「賢者は歴史に学ぶ」という言葉には深くうなずかされる。
昭和は激動の時代であり、日本人はその荒波を力強く生き抜いてきた。昭和百年を迎える今、当時の出来事を「経済」の視点から通史として読み解くことで、令和の日本が学ぶべきことが浮かび上がってくる。
円高、貿易摩擦、財政・金融政策など、現代にも通じる課題は多い。特に、過去に失敗した事例から「同じ轍を踏まないために何を学ぶか」という姿勢が重要だと感じた。
恐慌やバブルは形を変えて繰り返し訪れる。だからこそ、「どのような原因で発生し、その時の人々がどう対応したのか」を知ることが、未来への備えになる。
本書は、日本経済の復活に向けて、昭和の経験を経済の視点から振り返り、令和への提言を行っている。
その中でも印象的だったのが「新ジャポニズム」という概念である。
新ジャポニズムと令和の日本
(20ページ、261ページより)
インバウンドの増加に象徴されるように、世界から日本への注目が高まっている。日本のモノづくり技術への再評価に加え、アニメ、文化、安全でおいしい食、自然や歴史、コンビニの「かわいい」文化、そしておもてなしや礼儀・マナー、丁寧できめ細かいサービスなど、ソフト面でも日本の魅力が広く認識されている。
いわば「日本ブーム」と呼べる現象であり、幅広い経済効果を生んでいる。
ハード(製品の品質・技術力)とソフト(文化・サービス)の両面で日本人気が高まっていることが、令和の日本経済復活の原動力になるという指摘は、確かに説得力がある。
目次
序章 激動の昭和から学ぶ
第一章 恐慌で始まった昭和
第二章 戦争の時代
第三章 戦後復興―「奇跡の復活」
第四章 高度経済成長―元気だったあの頃
第五章 高度成長の終焉―試練の時代
第六章 バブルへの道
終章 令和の日本経済復活に向けて
参考文献
著者紹介
岡田晃さん
1947年大阪市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本経済新聞社を経てテレビ東京へ。米国現地法人社長、理事・解説委員長などを歴任し、経済番組キャスターとしても活躍。退職後は大阪経済大学で教授職を務め、現在は特命教授。経済評論家として幅広く発信している。
