるまやの味に惚れこんでしまい、昼時を外した休憩時間に連日ここで遅い昼食を摂るようになっていた。


まあ惚れこんだのは料理の味だけではないのだが、キョーコはそんな事微塵も気づいてはいない。

キョーコとの会話に割って入られ蓮は、僅かに不機嫌さを含んだ視線で光を一瞥した。

「どんなって…、見てわかりません?」


私はからかわれて迷惑です!と言わんばかりの顔で光の質問の真意を理解してないキョーコは首をかしげる。対して蓮はキョーコに向けたのとは別の意味でのキラキラとした笑顔を光に向けた。


そう、それはもう胡散臭いばかりのまぶしい笑顔。


「アルファベットで言うならBまでの仲だよ」

「なっ…!!??」

「えっ…!?それって…」


含みを持たせた蓮の表現に、2人が同時に声を上げる。


「いいいいいいい加減なこと言わないで下さいっ!!」


一瞬で灰になりかけた光と対照的に、キョーコは蓮に詰め寄った。

キョーコに近づかれて蓮はまた笑みを深める。


「嘘は言ってないよ?」

「真っ赤な大嘘です!!!」


キョーコの怒り様に、蓮の冗談だったのかと立ち直りかけた光。


しかし蓮は更に追加砲撃を行った。


「でもキスした仲だろう?」


詰め寄った分近づいたキョーコの顔。蓮は長い指先を伸ばして柔らかな唇にチョンと触れた。

途端、ひぃやああ!と奇声を上げてキョーコが後ろに後ずさる。


「…残念。今も狙ってたのに」

「な、なっ…なっ…………!!!」


それは怒りからなのか恥ずかしさからなのか。

キョーコは真っ赤になってフルフルと震えながら、手にしていた給仕用のトレイを抱きしめていた。


そして、店内の人間全員を攻撃するかのような大音量で力いっぱい叫んだのだ。


「ああああ、あれは!!キキキ、キ、キスじゃありません!!!」

さて、もうすぐ出発の時間なのにパソに噛り付いてます…

皆さまおはようございます、霜月です。



えーと何とか間に合った?リクエスト作品の第一話が出来上がったので本日昼過ぎに予定投稿して出かけます!!

出先から下書きにストックされたお話を順次修正してアップできるかどうかは疑問なんですがひとまず勢いが大事、ということで。


ぼの様!大変長らくお待たせしました~。

カフェで散々遊びまくって言い訳ばかりの私に「ホントに書いているのかてめぇ…」的な印象を持たれても言い訳できない私です、スイマセン!


あと、最初の数話…出先からケータイを駆使して投稿できたとしてもリンクをはる等細かい作業ができません。事前に貼っておくと文字数オーバーでケータイから操作できないし…。

…はっ!そういえば下書きに入っている分もケータイで操作できる文字数の上限にかかっていないかしら・・・・?←今気が付いたけれどもう確認する時間もないか。



帰宅後リンクの整理とか、おそらくちまちま誤字修正などかけるかもしれません。ご容赦ください。


連日暑いですね。

私の地域も結局梅雨明け宣言でないまま現在に至り、蒸し暑さにさすがに夜間エアコンを入れないと同居人が眠れない事態に陥っています…。

しかもまだ湿気と予告なしの雨がぱらつくので梅が干せてないこの現実…。8月半ばだぞ、どーすんだ。

皆さま、体調を崩さぬようお過ごしくださいませ。


※スイマセン、どうも2~3日前に出たようです…しかしまったく天気は変わった様子なく湿気と突然の雨は変わらず…。嘘言ってごめんんさ~い!


さて、世の中お盆がちかく、皆様お忙しいかと思います。

お知らせするまでもないかもしれませんが、私も明日以降数日間自宅を離れます。

サブPCは持っていくつもりなのでオフラインで水面下のカタカタは可能ですが、ネットとパソが環境が無いのでアップは厳しそう。(…頑張ってお話ストックを目指します!)いや…ガラケーからの投稿も可能ですが、ケータイから長文打つのは苦痛・・・。読み返しやチェックも面倒なのでちょっと無理だと思います。

メールからのなうのアップは増えるかもしれません。要は親族集まって連夜酒盛りなのです。酔っぱらうと結構メールでなうる癖がありまして・・・。(なうはピグのお礼報告や軽いプライベート的なことがメインです)

あと私はガラケーユーザーでして、アメブロの拝読・コメント・アメンバー申請の対応は可能ですがピグにはinできません。カフェ・ライフ・お部屋はしばらくお休みですのでいつも差し入れやお手伝いいただく方々、ご配慮不要です~。

御用の方はトークではなくメッセでお願いいたします。少々レスポンスが遅いかもしれませんがご容赦くださいませ。



そして…予告している夏物リクエストが…!

おかしい・・・。お盆休みに予定投稿で楽々~な予定が!!!!


ほどほどお話のストックが出来つつありますが、初回の第一話が迷ってましてスタートできませんorz

このくらいストックがあれば、いつもの見切り発車より安定だし待ってもられないのでアップし始めてるんですが、第一話が出来て無きゃどうしようもない!ま、切り口をどこから見せるか…なのですが導入の初回って何気に重要ですよね。要は掴みなのですから。

今回は後ろから書きはじめるわ、ラインは決まっているのですが後ろ3話ほど書いたら今度は虫食い状態で半ばのお話を書いているわどうにもいつもと違います。

ま、その分状況のすり合わせとか、細かい修正とかもできる・・・と思いたいのですが。

お出かけギリギリまで頑張ってはみますが、どうなる事やら。

そしてやっぱり10話は超えそう。1話辺りのボリュームがそんなにないせいもありますけどね。


そんなわけで今回も言い訳アップでした・・・・ほんとゴメンナサイ

まずは、こちら。


アメンバー申請はみなさん申請に関する記事を参照の上、メッセの作成をお願いいたします!

通すかどうか迷う、微妙な申請が多く悩む時間がだんだんバカバカしくなってきているのは事実なんです・・・。

最近多くの作家様が同様の記事をアップされたり、アメンバー申請をストップしたり、時限開放にしたり。私のブログはアメンバー申請案内が喧嘩売った文面なのでよそ様が嘆くほど「来やがったな!!」的な申請は無いのですけどね。

いままで案内記事をその都度少しずつ修正しており、通常のお知らせでこのことについて触れることをしないようにしてきましたがね。なんだかちょっと発言してみました。

さてと、雑多なモノばかりの近況報告になりますので興味のな方はスルーでお願いいたします。



最近記事アップしても、お知らせやつぶやきばかり…。

二次のお話更新が滞っててスイマセン!!←いつも言うこと同じw

もう8月というのに私の地域では梅雨明け宣言が出ず、連日もあもあと湿気って暑く、油断するとばっしゃりとスコールの様な大雨(´□`。)チャリ移動が基本な私なので、びしょぬれで帰る事多数。良い年した女がずぶ濡れで帰るなんて…ね。女捨ててますねw

くそう、ちゃんと晴れないので仕込んだ梅がまだ干せない・・・。ホーロータンクで待機中です。

連日汗だく、夜に(あ、昼もですけどw)酒を飲めば食卓が結露でびっちょり。不快指数マックスです。

でもエアコンはまだ稼働しなくても『私は』いけるんですけどねw(同居人が無理―

女より男性の方が体温高いから??暑がりですよね。そのあたり、キョコさんはナチュラルで過ごせそうですが、蓮さんはどうなんでしょう??(いや、東京はあついか・・・いやでも盆地の京都だってスゴイ暑いのよね?夏って…)

夏の夜のエアコン論争な二人をうっかり妄想してみましたw

ま、テレビで言ってるように暑い人に合わせるしかないんですよね。寒い人は着るものや掛物で調節できるから。

ピグ関連



現在ライフとカフェで遊んではいます。

カフェはこの前の猫カフェイベントでの協力プレイで楽しさお覚えたという…

ピグは最近クエストもこなすようになってきましたが、基本飾り付けとかおしゃれとか苦手なもっさり女子なのでゲットした景品には対して興味もなく飾りもしない、ゲットする過程を楽しむ状態となっております。

後はスキビ関連の方との交流目的なところもあるので、ゲーム通してスタミナ待ち時間におしゃべりするのが好きという困ったやつw

今回はそんな交流が楽しかった記者イベントなので、応援要請とか端数合わせの協力依頼歓迎です。

猫カフェほど景品はそそられませんので、よそ様のお役にたてた方がいいという。

たまたまイベント開始とin時間が合致したせいで滑り出しは結構順調で現段階では攻撃力は半ば程度を維持しております。

ピグ友さんをどうしていいか分からない人間なのですが、ゲーム関連でピグ友が増えそうな予感・・・。

ただしイベント限定になるかもしれませんので、イベント終了したらピグ友整理に入るかもしれません。ご了承くださいませ。


ライフの方はのんびり行きます~。

スイカは好きだけど、景品は・・・うーん微妙w


そうそう、わたしケータイはガラケーなのでピグ関連はPCでないとインできません。

二次書くのも基本PCなのでお盆前後8月10~15日あたりは自宅を離れるのでピグは不在になるかと思います。読むのはケータイでサクサク~。

二次関連


近日アップが最も濃厚なのがこちら↓

さんざん謝罪しかしてないスキビ二次関連ですが・・・

予告している夏アップを目指すリクエスト作品。

もうね、22222ヒットっていつのだよorz

やるやる詐欺ですよね

ただ今絶賛苦しみながら準備中。

今までの反省を生かし、そこまで長くはしたくないので大まかに目途がついてから予定投稿を中心にしたいと思っています。

もう後には引けません!!なんたって最終話から…後ろから前に向かって書いてますからね!←おいw

1話にたどり着くのがいつになるやら。


目ざとい方はすでに見つけているかもしれないですが、カテゴリーの中にタイトルを入れました。後には引けないように・・・自主的背水の陣です。タイトルは『真夏の海のA・B・C…D』

『真夏』と『海』いう単語を入れているので、ホントに8月中に、せめて海水浴場が開いてるうちにはじめたい!!…終わらせたい!とは口が裂けても言えない。

全10話くらいにおさめ…たいです(希望的観測。のびーるチーズな病モチなので当初の想定3~5倍に伸びる傾向があります…泣)

ひとまず、突発的なもの以外は8月はこれにかかりきりになるかと思います。

結局連載の同時展開はしたくないと思っていたのですが、行き詰ると他の妄想が・・・!とか

見切り発車のモノが収集付かずといったひどい状態を脱することができずにいます。

Mondlandshaftはもうどうにも動かなくなりました・・・。あがいても泥沼・・・。とりあえず矛盾してもなんでも、終わらせてから大改訂!と思っていたのですが、卑怯にもこの状態からリテイクしても…良いでしょうか・・・・???(滝汗)

もうね、そこまで追い詰められてます。ひとまず夏モノを優先しつつ、じりじりと悩むこととします。




こんな状態なので、眼福・自らの癒しでの素敵サイト様の巡回が止まりません~!

現実逃避のあまり、スキビ二次に足を突っ込んだ当初敬遠気味だった絵師様の巡回も欠かさず、すっかり慣れてときめくようになった素敵イラストに癒され・・・。

よせばいいのに、見ると自分もやりたくなるような気になるのはダメダメですね。


カタカタできないと鉛筆持って、そして自分の画力に悶絶する無駄な行為も増えてます。もういい加減に思い知れ自分!!



その他


一部作家様の間でブームの『進撃の巨人』いや、世間一般でもアニメと同時にブレイクなのか。

ノーチェックの作品でしたが、皆さま・・・特に絵師様方が素敵画を続々アップされてましてね。

絵だけでも十分萌えてますが、拝見しても原作分かんないと楽しみ半減なんです。

楽しむならガッツリ楽しみたいんです!!

…まだ、原作をしっかり読むまでいってませんが、無料視聴のアニメを見たり(実はアニメ見るの久しぶり)wikiで予習したりと良くない風潮です。


あ、アニメは無料視聴分しか見てませんが、絵もきれいだしつかみのOPが魅力的だとかなり来ますよね!個人的にはOPてアニメのキャッチなのでかなり重要と思ってます。

OPが素敵だとガッツリハマりやすい。エヴァとかアクエリオンとかその典型と思っています。

音楽と映像のマッチ具合はかなり自分の中でウエイト占めてるかも。

これはね、多分好きです。あの世界観とか、設定とかツボですね、確実に。

さて、後はいつレンタルコミックで既刊を一気読みするか、です。

廃退的な世界観とか、アクションはかなり好きなのですー。でも進撃はオフィシャルだけで満足できそうだなぁ。イラスト萌えはかなりしそうだけど、お話の方は本筋メインで満足できそうな予感。


そんな近況でした~。

当ブログの案内である『初めての方へ…』 の記事を大幅に追加修正いたしました。

過去日付の先頭にくるように投稿日時を設定しております。

作品の取り扱いや、いわゆる『被り』についても少し記載をさせていただいてます。


アメブロではトップであるメッセージボードがケータイではトップに来なかったり、更新情報から入ると記事に直通だったりと、最初に見ていただきたいお知らせをどのように案内すれば目を通していただけるか常に頭を悩ませております。

FC2のように未来投稿記事が常に一番新しい先頭記事になる様な設定もできませんしねぇ、アメブロ。

現時点の日時が一番新しい投稿になるので…。


ブログ内を見やすく!そしてトラブル防止のためにも基本指針は理解していただいた上で読んでいただきたいので、今後もブログ内を改修していくつもりです。


ご意見やいい方法がありました是非教えてくださいませ!