複雑なのは、いくつかの流れが交差してきているからだ。
まだまだ続きがあって終わらない予感がする。
続きには何があるのだろうか──。
読み終えて、そんな思いが静かに残った。
本作は、まるで“巨大なプロローグ”のような構造をしている。
過去の事件のような大事件はまだ起きてはいない。
けれど、登場人物たちの動きが少しずつ交わり、
次に大爆発することを予感させる終わり方だった。
歌舞伎町セブン、NWOの新旧対立、東弘樹警部補の孤立、
そして伊崎基子の影。
それぞれが別々に動いているようでいて、
どこかで必ずつながる気配があるようだった。
最後の場面で、陣内陽一が東刑事を助ける。
「また俺を、助けてくれたのか。」
その一言が、次巻への扉をそっと開いた。
気づけば、続きが読みたくなる仕組みに
まんまと嵌められていた。
■目次
第1章から5章、終章
■著者等紹介
誉田哲也さん
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞
