荻原博子さんは、定年を迎えた60歳以降の人には「リスクのある投資は基本的にすすめない」と明言するなど、生活者の立場に寄り添った率直な語り口が印象的でした。庶民の肩を持つ味方のような姿勢で、お金とのつき合い方を具体的に示してくれます。
お金はあくまで道具であり、その扱い方が生活を左右する。
――本書には、老後を不安におびえるのではなく、賢く稼ぎ、守り、そして何のために使うのかを考えるための知恵が詰まっていました。
人生の先を歩く先輩たちの言葉に触れていると、老年期の時間をどう受け止め、どう過ごしていくかが大切だと気づかされます。
もし人生が100年あるとすれば、50代はまだ折り返し地点。前半で培った知恵や経験という武器を磨き、本当にやりたかったこと、心を満たすことに向かって全力を注げる時間がこれからやってくると思えば、後半戦が楽しみにさえ感じられます。
幸せな老年期を迎えられるかどうかは、人任せではなく、今この時の心がけにかかっています。会社や組織から離れても、一人の人間として自立して生きていく力を身につけることが、これからの時代を生き抜くために欠かせないと強く感じました。
✨幸福に生きるためのヒント
・やりたいことを選ぶ(97P)
周囲がどう言おうと、自分がずっと挑戦したかった道を選ぶ人生こそ幸せにつながる。
・「いい人生だった」と思える時間を大切にする
人はいつか必ず終わりを迎える。好きなことに没頭する時間を持つことが理想。投資が生きがいでないなら、無理に投資する必要はない。
・自然と触れ合うことで心が整う
年齢を重ねると、海釣りなど自然との時間が心を落ち着かせてくれる。自然は思いどおりにならなくても腹が立たない存在であり、悩みごとも大きな自然に包まれるとちっぽけに思える。自分ではどうにもならない大きな存在に身を任せることは、心の休息になる。
✨目次
まえがき
第1章 定年廃人にならないために
第2章 50代からやるべきスキルの棚卸し
第3章 定年後に活きる「稼ぐ力」の鍛え方
第4章 定年後の生活を守る「資産戦略」
第5章 定年後を健康で自由に生きるライフデザイン
第6章 定年達人になるための20のヒント
✨著者紹介
荻原博子さん
1954年長野県生まれ。明治大学文学部卒業後、経済事務所勤務を経て独立し、経済ジャーナリストとして活動。家計経済の第一人者として、生活者の視点からお金の仕組みをわかりやすく解説している。
