堂場瞬一の犯罪小説。
今回は、彼にとって少し異色に感じられる短編集だった。
罪がちりばめられていた。
最後に収められた「消えない目」が強く印象に残った。
けっして命の危険が迫るわけではない。
ただ、いつ終わるとも知れない監視の視線を、一生涯浴び続けることになる。
その想像だけで胸が押しつぶされるような重苦しさが広がる。
読者もまた、気が滅入るほどの真剣さに引き込まれていく。
これこそ、恐ろしい復讐の形だと思った。
そして物語は、読後の余韻を楽しむべきかのように、読者の想像を広げられる余白を残して終わっていった。
収録作品
• 褒められた男
• ある後悔
• バイアス
• 暗い復讐
• 連鎖反応
• 家業
• 推さない
• コンビ
• 神の手
• 再起の日
• 逆襲
• 消えない目
著者プロフィール
堂場瞬一さん
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で小説すばる新人賞を受賞。
警察小説、スポーツ小説など幅広いジャンルで活躍し、多彩な作品を世に送り出している。
