五十 | 激流五鱗書+

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我釣りにおいて後悔をせず

五十の海人
 
その昔、
御五神がホームだった頃に
お世話になっていた渡船
「菊地渡船」
そこのおばちゃんに私は
「50の海人さん」と
呼ばれていた。
 
それは
年齢ではなく、
度々50㎝のグレを
釣って帰るからと
付けて頂けた
喜ばしいあだ名だった。
 
そんな思い出もあり、
今でも狙いは
あくまで50㎝の
グレのみとしている。
 
好きだった渡船の廃業で
ホームこそ変われど
グレ釣りは止められない。
 
日振島へ
 
午前6時
出港
本日もお世話になります。

降りたのは
横島のキマグレ
ここが本日の舞台となる。
御五神に郷愁を覚え
いざ勝負
 
本日は干潮からの
満ち上がりの潮
潮はすでに満ち返し
緩く優しく
左へと流れていた。
 
まずは手前の潮からと、
潮筋の内側へ
仕掛けを馴染ませる。
 
ウキが消し込まれた。
 
竿を叩く魚
サンノジ
 
餌取りも多く
魚の活性は良い。
 
本命を期待する。
 
今度は少し遠投し
潮筋の沖側に
仕掛けを置いた。
 
ウキの頭が
少しだけ押さえられ
40クラス
本命は渋いようだ。
 
それでも嬉しい。
 
アタリが遠のく
 
この魚が沸いたからだ。
宇和海でも
臭いは同じだった。
 
その大群は
残り香を置き土産に
西へと消え去った。
 
少し休憩をし
釣りを再開した。
 
目では見えない
あの潮を
心で探し見付け出し
仕掛けは
静かに馴染ませる。
 
微かにウキが沈む。
居てくれた。
たぶん最初から。
会うのが少し遅いだけ。
この一枚の為に
毎週毎週
遠い日振島に
来ているのだから。
 
これで納得
 
あとは美味しい
おかず釣り
カワハギ
石鯛
 
午後2時丁度
竿を仕舞った。
 
持ち帰りは
クチブト50~40㎝
カワハギ、石鯛、
贅沢三種を少しだけ。
 
午後2時30分
迎えが来た。
本日もお世話になりました。

今シーズンも
50に会えた事に感謝する。