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妄想最終処分場

好きなジャンルの二次創作ブログです。
現在はス/キ/ビメインです。
ちょいちょい過去活動ジャンルも投入予定。

*出版者様、作者様とは一切関係ございません。
*禁:無断転載、二次加工、二次利用

10/19発売の本誌ACT205の続き妄想です

ネタバレものなので、未読の方、コミックス派の方はバックプリーズ!!


本誌発売までに終わらせる自信皆無のレッツ見切り発車です!←懲りない・・・しかも多分長いヽ(;´Д`)ノ


今回の続き妄想に関しては別途お知らせがあります。読み進めの前にこちらを一読の上お願いいたします→ACT205妄想についてお知らせ
※お知らせを未読の状態でのご意見・質問(特にクレーム)に関しては厳しい反応を返すやもしれません。必ずご確認ください。



それでは自己責任でご覧くださいませ↓









━─━─━─━─━─




見た目も中身も、無垢だった子供の頃と様変わりした自分。

見間違いようの無い、あの頃と同じように輝く金髪に赤茶に反射する碧の瞳。


一瞬向けられた鋭い視線に凍りつくと同時に、やっぱりそうよねとキョーコは妙に納得していた。


あの頃持っていた総てのものを…

真っ直ぐさも、いつかは自分の王子様は姫である自分の手を取ってくれるはずと思い込んでいた幼さも、今となっては愚かしいと思っていても。

それでもその過去は全て、今の自分につながっている。


愚かと思っていても、それだけで切り捨てられない自分の過去。

それは、『今の自分』が地獄に落ちる覚悟で手に入れた想いに繋がっている。


(愚かと切り捨てられないんだもん…)


脳裏に浮かぶのは蓮の何気ない表情で、ジワリと心の奥に広がる温かさにキョーコは瞳を閉じた。



ACT205妄想【4



「…っ、コーンっ、…コーン…!」


(こんな私にも奇跡ってあるのね)


「……会えて嬉しい…っ、もう…会えないって…言ってたから」


黒髪を二つに結い上げていた幼い頃と、重なるところは無いに等しい今の自分。それでも『もしかしてキョーコちゃん?』と、疑問符つきだが気づいてくれた妖精にキョーコは驚きと喜びに顔を綻ばせた。

ちゃんと自分に気が付いてくれた事実に、キョーコの目頭が熱くなった。


「最初はコーンのこと、人魚かと思ったの」


幼いころの思い出と強く重なった印象で、キョーコは相手が蓮であることには気づかない。

目の前に現れたのは、かつ幼いころの夏の日を共に過ごした妖精の王子『コーン』。

キョーコの遠い記憶の中に蓮がいること自体は事実だが、素の自分と出会うはずもないと思っていた蓮は自ら敦賀蓮であることを名乗ることはできない。どんな現象も起こりうる奇跡の海は、自分にも奇跡の再会をもたらしたとキョーコは確信していた。

相手が自分を認識している事実にほっとしたキョーコの口は、かつてのように自然に動き出す。美しい海に魅せられて妖精を人魚と見間違っても、咎めずキョーコの言葉に耳を傾けてくれている蓮にキョーコの言葉は止まらなかった。

キョーコはメルヘン思考全開の言葉で、妖精コーンとの再会を手放しで喜ぶ。自分の言葉を黙って聞きながら感極まって零れる涙を優しく拭ってくれる指先に、キョーコはふと昔のことを思い出した。


(やだ…私、また自分の事ばっかり…!)


幼い日、いつも自分の話を聞いてくれたコーン。彼にだって辛い気持ちがたくさんあったはずだったのに、自分を助けてくれてばかりだった。そんな幼いころの自分は彼の優しさに甘えきっていた。


『コーンが…っ、私の話を聞いてくれるのと同じくらい…っ、もっと、コーンの辛い気持ち一杯、聞いてあげればよかった…!!』


そう気づいたのは別れから10年以上経過してからで、彼から渡された石、コーンを握りしめて後悔の涙にくれた自分を抱きしめて慰めてくれたのは…。


キョーコは顔を上げ、自分の目の前にいる人物を見つめた。

潤んだままのキョーコの瞳は、再会の喜びの涙の余韻のせいかそれとも脳裏によみがえった記憶のせいか。


「……私、ずっとコーンに……謝りたかったの」


ほんの少し言いにくそうに躊躇った後、キョーコは口を開きポケットのがまぐちからこの海に連れてきた魔法の石を取り出した。


「コーンがくれたこの石…もうコーンに会えないから『コーン』って名づけたの。たくさんたくさん、私の悲しみを吸い取ってくれた。でも私の悲しみなんてちっぽけなくらい、この子はコーンの悲しみを吸収してたのね…。コーンを魔界人に触られたときにそんなことを言われて…アイツの言うことなんて信じないって思ったけど、コーンが昔辛そうな顔をしてたこと…思い出して…」


レイノに言われた言葉をキョーコは全て信じたわけではなかった。しかし、遠い日に垣間見たコーンの苦悩とレイノが示唆した元の持ち主の辛い感情が繋がっているように感じ、あの時立ち止まったのは事実だった。

そして謝罪の言葉とともに、大切な魔法の意志をかつての持ち主に差し出した。


「ごめんなさい、コーン。私、ずっと自分の事ばっかりだった。そして、こんな大切なものを…預けてくれてありがとう」


彼の名をつけた魔法の石はキョーコの沢山の悲しみを吸い取ってきてくれた。歳を重ねるに従い頼る頻度が減ってきたのは成長の証だと思いたいが、それでもこの石がたくさんキョーコを助けてきたのは事実だ。


(あの時だって…)


辛そうな顔をした蓮を垣間見てしまった時、キョーコは思わずコーンに頼った。自分だけでなく蓮の辛さも吸い取ったこの石は本当に魔法の石で、ちっぽけな人間の自分が持っていていいものではない。


(敦賀さんの魔法もかかってるけど、コーンの手に戻ればすべて浄化されるよね)


差し出してしまってから、キョーコはふと気づく。蓮の唇に触れたコーンには『魔法』もかかっている。

最初は『悪い魔法』だと思っていたソレ。

確かにその魔法はキョーコに効果をもたらした。他人の目に触れてはいけないその効果を知っているのはキョーコだけ。蓮の祝福を受けたコーンを受け取った時に悪い魔法だと予感したはずが、いつの間にか自分に勇気と自信をくれる最高に眩しい『敦賀さんの魔法』になっていた。


「もう私は大丈夫だから…」


(大丈夫。この想いを自分の中に認められたんだから、私はもう大丈夫…)


「コーンに返すね。大切な石だったんでしょう?」


差し出した手のひらの石にキョーコが様々な思いを巡らせていると、小枝が砂を掻く小さな音が聞こえた。


“ちゃんと大人になって飛べるから、もう大丈夫”


描かれる文字を目で追うと、キョーコの耳に蓮の言葉が蘇った。


『…大丈夫…コーンはちゃんと大人になってる…』


この海でキョーコが出会えたのは、ちゃんと大人に成長した妖精の姿だった。その背にはきっと、自由に空を飛べる綺麗に輝く羽根を隠しているんだろう。


『羽だって生えてる 空だってちゃんと飛んでる』

(…敦賀さんの言うとおりだった)


相手に届かない謝罪の言葉を口にしながら涙をこぼすキョーコに、抱擁とともにもたらされた蓮の言葉は砂浜に描かれるコーンの言葉と一致する。妖精の王子との奇跡の再会でも、こんなにも脳裏をよぎる蓮の姿や言葉。


(やだ…私ったら敦賀さんの事ばかり)


自分の中に占める蓮の存在の大きさを自覚するが、よく考えればコーンのことを話したことがある人は蓮だけだ。そのことに思い至り、キョーコは軽く頭を振った。蓮としか妖精の王子の話をしたことが無いのだから当たり前だ。

己の思考に一瞬沈んでいたキョーコは、またサラサラ小さく響く砂の音に目を向けた。


“キョーコちゃんは、もう悲しい思いはしない?”


「……」

(悲しい、おもい…?)


投げかけられた質問に、キョーコの思考は停止した。蓮のことを考えると胸の奥に広がるあたたかな波紋は、いつも少し苦い色合いを含んでいる。

想いを認めたが故に、どうしても共に享受しなければならない切なさと苦しさがある。


「…っ、な、んでもないのよ?」


先ほどとは別の意味で水分を引き寄せはじめた自分の目元に視線を感じ、キョーコは慌てて手を目頭に押し当てる。しかしツンと鼻に響いた涙の気配は治まらず、キョーコは何気なく手で顔を隠そうとしたが、大きな手に手首を掴まれ顔を隠すことはできなかった。


(…やめて)


顔を隠すことも叶わず碧の瞳がキョーコを覗き込む。その瞳の前に自分の感情を隠しきれないのではないかと思うが、それでもキョーコは抵抗した。


「ご、ごめんねっ、何でもないの。コーンに会えたから、なんか涙腺が壊れてるみたい…」


“悲しい顔 してるよ?”


「そんなこと…ないもん…」


あんなに辛そうな表情で『大切な人はつくれない』と言った。

他を圧倒した嘉月の演技に透けて見えた切ない恋心。

それは『誰かを想う』蓮の感情が存在するということ。

分かっていたのに、どこに居ても大切な人を作れないと言ったあの人は『誰かのものになったりしない』と心のどこかで安心していた醜い自分。


もし彼が自分の心に正直になれたとしたら…


全てを見通すような、神秘的な碧の瞳に見抜かれて…愚かな自分を見透かされているような恐怖感。掴まれた手首をするりと解いて、キョーコは自らの膝に腕を絡ませ身を小さくする。

(やだな…こんな風に取り繕うなんて。私はなんて人間なの)


思わずとった行動に、頭のどこかでそれを自嘲する自分がいる。痛くてたまらない心は鋭く追及されれば簡単に全てを曝け出してしまうだろう。

そう思って身を固くしていたキョーコは、次に向けられた質問に僅かに目を見開いた。


“お母さんとなにかあった?”


(…そう、よね。コーンは小さい時の私しか知らないはず)


母親との確執はあの頃から何も変ってはいない。キョーコの心の内に波風を立てる事柄ではあるが、今はそこまでキョーコの心の内を占めてはいない。自分に無関心な母親の影が脳裏をよぎり、キョーコは少し寂しげな表情をこぼしたがその質問には首を横に振った。


“君の王子様は?”


「………」


あの頃の自分は母親の事で泣き、無邪気に王子様と思っていた尚はいつかは自分の元に来るのだと信じていた。


(コーンが私の王子様だったらよかったのに)


幼い頃はただただ盲目的に、尚が自分の王子様だとそう思い込んでいた。恋をするならあんな身勝手な理屈を振り回す尚でなく、数日一緒に過ごした彼に恋をすればよかった。最初から住む世界の違う妖精の王子と分かっていたのだから、一緒に過ごせたあの短い時間を大切に思い出にして綺麗なままの自分で過ごせたのかもしれない。

考えても過去には戻れないのに、そんな考えがキョーコの内を過ぎる。


『君は今更なかったことにできるのか?』


一瞬、甘い考えに浸ったキョーコの内に、この恋心と正面から向き合うチャンスをくれた声が繰り返される。


(……できるわけない)


でも、キョーコにはそれができない。

どんなに愚かで、辛い過去でもそれは今の自分に全て繋がってきている。

それは全て、蓮に抱くこの想いを手にするために起きた『必然』だから…


「…王子様じゃなかったの」


蓮に話を促され、キョーコは今までの自分のことを語り始めた。


盲目的に尽くした相手は振り向いてくれなかったこと。

その事実に愛を否定し大切なものを自ら手放し憎悪に支配されたこと。

復讐のために飛び込んだ世界で自分を作る演技と出会えたこと。

「…恋をするのは愚かしいこと。愛は破滅と絶望の序曲だって、その時信じて疑わなかった」


自ら過去を語ることで、キョーコは今までの自分を振り返っていた。こんなにも凪いだ気持ちで話すことができたのは、相手がコーンだからか、つかえていた想いを認めたからか。

過去を語る上で切り離せない尚の話題。名前を出すだけでざわつき騒ぎ出す心をコントロールできるようになってきたのはいつからだったか。


“今はちがうの?”


(今、は……)


驚くほど穏やかと言っていい心持でいたキョーコの心に、その質問は小さな波紋を作り出す。


今でも愚かだと思う。

相手の幸せを願えない、

誰のものにもならないはずと決めつけて安堵を得ていた浅ましい恋心。

些細なことに幸せを感じ、ただ自分の中でだけ想うことを許したどこまでも育つこの想い。

それは空っぽの自分を、自分の手で育てていく事には必要な事。


「認めたくなかったの。お伽噺みたいにキラキラして綺麗なモノばかりじゃなくて…。ドロドロして醜くって…」


キョーコは素直に自分の中の想いを口にしていた。


「気持ちはどんどん勝手に大きくなって。恋なんて、やっぱり地獄に落ちる破滅と絶望の序曲なんだけど…どんなにひどい現実でも、すべては必然で…その人に出会うために必要なことで…」


温かい南国の潮風が頬を撫でていく。風に揺られて揺れる毛先は、震えそうになるキョーコの言葉を励ましているかのようだ。


「愚かで、醜くて、でも愛おしい…そんなこの気持ちから目を逸らしちゃいけない、演じることを通して自分を作っていく私には無駄な事じゃないんだって諭されて」


煌めく太陽の光を反射する海を眺めていたキョーコは、ゆっくりと視線を相手に戻す。

「だから、この気持ちは…私の中だけで育てるの」


決意表明のように言いきった自分の言葉に、キョーコは少しばかりの動揺を覚えた。伝えることはないと思っているこの気持ちを他者にはっきりと晒すのは、自分を諭してくれた愛の伝道師以外には初めての事だ。


答えは分かり切っているから伝えられない。

誰のものにもならないと浅ましく安堵したということは、まかり間違っても自分の手に入る人でもないということ。

伝えてしまえば後輩としてでもそばにいれなくなってしまうのが怖くて仕方ない。


それなのに・・・・


(気持ちを知ってほしい、だなんて…)


頭では分かっているのに。

改めて言葉にしたことで走り出そうとする自らの心にキョーコは動揺を覚えた。



~~~~~~~~~~

レッツバンジー!はまだできませんでした…orz←チキンめ

予告どおりワンクッション目を投入です!(ということはツークッション目もある・・・?)


っていうか!蓮さん視点で続ける予定がやっぱこうなったかー!蓮キョの両面描かないと話が続けられない私。もうばっちり196妄想の二の舞だね☆


このキョコさんサイドはなんだか読みにくくてスイマセン。

キョコさんは蓮さんをコーンと思っていますが、一応なんちゃって三人称で書いてますので蓮さん自身の表記を妖精や王子等比喩表現を使用しない状態では「蓮」と表記しております。


でもあくまで、キョコさんは蓮さん=目の前の妖精コーンとは全く気付いておりませんので、文章上『蓮』表記でもキョコさん的には蓮さんじゃくてコーンなのです。

脳内変換よろしくお願いいたします~。


こんばんはー!

相変らずヘコタレ中の当ブログですが、それでも覗きに来てくれる方には感謝しております~!!

ACT205続き妄想の方は脳内では色々垂れ流しなのですが、どうして入力画面でカタカタできないのか!

この先バンジージャンプな心持なのですが、飛び降りる決意が付かず橋げたの上でウロウロしている状態です…。

うーん・・・バンジーの予定だったけど、ワンクッションかツークッション入れようかなぁ…?←怖気づいた

次の本誌発売間まで10日となりましたが絶対そこまでに終わらせることはむりですしね、ふふ。


そんな毎度おなじみの愚痴は置いといて!!


今までこの手のお知らせはしてこなかったのですが、お相手に素敵なご紹介をいただいて後手ですが我が家でもご紹介させていただくことにしました!

※仲良くさせていただいて、ストカしているサイトさんはたくさんあるのですが…アメーバサイトさんの場合は公開読者登録をお願いしていますので私の『お気に入り』=リンクとまで言いませんが、素敵サイトさんのご紹介と思っております。そこからブログに飛べますしね。

あとサイドバー利用のバナー入りリンクをPC音痴の私はいまだに利用できませんで…。主に自己利用のためにアメーバ外のサイト様はお断りを入れた上でブックマークに表記させていただきていました。

大分前から同じくブックマークにおさめさせていただいたサイト様があるのですが、今までこんな風に紹介とか考えていなかったもので・・・・。先にブックマークのお願いに上がったサイトマスター様、紹介記事を書いてないのは他意があるわけではありません。不快な思いをさせてしまいましたら申し訳ありません…。



リンクさせてください!(とういうか、うちの場合はブックマークに入れてもよろしいですか?とお伺いを立てるのですが)とお願いしたところ、快くいいよ~!と言ってくださり、その上当ブログもリンクで紹介していただいちゃいました!!



ご紹介するまでもないですけれど!!

りかさんのアメーバからお引っ越し&新コンテンツを盛り込んだ新築サイト!


妄想最終処分場

http://ahsaws.web.fc2.com/

切ない描写のぐっとくる蓮キョにいつも翻弄されております!

暗くても黒くても艶々桃でも!!大好きでございます!というか大好物!!!

サイト開設に当たり新コンテンツで追加された脳噛ネウロも素敵なんですよー♪

ドS助手魔人×M上司(?)弥子ちゃんの艶々っぷりもたまりません・・・!


そしてもう1件

ぞうはなさんのサイト

SkipSkip Box

http://takebeat2012.blog.fc2.com/

短編もたくさん!長編も沢山!!もう長編は読みはじめたら止まりません!!

もうなんでもっと早く読みに来なかったの私!おばか!!!ってすんごい後悔しました…。

これだから偏食読者は…!!!

ファンも多いサイト様なので私なんぞが紹介しなくても知ってるわ!って方が多いのでしょうけど…

お二人とも、相互リンクの形態をとっていただいてありがとうございました!

これからもよろしくお願いいたします~

10/19発売の本誌ACT205の続き妄想です

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それでは自己責任でご覧くださいませ↓









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ACT205妄想【3】



“どうしてそんなに悲しそうなの?”


重ねられた質問に、キョーコは弱々しく頭を振る。


「大丈夫。これは、絶対今後の私の役に立つモノなの」


それは自分に言い聞かせる様な言葉だと蓮は思った。


(…そうじゃない)


質問の真意を外した回答に蓮は眉を顰める。辛く身を裂く様な出来事や感情であっても、多種多様な役柄を演じることに無駄な経験などない事は蓮にも重々分かっている。

欠けているモノを取り戻すためにLMEでラブミー部に所属しているキョーコ。無くした物を取り戻したいと自ら願い、それを取り戻したことを自覚しているのにどうしてこんなに辛そうなのか。


(人を好きになるのは苦しさも伴う…けれど)


ふとした時に与えられる手のひらの温もりや、自分に向けられる笑顔に心の奥に灯る暖かな炎。

辛さよりも大きな幸せを手にするために、人は誰かを好きになるのではないのか?


キョーコと接する中で胸にこみ上げたあたたかなモノは、確かに幸せの欠片だったと蓮は思う。ささいな事に『幸せ』が伴えばそれが恋なのだとかつて諭され、キョーコへの恋心を掴んだ自分。


手に入れることはできない・・・でも、手に入れたい。

誰かのものになってしまうのであれば、いっそ誰のものにもならないでほしいと浅ましく願うほど、相手を求める恋心はわがままだと蓮は知っている。


蓮はじっとキョーコの顔を覗き込んでいた。その射る様な視線に根負けしたのか、キョーコはふっと目を逸らした。しばらく言い淀むように開きかけてはまた閉じられる唇に、蓮はまた砂を掻く。


“無くした物を取り戻したら、幸せになれるんじゃないの?”


「無くした物を取り戻したけど、私は地獄に行くの」


望んでいた感情を取り戻したと言っているのに、どうして『地獄』なんていう単語が出てくるのか。蓮は更に質問を重ねる。


“どうして?恋を叶えたいと思わないの?”


自分で書いた質問に、蓮はわずかに歪めるように目を細める。キョーコに向けた問いかけなのだが、それは反射するように自分の心につまる。


(この子が、相手にそれを望んでも)


自分は素直に祝うことなんてできやしない。かといって、幸せになる資格のない自分が口を出せる訳でもない。

思わず思い浮かべた想像に蓮は無意識に奥歯を噛んだ。

それでも、心の隅に小さな期待がチラつく。尊敬する先輩と言われ、当初に比べれば好意的に変化したキョーコの態度や慈愛を感じた手のひら、首筋に落とされた柔らかな感触と痛み。

度重なる学習能力が期待するなと激しく警鐘をならしても、蓮はキョーコのこの先の言葉を聞かないという選択はできなかった。


「……叶わないもの」


しばらくの沈黙の後、返ってきたキョーコの言葉は小さく迷子の子供の様な頼りない声で。

“どうして?”


目的を達成するために困難があれば更に闘志を燃やして立ち向かうキョーコにしては、消極的な言葉。

冷静さを取り戻しかけたキョーコの瞳が、また苦しそうに揺らめいた。キョーコの感情の揺れ幅にその想いの強さが透けて見えるようだった。


「その人、ね…」


ドクドクと脈打つ自分の鼓動を蓮は耳元で聞いていた。


「大切な人が、いるの」


ゆっくりと自分の方を向いたキョーコの表情は、痛くてたまらないと叫んでいた。

煩いほど響く心音の向こうでキョーコの声がぼんやりと響く。


「本人から聞いたんだもの。あんな苦しそうな表情で、でも想うことを止められない…あんな顔、見たことなかった」


痛くてたまらないのを堪える様なキョーコの表情。

その表情と言葉の内容に、蓮は世界がぐにゃりと歪むような感覚を覚えた。


(この子が想っているのは…)


蓮はキョーコに自分の恋愛について語った覚えは無い。すなわちキョーコの差す人物は自分であるはずがない。心の隅に巣食っていた期待は打ち砕かれて、切りつけられた痛みから『だから期待するなと言ったのだ』と心の中で罵倒してくる自分がいる。

あんなに煩く、耳元で響いていた鼓動が次第に遠のいてすっと冷えていく。


「私がこの想いを持つことは…誰かと紡ぐはずのその人の幸せを一生願えない、そんな愚かな…罪深いもので…」


(俺だって、そんなのは無理だ)


今目の前でこんなにも切なそうな表情で想いを語るキョーコの表情を晴らしたいと思っているのに、その想いが叶って自分ではない男の隣で幸せそうに微笑むところは見たくない。そんな場面に出くわすのならば、今の自分と同じように一生想い合う幸せを知らなければいいのにとさえ思ってしまう。


「…だからね、私は地獄に堕ちるの」


少し間をおいて、キョーコはまた海を眺めてそうこぼした。

溢れてしまった思いをまた寄せ集めて、小箱の中にしまいこむようにゆっくりと畳んだ膝に乗せた腕に額を預ける。表情が見えなくなったキョーコの肩が僅かに震え、隣に座りこんでいた蓮の腕に触れた。


どこまでも同じ想いを抱えているキョーコと蓮。

話し込んでいる間に南国の太陽と空気は海水に濡れた蓮のシャツをすっかり乾かしていて、蓮はそっとキョーコの肩に腕を回して引き寄せた。

痛みに泣くキョーコを慰める様に、そして同じ想いを抱える自分を慰めるかのように。

引き寄せられたキョーコの体は隣にいる蓮に凭れ掛る様に傾いて、蓮の胸に頭がぶつかった瞬間に驚いたように肩が揺れた。


(俺にすればいいのに)


腕の中で、自分ではない男を想って泣いている愛おしい少女。

痛くてたまらないのは蓮も同じなのに、それでも腕の中にあるキョーコの温もりに心が焦がれる。

自分から想いを伝えることはしないと決めていたはずなのに、手に入らないと分かってしまえばそんな考えが頭をもたげる。

『一生』などと、まだ長い人生の中で絶対に揺るがないと確信しているキョーコの恋に蓮の胸は焼け焦げそうなほどジリジリと痛んだ。


どのくらいそうしていたのか、キョーコの肩の震えがおさまってしばらくした頃。キョーコはごしごしと目元を擦ってから伏せていた顔を上げ、蓮を見上げた。

キョトンとした瞳のキョーコは、先ほどまでの痛みは内に仕舞い込んだことを意味していた。


「…そういえば、どうしてコーンはしゃべらないの?」


転換した話題は、先ほどまでの話はこれで終わりという合図のようだ。

未だ自分の中にジンジンと響く痛みと、姿の見えない相手に向かう嫉妬心を収め切れない蓮は、切り替えをしてきたキョーコと比較して自分の未練たらしさを小さく嗤った。

しかし子供の時は普通におしゃべりしてたのに、と首を傾げるキョーコに蓮はどうしたものかと考える。

骨格や身体的特徴から人物特定できるキョーコに対し、いくらコーンと思われていても特徴がいくつか重なれば気づかれる可能性は高くなる。そう思ったからこそ声を発せずに済むように、その場の思いつきで砂に文字を書いて呼びかけたのを蓮は思い出した。

至極もっともなキョーコの質問にどうすべきか考えつつも、キョーコのメルヘン思考と込みと、頭をもたげた嫉妬から卑怯な方便が脳裏に浮かんだ。

いささか冷静さを失っている自分に気がつけない蓮は、そのまま手にした小枝を動かす。


“魔法をかけられてしゃべれないんだ”


「えっ?コーン、悪い魔法をかけられてるの!?」


途端に驚いてアタフタとするキョーコにやっぱり丸のまま信じたかと蓮は内心苦笑した。


“キョーコちゃん、魔法を解くのを手伝ってくれる?”


「解く方法があるの?もちろん、私にできる事だったらなんだって…!」


(なんだって…ね)


自分の浅はかな欲望に呆れもするが、蓮はその手を止めることができない。


“キョーコちゃん、俺のことキライ?”


脈絡なく落とされた質問に、キョーコは目を丸くした。


「えっ?なんで?そんなことあるわけないじゃない!コーンの事、大好きよ?」


言葉の軽さからいって子供が親しい友人に向ける好意でしかないのは分かっているけれども、自分に向けられた『大好き』にすら喜んでしまう。

キョーコは質問のつながりが見えず戸惑ってはいるが、質問内容そのものには律義に答えていた。

蓮はキョーコが反応する前にそっと顔を寄せ、キョーコの唇に口付けた。


さざ波の音がやけに大きく耳に響く。

蓮は多少の後ろめたさから伏せた瞳に、キョーコの大きな瞳が驚きに見開かれ自分に刺さるのを感じていた。


不意打ちで触れた唇はとても柔らかかった。

ほんの一瞬触れるだけのつもりだったのに、触れてしまえば離れ難く、蓮はふっくらとした下唇を啄むように食む。


(どんな反応……するかな?)


驚き故か、力が入ることなくされるがままのキョーコからすっと離れた蓮はまだ開けない瞼の裏でキョーコの反応を想像する。


純情乙女は、いつぞやの頬へのキスの時のように動揺して狼狽えるだろうか?

いきなりの自分の行動を真っ赤な顔で責めるだろうか?

それでもコレをファーストキスだと認めてくれるだろうか?


お伽噺で『悪い魔法を解く愛する者のくちづけ』は鉄板の解除法。

容姿では『敦賀蓮』と見破られる前にキョーコは『コーン』と反応したが、その異常なまでの観察眼に更に聴覚まで加われば気づかれてしまうかもしれない。

そう思って声を発せずにいたのに、愚かな恋心は叶わぬ恋を慰めるために全ての建前を無に帰してしまった。

蓮は意を決して、ゆっくりと瞼を持ち上げた。眼前には虚をつかれたようなキョーコの表情。


「…ありがとう、キョーコちゃん」


蓮が口にしたお礼の言葉は、緊張のためにほんの少し掠れていた。

しばらく固まっていたキョーコの表情は一瞬揺らめいて、その後くしゃりと崩れた。


「…っ、コーン!声が…!」


キョーコはがばっと蓮の首に抱きつき、よかったぁ~と安堵の言葉を漏らす。

ただひたすら『魔法が解けた事』を喜ぶキョーコの反応は予想外で、蓮は一瞬垣間見えたキョーコの表情に小さな引っ掛かりを覚えつつもその反応に抱きつかれた背をポンポンと撫でる。

そして潮くさいはずの自分を気にせず、きゅうきゅうと抱きついてくるキョーコの体温に蓮は喜びで顔を綻ばせる。


「キョーコちゃん」

「なに、コーン?」


抱きしめてくるキョーコの腕の力が少し緩んだタイミングで蓮は声をかける。呼ばれたキョーコはぱっと手を放して真っ直ぐに蓮の顔を見た。なんの躊躇いもなく向けられたキョーコの表情に、蓮はまたしても正体を気取られなかったことに安心と、しかしキスをしたというのにあまりにも意識されなていない物足りなさに収まりかけたはずの欲を感じ始めていた。


「魔法解いてくれてありがとう」

「え?」


キョトンとしたキョーコは声を取り戻したことを純粋に喜んでいるがどうしてそれができたのかイマイチ結びついていないようだった。

刺激された蓮の欲求は、今迄抑え込んでいたことをあっさりと手放した。


「好きな人のキスだから…キョーコちゃんだから魔法が解けたんだ」


伝えてしまえばなんてことが無い。

ただ真っ直ぐに、口をついて出た自分の言葉に蓮の心はどこか離れたところで驚きつつもキョーコの反応を期待していた。

つい先ほど、痛いほどのキョーコの想いを聞いたばかりだったのに、拒否せず予想外の反応を返してきたキョーコに一瞬でもこちらを向いて欲しいと浅はかで愚かな恋心が願っていた。


「…コー…ン…」


やっと蓮の言葉の意味を察したらしいキョーコの表情は、またしても静止していた。

でも先ほど一瞬だけ垣間見えた揺らめきが、その瞳の奥に見え隠れしている。その揺らぎは、キョーコが隠した悲しみの蒼を含んだ色に蓮の目には映った。


蓮の中に苦い思いが込み上げる。


「……俺に、そいつを重ねても…いいよ?」


(本当は良くない)


キョーコが想う男に重ねられることなんて、身代わりなんて本当は嫌なのに。


それでもキョーコの辛さを解きたくて。

焦がれる自分の恋心を満たしたくて。

あんなに強い想いを、身代わりでもいいから自分に向けてほしいなんて。


「キョーコちゃん」


蓮は抵抗しないキョーコの頬に手を添えて、再びそっとその唇を塞いだ。




~~~~~~~~~



嘘つき妖精人魚姫、キョコさんの唇ゲット大作戦!←身も蓋もない言い方ヤメレwww


そして喋れない蓮さんが魔法を解くのにとか言ってキョコさんにチューするくだりは多分どなたも思いつくし、被り必須と思われます。(ここを気にしていました)気分を害した方がいらしたらご一報くださいませ。土下座しに伺います…。


おおう、まだ3話なのにすでにおててが鉛のように重いです・・・。

これから先、葛藤しつつヘタレつつさらに更新が遅くなりそうな予感☆

10/19発売の本誌ACT205の続き妄想です

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それでは自己責任でご覧くださいませ↓











━─━─━─━─━─



“もう悲しい思いはしない?”


優しく労わる言葉に

地獄に落ちる覚悟で臨んだこの想いの醜さや、今後享受しなければならないであろう痛みが瞬時に脳裏を駆け巡った


そんなに私を甘やかさないで


その優しさにすがったら


もっともっと

醜く堕落してしまうから



ACT205妄想【2】



涙して停止してしまった事で、困ったように、心配そうに自分を見つめる碧の瞳にキョーコははっとした。


ここで思うままに、奇跡の再会を果たせた妖精の王子に過去の過ちを繰り返すわけにはいかない。また自分の事ばかり聞かせては…と、キョーコは滲んだ涙をグイッと拳で拭った。


「ご、ごめんねっ、何でもないの。コーンに会えたからなんか涙腺が壊れてるみたい…」


あからさまに取り繕うキョーコに、やっぱりこの子は素の状態では嘘がヘタだなと蓮は思いつつも誤魔化した表情の奥に大きな感情の波がある事に気づかざるを得ない。


そして、それを見なかったことにもできない。


“悲しい顔 してるよ?”


「そんなこと…ないもん…」


砂浜に書いた文字を見つめ、尻すぼみに小さくなった幼い言葉尻は幼い日に返ったかのようだった。自分を抱きしめるようにきゅっと膝を抱えたキョーコは蓮の目にどのように映ったか。


蓮はキョーコが本気で嫌がらない限り…と、思考を巡らせる。

敦賀蓮として知り得たキョーコの情報は、あの夏の短い日を過ごしたコーンでは知りえないことばかり。憶測の中で切り出そうにも、キョーコが今ココにいる理由や、容姿の様変わりした理由を理解した上での質問はできない。そして律義で我慢強いキョーコは無理をしてでも誤魔化してしまうのだ。相手に負担をかけないようにと。


でも…

今は先輩『敦賀蓮』としてではなく、彼女の知る妖精の王子『コーン』としてなら…


(俺には話してくれない心の内を聞けるかもしれない)


そんな思いから、蓮はまた手を動かす。


“お母さんとなにかあった?”


蓮の脳裏にあるのは黒髪を二つに結い上げた少女の姿。


真っ直ぐで

何事にも一生懸命で

メルヘン思考で

母親のことで涙し

それがショーちゃんと呼んだ王子のことで笑顔に変わる


コーンとして予測しうる、キョーコの感情の揺れの元になりそうなことを尋ねてみる。

それに対しては少し寂しげだったがフルフルと首を振るキョーコ。

蓮は一度躊躇った後、再度砂浜に小枝を滑らせる。


“君の王子様は?”


本来であれば尚の話題などドス黒い嫉妬が湧き上がってくるから耳にしたくもない。

しかし、幼い日のキョーコの感情を大きく動かす要素を『コーン』はこの二つしか知らないのだ。そして平時では、尚の話題は不機嫌になる蓮をを敏感に察するキョーコが常に避けている。

尚が絡むと社と同様に異常なまでに怯えるキョーコの様子に自分の嫉妬深さに呆れもするが、それなら自分の不機嫌さの背景にどんな感情があるのかも気が付いてくれてもいいものだと、蓮がついつい思ってしまうのは恋する男の身勝手さだ。


そして結局、あの夜の前、あの場所で尚とキョーコが共にいた詳細を蓮は知らないままでいる。

鳴り響くケータイの呼び出し音と表示された非通知の文字に決壊を破った醜い感情の波は、どこまでもセツカを演じたキョーコによって蓮の中で統合された。しかし、だからと言って憎しみを向ける相手である尚とキョーコが一緒にいたことに対する嫉妬心がなくなったわけではない。

追い打ちのように『間違ってもアンタに惚れる様なバカな真似だけはしない』とわざわざキョーコの言葉を尚が待ち伏せしてまで告げてきた背景には、何かしらキョーコと尚の間に自分の知らない自分の話題があったということ。


どういう経緯で尚のあの行動が発生したのか理解できれば、この醜い嫉妬心も少しは治まるのかもしれないという黒い計算も蓮の内にあった。


(今この子の中での不破の存在って…)


蓮の質問にキョーコは砂浜を見つめ、複雑な表情をした。

蓮の知るキョーコであれば、不破の顔を思い浮かべた途端怨キョを発生させ悪鬼の様な怒りや憎しみの表情を反射的に浮かべてしまうはず。

単純な負の感情だけではない表情を見せたキョーコの反応を、蓮は注意深く伺った。


最初は戸惑ったように、そしてふっと遠くを見る様な瞳の色。そして最後は自嘲気味な冷たい色と僅かに温かい色が入り混じる様な表現しがたいキョーコの表情。


「…王子様じゃなかったの」


ぽつりと漏れたキョーコの声は波の音にかき消されるくらい小さかった。

そろりと、蓮を見上げたキョーコと目が合う。

口を開くのを躊躇っている様子のキョーコは、またしても自分のことを中心に話してしまうことを気にかけている。それを読み取った蓮は、話すよう促してみた。


“何があったの?”


「コーン。私…変わったでしょ?昔の面影が全くないくらい」


それは見た目だけの話ではない。見た瞬間にそうだと確信できたコーンと大違い…そう意味合いを含めてキョーコは呟く。


「私ね。コーンと出会ったころに持っていたもの、全部なくして…人としては失ってはいけない大切なモノまでなくしちゃったの」


幼い頃、王子様と思っていた相手は自分のことはお姫様とは思っていなかった。

夢見がちな自分はその事実を突きつけられて、心底相手を憎んで復讐を誓った事。

復讐の為に選んだ道で、失ったものが大切なものだと説く人や今まで出会ってこなかった友人を得た事。

演じることに興味を覚え、自分を作り上げていく芝居を愛し始めた事。


キョーコの口から語られる過去は以前耳にしたものと相違はなく、蓮は静かにキョーコの隣に腰を下ろして耳を傾ける。

南国の潮風に髪を揺らして昔を語るキョーコは、その時々の感情を思い出しては表情に浮かべながら言葉を切らさないが、どこか穏やかで復讐など忘れてしまっているかのような錯覚を蓮に与えた。

尚の事になると感情を顕わにし闘志を剥き出しにする印象のキョーコが、こんな穏やかな表情で過去を語るのに驚きも感じていた。


「…恋をするのは愚かしいこと。愛は破滅と絶望の序曲だって、その時信じて疑わなかった」


(…疑わな『かった』?)


復讐なんて愚かなことは忘れて、もっと自分のために生きればいいのにと、蓮自身も何度も思っていた。いくら復讐の意志よりも演技に邁進する気持ちが勝っていても、キョーコは愛を否定するラブミー部員だ。

だからこそ、キョーコが誰も男として愛さない、誰のものにもならないからと、蓮は告げられない自分の心を慰めているのだ。


それを過去形で語ったキョーコに、蓮の心中がざわめく。

手の中の小枝が力の入った拳にミシリと小さな悲鳴を上げたことに気が付いて、蓮は今すぐ問いただしたい気持ちを押さえつけた。


“今はちがうの?”


聞きたい、けれど聞きたくない回答だが、この機を逃せばキョーコの本音を探り当てることは今後難しいだろう。

演技力を高めているキョーコは、最近役が憑けば本人の気持ちを推し量ることが難しくなってきている上に、仕事上の先輩でしかない自分の前では後輩の仮面を被り本音を見せないことも多くなってきた気がする。


砂浜の文字を凝視するキョーコを、蓮はじっと見つめていた。

キョーコのどんな反応も見逃さないと目を凝らす蓮の前で、キョーコは寂しげに…でも凛とした強さと嫋やかな女性らしさを滲ませていた。

匂い立つような女性性に、蓮は息を呑む。


そして……自分の質問が是であることを理解した。


「認めたくなかったの。お伽噺みたいにキラキラして綺麗なモノばかりじゃなくて…。ドロドロして醜くって…」


自分の恋を認めるキョーコの発言に驚きと、苦しいほどに胸に渦巻く想いに蓮は眉を顰めるが、キョーコの発言に蓮は自分がキョーコに向ける気持ちをなぞっていた。


いっそ凶悪な程、嫉妬心によってコントロールを失った自分は大切にしたいキョーコすら傷つけようとしていたこと…。


それでも


「気持ちはどんどん勝手に大きくなって。恋なんて、やっぱり地獄に落ちる破滅と絶望の序曲なんだけど…どんなにひどい現実でも、すべては必然で…その人に出会うために必要なことで…」


キョーコの言葉は蓮の中に強く響く。


告げるつもりもなく、抑え込める自信をもって解き放ったキョーコへの恋心のきっかけ。

些細な温もりで更に手を伸ばしたくなること

抑制も効かずに行動してしまってみっともなく狼狽えたこと


そしてアメリカでの挫折と敦賀蓮として日本で生きる選択をしなければ、キョーコに出会えなかった事実。


「愚かで、醜くて、でも愛おしい…そんなこの気持ちから目を逸らしちゃいけない、演じることを通して自分を作っていく私には無駄な事じゃないんだって諭されて」


(確かに、この気持ちを知らなければ…俺は役者としてやってはいけなかった)


キョーコに対して持った恋の兆しを育ててみたからこそ出会うことができた新たな一面が無ければ、蓮はダークムーンの嘉月を降ろされることになっただろう。

キョーコの言葉は自分の事として、蓮の心に突き刺さる。


(似てるんだな…俺とこの子は)


だから惹かれて止まないし些細な事でも気にかかる。まるで自分の半身を眺めている様な…キョーコを求める気持ちがすんなりと蓮の中に腑に落ちてくる。


「だから、この気持ちは…私の中だけで育てるの」


遠く海を眺めていたキョーコの視線が、ゆっくりと蓮に向けられる。

淡く微笑むキョーコは美しく、冒しがたい神々しさを湛えているがその奥に揺れる悲しみの蒼はずっと消えない。


(…どうして)


どうして、この子はこんなにも悲しみの色を湛えているのだろう?

大切なモノを取り戻したはずなのに。


自分と同調してひしひしと伝わる切ない感情に、その恋心を向ける相手に向かう嫉妬よりもキョーコの辛さに蓮の意識は向く。


それは、どんなに想っても

どんなに伝えたくても

伝えることができない自分の恋心と同じ



“どうしてそんなに悲しそうなの?”



砂浜にえがいた呼びかけは、自分自身にも向けられる疑問なのに

そのことに蓮は気づかない。




~~~~~~~~~~


思いっきりシリアス路線…いや、ギャグ方向じゃないんだけどさ

あの流れに持って行けるのか!?大丈夫か自分!!!←某様のみにやりと嗤って蔑んでくださいませ。


そしてやっぱり描写が長いよ!!!想定の1話のがやっぱり2~3話

10/19発売の本誌ACT205の続き妄想です

ネタバレものなので、未読の方、コミックス派の方はバックプリーズ!!


本誌発売までに終わらせる自信皆無のレッツ見切り発車です!←懲りない・・・しかも多分長いヽ(;´Д`)ノ


今回の続き妄想に関しては別途お知らせがあります。読み進めの前にこちらを一読の上お願いいたします→ACT205妄想についてお知らせ
※お知らせを未読の状態でのご意見・質問(特にクレーム)に関しては厳しい反応を返すやもしれません。必ずご確認ください。


自己責任でご覧くださいませ↓










※作中、蓮さんは久遠スタイルのコーンであっても『蓮』と表記してあります。



━─━─━─━─━─



砂浜に描かえた文字は、確かにキョーコを知っている『その人物』を示す言葉で。


「…コーン……ッ!」


キョーコは顔をあげて、自分を覗き込む美しい妖精にかつて教えてもらった彼の名前で呼びかけた。


ACT205妄想【1】



満面の笑みで再会を喜ぶ彼女に


喜びと

後ろめたさと


ほんの少しの苦い思い



彼女の認識する先輩『敦賀蓮』として、こんなに曇りなく笑顔を向けられたのは最後いつだっただろうか?

ヒール兄妹として接している時間がいくら多かろうが、次第に完璧になり地をこぼすことも少なくなったセツカはキョーコであってキョーコでない。触れれば抱きしめ返してくれるくらい近いカインとセツカの距離に甘えて、ともに過ごす時間が大きな潤いになっていたのを蓮は否応なく別離の時間で思い知った。


セツカとしてカインに向ける愛情や触れ合いを自分に向けられていると錯覚して喜びを味わいつつ、これが演技なのだと思えば『自分に向けたモノではない』と苦さも舐める。

それは、『敦賀蓮』と『最上キョーコ』として会ったあの社長室でキョーコの反応でさらに思い知ることになる。

あの時、デッドブルーに染まって硬直したキョーコ。

『あの夜の出来事』はやはり清らガールには懺悔モノで、赤面では無い反応に男として意識されてないことを蓮は思い知らされた。

現実は容赦ない。


以前頬にキスをした時には一方では可哀想になるくらいあんなに嬉しい反応を示してくれた天然乙女は、役に入っていた時の行動はちゃんと割り切れる…役者としては超一流に成長しつつあるようだ。


目が合った瞬間にカラーが異なっていても、カイン・ヒールの時に一発で見破られたようにすぐさま『敦賀蓮』であることを見抜かれてしまうと蓮は危惧した。

しかし、キョーコは本当にビックリ箱の様な人間だった。

予想とは全く別の方向の気づきを得てしまったキョーコに、蓮はとっさに他人を装う判断を下した。

言葉も通じない外国人で、赤の他人ならあんな風に怪訝な目で見られて無視されても仕方ないだろうと思わずそんな対応を取ってはみたものの…

良心が咎めチラリと背後を伺ってしまったのが運のつきだった。


(…本当に俺はこの子に弱い。これが惚れた弱みだろうか…?)


落ち込んだ背中を目にしてしまえばそのまま立ち去るなんてできなくて、蓮はキョーコの元に舞い戻ってしまった。

どんな設定でキョーコに話しかけるべきか考える余裕は蓮にはなかった。かつての呼び名で呼ばれたから、蓮は自然とあの夏の日に出会った『コーン』として愛しい少女の前に立っていた。


拾った流木の小枝で、砂浜に文字を描く。

小枝の動きを見つめていたキョーコが、描き出す文字を認識するに従い不安げだった表情が晴れていく。名前を記して呼びかければ、目の前の人物が妖精界の王子であることに確信を持ったキョーコは一気に華やぐ笑顔になった。


「…っ、コーンっ、…コーン…!」


細められた瞳が潤んで、頬が紅潮し涙交じりになって繰り返されるキョーコしか呼ばない遠い日の名前。

こんな表情のキョーコを蓮は知らない。

思わず抱きしめたくなる衝動を、海水でびしょ濡れの状態では悪いから…と思いとどまる。泣き顔を隠すようにまた下を向いてきゅっと目を瞑りあふれる涙を自分の手で拭う仕草に、思わず手だけ延ばして指先でその涙を拭いとった。


この涙はうれし涙。

指先を濡らす雫はあたたかで、きっと甘いのだろう。


「……会えて嬉しい…っ、もう…会えないって…言ってたから」


その言葉に、蓮の脳裏に幼いころの別れ際の気持ちが蘇る。

もう会えない?と涙をためて問いかけた幼い日の少女が…


「最初はコーンのこと、人魚かと思ったの」


(人魚って…)


独り言のように零れるキョーコの言葉に苦笑する。

普通人魚と言えば女の人魚を想像するんじゃないだろうか?


「こんなに綺麗な、人魚姫が息衝く奇跡の海だから…妖精のコーンがいてもおかしくないのね。良かったぁ…ここに来て」


幻想的に美しいこの海に、キョーコのメルヘンな思考はぴったりとはまってしまうんだろう。

メルヘン乙女程じゃなくても着の身着のまま海で戯れていた蓮も、十分この海の美しさに魅せられている。


(…やっぱりまだ信じているんだ…)


…そして何よりも、今ここにいる久遠スタイルの蓮はやっぱり『妖精』と認識されているようだ。


ダークムーンのロケの時、こらえ切れず噴き出した蓮に『ホントに居るんだから!』とムキになっていたキョーコを思い出す。思わず零れてしまった笑みは、目元を隠して下を向くキョーコには見つからなかったようだ。

服が濡れてしまわないように注意しながら、蓮は乾いた手のひらだけでキョーコの肩をさすった。小さくしゃくりあげるように震えていた肩の動きがおさまり感極まってこぼれた涙が落ち着く頃、キョーコは赤くなった目元も隠さず蓮を見上げた。


潤んだ赤い目元の上目遣いは凶悪に可愛らしく、蓮の心臓のど真ん中を射抜いてきた。


「……私、ずっとコーンに……謝りたかったの」


(……え…?)


ドキリと、別の意味で鼓動が跳ねる。再会を喜んでくれた彼女の口から出た謝罪の言葉に、蓮の表情は戸惑ったものになってた。

キョーコはちょっと躊躇いの表情で眉を下げたが、意を決したように口を開いた。


「私ね…。コーンにたくさんたくさん話を聞いて貰って、辛かった気持ちを救ってもらったのに…私、あんな辛そうな顔をして『飛べない』って言ってたコーンの気持ち…全然気づいてなかった」


それは以前、キョーコの口から蓮が聞いた言葉。


「ごめんね、ごめんね、コーン。後で気が付いて、ずっと後悔していたの」


キョーコはごそごそとポケットを探り、見覚えのある小さながまぐちを取り出した。ぱちりと手の中で開かれたがまぐちからころりと青い原石が転がり出た。


(あ……)


キョーコが取り出したのは『コーン』だけだったが、そのがまぐちの奥にきらりと控えめに光を反射したピンクの雫を蓮は見つけていた。

それはかつて薔薇に仕込んで贈った『爆弾』。

未だそれに気づかないキョーコはプリンセス・ローザと名付けてた。キョーコが持ち歩き、『コーン』と同じくらい大切にしてくれていることが分かって蓮の口元が緩む。


「コーンがくれたこの石…もうコーンに会えないから『コーン』って名づけたの。たくさんたくさん、私の悲しみを吸い取ってくれた。でも、私の悲しみなんてちっぽけなくらい、この子はコーンの悲しみを吸収してたのね…。コーンを魔界人に触られたときにそんなことを言われて…アイツの言うことなんて信じないって思ったけど、コーンが昔辛そうな顔をしてたこと…思い出して…」


じっと手の中のコーンを見つめてそう語りだしたキョーコは、ゆっくりと顔をあげて蓮を見ると手のひらをそっと差し出した。


「ごめんなさい、コーン。私、ずっと自分の事ばっかりだった。そして、こんな大切なものを…預けてくれてありがとう。もう私は大丈夫だから…コーンに返すね。大切な石だったんでしょ?」


蓮に向かって差し出された青い石。

南国の日差しを受けてキョーコの手の中でその表情を揺らめかせる原石は、かつての2人を確かに繋ぐもの。

それがキョーコの手元から無くなってしまうのは、その過去すらなくなってしまうようで蓮は受け取る気になれなかった。


(それに俺は『コレ』に頼らなくてももっと確かな魔法を手に入れている――)


蓮は手にした小枝をまた砂浜の上に滑らせた。


“ちゃんと大人になって飛べるから、もう大丈夫”


手元が動くのに合わせて文字を記す砂浜を見ていたキョーコの表情がぱぁっと明るくなった。振り返って視線を合わせたキョーコを安心させるように蓮は微笑んで、さらに手を動かす。さりさりと砂を掻く軽い音が波の音に混じる。


“キョーコちゃんは、もう悲しい思いはしない?”


まだ辛い思いをすることがあって、この石がキョーコの助けになるのなら…素の自分と彼女を繋ぐこの石はこの子に持っていてもらいたい。


(正体を晒せずにいる俺の傲慢かもしれないけれど…)


きっとこの先も、役者として成長を続けるキョーコには乗り越えるべき試練はたくさん出てくるだろう。その時に彼女の助けになるのなら…先輩である俳優敦賀蓮としてもできるかぎりの支援はしてあげたいと思うが、なかなか甘えてくれない出来のいい後輩は簡単に自分を頼ったりはしないのだろう。


『この先、キョーコちゃんの助けになるなら持ってて』と書こうとして、蓮はふとの書いた文字を凝視して止まってしまったキョーコに気が付いた。


その表情は、何故かとても思いつめて切なそうな表情で…


(最上さん…?)


思わず覗きこめば泣き出しそうに揺れる瞳を見つけてしまった。


視線が繋がり、見つめられていることに気が付いたキョーコは『何でもない』とまた目元を隠そうとしたが、苦しそうに歪んで涙が滲みそうそうになっている表情を見て、蓮は何でもないなんて言わせることはできなかった。


さっきとは違う、悲しくて苦しい涙の気配。


自分を見つめる視線を遮ろうとしたキョーコの手を掴んで、視線だけで問いかける。

隠すことのできなくなったこげ茶の瞳は戸惑うように視線を彷徨わせたが、ついに決壊するように悲しい色を溢れさせていた。


ただいま10/19発売本誌最新号の続き妄想をカタカタ中です。

今回はさすがに色々思うところがあるので、アップ前にこのようなお知らせを出させていただきます。


書こうか迷った…ちと展開的にはマズイ妄想につき途中は多分限定でございますwしかも読まないと流れ分からない…かも??しかも1話じゃ無理~だった…


某所で書こうかどうしようか迷って叫んだ私の愚痴を聞いて下さったみなさま、その節は大変失礼いたしました。お詫び申し上げます。


それと今回の続き妄想…被りはかなり必発です。(続き妄想のジャンルでは発生頻度は高くなるのは必然なんですけど)

水面下で私がACT205妄想を書きはじめた時点で、先に続き妄想をアップされていて部分的に被りが発生していた作家様には既に連絡を差し上げ、被り発生部分について相談させていただきました。

(その後に続々アップされるACT205続き妄想は意図的に読まないようにしています。・・・読みたいんだけど、読むと自分のが書けない&さらに被りを目にしそうで怖い)

今後も私が未読の各サイト様の続き妄想と、当ブログの続き妄想が部分的に被るところはたくさん出てくる・既に存在するかと思います。

当ブログで今後ACT205続き妄想をアップするにあたり、読者様側で他のサイトで見た作品と比較して疑問に思うことがありましたら、該当作品アップされている作家様宛ではないく当ブログにメッセージ等でお知らせくださいませ。

後手ですが、私自身先方に失礼にならないようにご挨拶に伺いたい希望があります。


そして、今回は大筋書きあがってからアップにしようと思ってましたが、時間経過を経るごとに被りの発生はどんどん増えそうだし、後手に回ると自分が読んだり書いたりするのに支障が出そうなので見切り発車いたします。←出たよー…


続き妄想としては次の本誌発売までにカタをつけたい所ですが、今回は厳しいと思います。

よって、途中で止まったり…ヘタすると完結まで持っていく自信も薄い…見に来てくれる方にはとっても不親切なモノになるかもしれません。


それでも良い方のみ、見ていただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

アップ開始は近日中を予定しております。


霜月さうら 拝




勢い余って恥を晒してみました。

さすがにトップにはる勇気はないので過去日付でアップしてあるのですが、イラスト未満の落書き嘘っこメイキング?なるものを過去記事にアップしてあります。


いつも楽しませていただいている絵師さん方、興味があるかどうかわかりませんがお礼にもならないお目汚しですが過去記事に埋もれてますので興味があれば、目が腐る覚悟をもって覗いてみてくださいませ。


リンクは張りません。

興味のある方のみ、カテゴリーのイラスト倉庫の中よりお探しください。

イラスト倉庫はアメンバー限定にしてありますが、今回の記事は通常公開なのでどなたも見れるはず……

えっと、本誌発売その日にどうやらカウンター10万ヒット回っていた様子です。

気づくの遅いよ、自分!!!


皆さまこんな駄文と愚痴満載のブログに足を運んでいただいてありがとうございます!

(おもに本誌感想で沢山カウンターが回っていますが…)


せっかくの記念数字なのにリクも何も用意してなくてスイマセン~~!

何せスランプの海に深く潜っておりまして…。

妄想はするけど書く方向に全く手が動かず、誰かネタ提供するからかわりに書いてくれ!な状態なのです。


そしてピグやらなんやらでそこかしこで小出しに喋るだけしゃべるというひどい状態。

それ聞かされた方はいい迷惑ですよねぇ・・・。すみません。

文章でカタカタできない分、どこかで喋って発散中w


こんな状態でリクは妄想スイッチ押してくれるかもしれませんが、うまくスイッチが働かないと悶絶の地獄を見る事が目に見えているのでリクエスト受付なんてとっても怖くてできません!

先日いつのだよ…という状態の22222ヒットのリクを完結させたばかりですしねぇ・・・。

(あ、すでにリクエスト権利お持ちでまだリクされてない方はちゃんと受け付けますよー、過去にお約束したのは時間がかかっても頑張ります!)



現在自分の脳内にグルグルしているお話は計3~4本。

改訂中・・・と言いつつ引き下げてからまだ何も作業が進んでない(←白状)mondlandshaft含む。


しかもどれも中~長編コース&絶賛桃脳期間に入ってるみたいでどれも限定コースという・・・

・・・し、死にそうだ(;´Д`)


どれが先に上がるかはわかりませんが、ひとまずちょっくら1話完結じゃ無理なACT205妄想を頑張るべかとは思っております。続き妄想は賞味期限がありますしね…。上がるならそれが一番早いかも?

今回の本誌、そっちー!!??と敦賀さんスケール故障中のキョコさん(絶対視感よりコーンの身体特徴の合致とメルヘン思考が勝った様子…)に続き妄想が何パターンか脳内にキノコのように生えてきております。このきのこ、絶対毒キノコだよなぁ。(本誌感想の最後にちろりと書いたのは短編コースだけどオチが決まってないのよ…)


書く可能性が一番高い続き妄想…限定が入ること確定なのですが、コレ話題限定避けて話を繋げるのが無理くさいんでいっそ全部限定にしようか考えてます。でもなぁ…なんかここまで来ると原作の蓮キョを離れた性格っぽいとこがたくさん出てきてダメくさいんだよなぁ・・・・とただ今絶賛書こうかどうかの根本も悩み中。


今までの手痛い失敗をもとに書きあがってからアップにすべきと強く思ってますが、それをすると来月の本誌発売に間に合わずやる気を削がれるし、見切り発車するといつもの二の舞でしかも期限が限られてるのでもっと悶絶コースですよね…。本誌の続き読んじゃうと前回からの続き妄想がぶれちゃうので。

ううう、ACT196妄想の二の舞はいやだよぅ。

アレは二次始めたばっかりで勢いのあるころだったからできた芸当であって今の私には無理だようぅ・・・。


とまあ、結局いつもの泣き言ブログなのですが、記事がなかなか上がらなくても常にスキビの蓮キョ妄想はしてますよー(脳内のみでw)という言い訳です。

上がらなかったらタイムアップ又は力尽きたか…と生ぬるい目で見てやってください。



あ、そうそう。

やっぱ本誌感想書いた直後はアメンバー申請がちょろちょろ来るのですが、メッセ無は論外ですよー。

しかもうちはメッセと申請のタイムラグ3時間と不親切なのでそこんとこよろしくお願いします。

って、不備申請する人はこう行った戯言ブログ読まないから意味ないかもしれませんが…。