【No2019】分水 隠蔽捜査11 今野 敏 新潮社(2026/01) 竜崎シリーズは、今回も安定した読みごたえと面白さがあった。 鎌倉署管内で発生した、大物政治家宅での不審火と、それに絡む殺人事件が物語の中心となる。政治家、警務部長、県警本部長など、官僚組織の階級や立場によって形づくられる思考や行動が丁寧に描かれ、各人物の性格や人間性が自然と滲み出ていた。 本作の見どころは、政治家や警察上層部とのせめぎ合いである。どの相手にも一歩も引かず、理をもって対峙する竜崎刑事部長の姿が印象的だった。