朝の車窓から見える風景が好きです。
失敗のない一日の始まり。
「大丈夫。」
そんな予感が漂う寝起きの街が好きです。
まだかき混ぜられていない冷たい空気と、排気ガスをかぶっていない道。
先ほどシャワーを浴びたばかりで、シャンプーの匂いが微かに残る髪の毛と、喧騒に埋れていない鼓膜。
このまま汚さないで過ごしたいなぁ。
本当はね。
私がいるのはイライラやぎすぎすが一杯になった満員電車の中。
つい自分にも殺伐が伝染してしまいそうになるんです。
でもキース・ジャレットが窓の外に連れ出してくれて、穏やかな気持ちと、となりに立っている白髪の人生の先輩に気付かせてくれて、自然に身体が座席を空けるんです。
そして有楽町に着く頃には、
よぉし、ぱん!
と、両方のほっぺたを叩かせてくれるんですよね。