選挙で投票先を選ぶ際には、できるだけ多様な意見に触れたいと私は思う。
そして、可能であれば自分で情報を集め、自分の頭で整理し、最終的な判断を自分自身で下したいと願っている。
近年、有権者が候補者の意見や情報を得る手段として、SNSの重要性が一段と増してきた。
特に、候補者への誹謗中傷やデマが拡散した2024年の兵庫県知事選挙や東京都知事選の頃から、その影響力の大きさがより明確になったと感じている。
SNSやネット掲示板では、情報や偽情報が連鎖的に広がる事例が少なくない。
その典型として、似た傾向の投稿ばかりが反響し、異なる意見が排除されていく「エコチェンバー現象」が挙げられる。
自分の好む情報や価値観だけに囲まれていると、異なる視点が見えにくくなる。
「自分の意見が正しく、他の人が間違っている」という認識が強化されてしまう。
さらに、検索機能やSNSのおすすめ機能によって、ユーザーが自分と似た情報ばかりに触れる「フィルターバブル」という状態も生まれる。
こうした現象に陥りやすいネット環境だからこそ、
選挙に関するリテラシーを一人ひとりが身につけることの必要性と健全性が、ますます重要になっているのではないかと感じている。
■ 目次
はじめに 2025年の都議選と参院選
第1章 2024年の選挙シーンを席巻したSNSの台頭
第2章 2024年の兵庫県知事選で広がった闇
第3章 「選挙の神様」藤川晋之助
第4章 「ネット選挙」黎明期と公職選挙法
第5章 偽・誤情報を選挙から排除するには
第6章 間違いだらけのネット戦略からAI活用へ
おわりに
■ 著者紹介
髙橋茂さん
ソーシャル・コーディネーター/ネット選挙コンサルタント。
株式会社VoiceJapan、株式会社世論社代表取締役。「選挙ドットコム」顧問。
1960年長野県上田市生まれ。
2000年の長野県知事選で、ネットを駆使して田中康夫氏を当選に導いたことを契機に、政治家のネット活用を支援する会社を創業。
2006年、選挙データベースサイト「ザ・選挙」を立ち上げる。
【No2048】「AI議員」が誕生する日 SNS選挙が政治を変える 髙橋 茂 集英社(2025/12)
