お医者さんの立場や専門によって考え方が異なるのは当然だと思う。
最終的には、世間の常識や誰かの意見ではなく、「自分はどう生きていきたいのか」という感覚と判断に委ねられるのだと感じた。
6千人以上の高齢者を診てきた著者は、医学的に見ても 65歳を過ぎたら小太り(ちょいデブ)の方が長生きし、元気で、認知機能も落ちにくい と述べる。
「痩せている方が健康」というイメージは、アメリカの状況をそのまま日本に持ち込んだ“刷り込み”であり、脂肪は病気や転倒などのリスクから身を守る役割も果たしているという。
真に恐れるべきは「肥満」ではなく「やせ(低栄養)」
最も死亡率が高かったのは BMI18.5未満のやせの人
40〜50代の働き盛りとは異なり、高齢期には別のBMI指標や体型の考え方があるという指摘は、感覚的にも腑に落ちた。
がん細胞と闘う免疫力を維持するには十分な栄養が必要であり、コレステロール値が低い人ほどがんになりやすく寿命も短いという。
本来は健康な「小太り」であるはずの人が、誤った指導で無理に痩せさせられ、免疫力を落としてしまう実情もあるという。
■長生きする「ちょいデブ」の特徴
・栄養が体の隅々まで行き渡り、肌に張りがあり皺が目立たない。髪にも艶がある。
・「食べたい」「行きたい」という素直な欲求に従って生きているため、ストレスが少なく機嫌がよい。
例として、身長170cmなら 78kgでBMI約27。
目指す範囲は BMI25〜30(身長170cmなら72〜85kg) とされる。
■ためになった点・気になった点
・噛むことは全身のバランス能力と直結し、転倒予防につながる。
さらに、膵液に含まれるペルオキシダーゼという酵素が食品の発がん性を消す働きを持ち、がん予防にも関係する。
・食べることへの興味を失ったとき、人は老いていく。
「食べたい」という気持ちは、そのまま「生きたい」という意欲につながる。
・無理して友人を作るより、没頭できる趣味がある方が健全。
勝ち負けにこだわりすぎず、3割は相手に価値を譲るくらいがちょうどよい。
意識して脳に新しい刺激を与えることで、心の老化を防げる。
目次
はじめに 「健康」のために命を縮めるのは、もうやめましょう
第1章 「ちょいデブ」が65歳からの健康常識
第2章 シニアの“やせ”は老化を加速させる
第3章 医学的に見た“ちょいデブ”の力
第4章 無理なく“ちょいデブ体型”を守る方法
第5章 食べる喜びが寿命を延ばす
第6章 65歳からの気持ちと身の回りの整理術
おわりに あなたの人生の主治医は、あなた自身です
著者等紹介
和田秀樹さん
1960年大阪府生まれ。精神科医。
東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、立命館大学生命科学部特任教授。
