医療従事者にとっては当たり前でも、一般の人にはあまり知られていないことが多い。だからこそ、私はその「知られていないこと」を知っておきたいと思った。
本書では、老いていくプロセス、介護保険の仕組みと現場の実情、終末期医療や緩和ケア、死の事前準備や終活、延命治療の判断、自分らしい最期を迎えるためのポイントなどが、看護師の視点から率直に語られている。
人生の終わり方を考えるためには、死に至るまでの過程を知ることが欠かせない。
老いは誰にでも訪れ、最期はすべての人に平等にやってくる。社会的地位や資産の有無が大きな助けになるわけではない。むしろ、老いや死に向けて準備し、日々の暮らしの中で小さな努力を積み重ねている人ほど、よりよく生きていけるのだと感じた。
本書が示す「自分らしい最期」を迎えるための姿勢は、以下のような日常の習慣に宿るという。
自分の意見を言葉にできること。
他者と建設的に対話できること。
価値観を持ち、それを表現できること。
やりたいことや大切なことに優先順位をつけられること。
QOLを保ち、セルフケアを楽しめること。
自立した生活を続けられること。
そして、正しさよりも「自分らしさ」を最期まで大切にできること。
✦ 目次
はじめに
第1章 老いていく、そのプロセスとは?
第2章 老いのプロセスを経て、起こりうること
第3章 介護保険の仕組みと実情
第4章 終末期医療と緩和ケア
第5章 死の事前準備と終活の話
第6章 延命治療とDNAR(積極的な延命治療を差し控える)の実情
第7章 死にゆくパターンと実際の経過
第8章 死の確認とエンゼルケア
第9章 死のケアと周辺の話
第10章 自分らしい最期を迎えるためのポイント4つ
第11章 正しい人生ではなく、自分らしい人生を
おわりに
✦ 著者紹介
高島亜沙美さん
1987年神奈川県生まれ。看護師・保健師。
2010年 東邦大学医学部看護学科(現:看護学部)卒業後、同大学病院に勤務。
2016年に退職し、現在は都内の病院に勤務しながら、noteやSNSで発信を続けている。
近年は日本の近代史や女性の権利にも関心を寄せる。本書が初の単著。
西智弘さん
川崎市立井田病院 腫瘍内科部長。一般社団法人プラスケア代表理事。
2005年 北海道大学卒。家庭医療・総合内科・緩和ケア・腫瘍内科を経て、2012年より現職。
抗がん剤治療のほか、緩和ケアチームや在宅診療にも携わる。
2017年に一般社団法人プラスケアを立ち上げ、「暮らしの保健室」「社会的処方研究所」など地域活動を展開。日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医。
【No2036】人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス 高島亜沙美 西智弘 KADOKAWA(2026/01)
