65P「自分のキャリアは、誰かと比較するものでもないですし、他人から評価してもらうものでもない。キャリアが成功したかどうかの正解は、自分の中にしかありません」
キャリアとは、馬車が通った後にできる「轍」を意味する。転じて、人が辿る軌跡や経歴を意味するものだった。
これは、キャリアデザインの基本的な考え方がわかる良書だ。
安定した時代からVUCAの時代、戦争やパンデミックありの激動と混迷のなか、メンバーシップ型からジョブ型へ移行中か、地位や名誉、お金などの外発的報酬から、やりがいや生きがいなどの内発的動機へと、以前のような組織主導のワークキャリアから、仕事以外の家庭、地域、余暇などを含む自立したライフキャリアへとシフトしているところ。
まずは、自分の興味・関心・価値観などの自分のキャリア・アンカーを理解しキャリア理論の考えを参考にしながら、これまでの自分の足跡をふり返って自分というものは何者なのか考え自己理解を深めていくのだ。
キャリアデザインはとても大切だ。
これからは、100年時代を見据えて自ら主体的に考え行動する、自律した未来の自分につながる将来の展望をもって前に進んでいけることができればよいかと思う。
ぼくは、やらないで後悔をするのならばあきらめしにくくなってしまうのではないかと、やってその結果が上手くいかなく後悔したほうが、あとであきらめもつきやすいのではないかと思うのだ。
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自分の選択が間違っていた、正解は別にあったのに、と考えてしまうかもしれません。重要なことは、その選択を主体的・自律的に行っていたかという点ではないでしょうか。主体的・自律的な選択であれば、たとえそれが思い通りの結果にならなかったとしても、その結果をどこかで受け入れることができるはずです。
<目次>
はじめに
第1章 キャリアって何ですか?
第2章 「見通せるキャリア」の時代
第3章 「見通せないキャリア」の時代へ
第4章 キャリアはだれのもの?
第5章 不確実な時代のキャリアの創り方
終章 過去は変えられる、正解は自分の中に
武石恵美子さん
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達科学博士後期課程修了、博士(社会科学)。1982年労働省、1992年(株)ニッセイ基礎研究所、2003年東京大学社会科学研究所助教授等を経て、2007年法政大学キャリアデザイン学部教授。専門は人的資源管理論、女性労働論、昨今の研究分野はダイバーシティ経営やキャリア開発など
【No1820】「キャリアデザイン」って、どういうこと? 過去は変えられる、正解は自分の中に 武石恵美子 岩波書店(2024/11)
