日本には、市外局番、ナンバープレート、旧国名、海上の境界線など、さまざまな「区分け」が存在します。
本書では、歴史・生活・社会・政治・自然・文化・スポーツといった幅広い領域から、日本列島のどこに境界線が引かれ、なぜそのように線引きされてきたのかを丁寧に解説しています。
地域性や多様性、そして積み重ねられてきた歴史の厚みを感じられる内容でした。
旅先でテレビのチャンネル操作に迷った経験があります。
NHK総合は地域によって1と3、NHK Eテレは全国で2。
民放も地域差が大きく、
日本テレビ系列は4・10・1・5・7、
フジテレビ系列は8・1・3、
テレビ朝日系列は5・6・1、
TBS系列は6・4・3・1・5……と、同じ系列でも番号が統一されていません。
こうした違いも「区分け」の一例として興味深く感じました。
印象に残った点をいくつか挙げます。
・日本には未確定の県境が全国で17か所あり、いずれも山岳地帯や河川・湖沼などの非居住地に存在する。
・タクシーの初乗り料金には地域差があり、千葉県の500円から北九州の860円まで幅がある。
・海上保安庁、高等裁判所、林野庁、管区警察局、地方整備局などの官公庁は、それぞれ独自の地域区分を用いて業務を行っている。一般的な区分と一致する場合もあれば、業務の特殊性を反映した独自区分もあり、背景にはそれぞれの歴史がある。
・みそやだし、角餅と丸餅、お中元の時期、方言など、食文化や慣習にも地域差が見られる。
日常的に使う言葉が地域によって異なるのも面白いところです。調査結果として知っておくと、ちょっとした話題にもなりそうです。
・いる(居る)……イル、オル、アル
・いえ(家屋)……イエ、ウチ、ヤー
・すてる(捨てる)……ナゲル、ステル、ウッチャル、ブチャル、ホウル、ホル
・しもやけ(凍傷)……シモヤケ、ユキヤケ
日本の「区分け」は、単なる線引きではなく、地域の暮らしや文化、歴史の積み重ねが形になったものだと改めて感じました。
目次
歴史
生活
社会
政治
自然
文化・スポーツ
番外編
【No2074】47都道府県だけじゃない 日本の分け方 様々な“境界線”から日本の「今」が見えてくる! 成美堂出版(2026/03)
