【No1673】成瀬は天下を取りにいく 宮島未奈 新潮社(2023/03) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

続編の「成瀬は信じた道をいく」を先に読んでいたので、また成瀬あかりに会いたかった。

成瀬は、他の女の子とは違って断定的な物言いをする。しゃべることばと書き言葉には彼女らしい特徴がある。頭を坊主にしてくるなど彼女の普段の行動は他の人よりはっきりと目立っている。突拍子もないことを真面目に考えて、それが天然であり冷静であり胸に秘める熱量がものすごくて応援したくなる。一度近づいてみたら彼女に目が奪われてしまう。

「レッツゴーミシガン」の西浦航一郎君のように目についたら気になって仕方がない存在になるだろう。

 

「西武大津店の営業終了まで毎日通う」という目標を立ててもそれっきりにせずに、すぐ行動するところが好きになる。

祖母のためにも挑戦し続けた成瀬。

いつか大津にデパートを建てる成瀬の目標が叶うような気がしてしまった。

 

世の中には思っていてもやらないとか、思っていてもやれない人がいるのにもかかわらず。挑戦はできるようでなかなかできないものだ。

小さい目標の達成の積み重ねがいつかの大きなことを成し遂げる糧や経験となる。

何か大きなことを成し遂げる人は、こんなような感じかもしれない。

成瀬あかりは、ほんとうに天下を取るかもしれない!そんな予感がした。

 

154P

「成瀬さんの目標は?」

「わたしは二百歳まで生きようと思っている」

「さすがに二百歳……大変そうだね」

「昔は百歳まで生きると言っても信じてもらえなかっただろう。近い将来、二百歳まで生きるのが当たり前になってもおかしくない」

成瀬さんは生存率を上げるため、日ごろからサバイバル知識を蓄えているそうだ。

「わたしが思うに、これまで二百歳まで生きた人がいないのは、ほとんどの人が二百歳まで生きようと思っていないからだと思うんだ。二百歳まで生きようと思う人が増えれば、そのうち一人ぐらいは二百歳まで生きられるかもしれない」

唐突に、成瀬さんが好きだ、と思った。認めた、と言ったほうが正しいだろうか。もっとそばにいて、もっと話を聞いていたい。このままずっと、ミシガンが琵琶湖の上を漂ってくれればいい。

 

 <目次>

ありがとう西武大津店

膳所から来ました

階段は走らない

線がつながる 

レッツゴーミシガン

ときめき江州音頭

 

宮島未奈さん

1983年静岡県富士市生まれ。京都大学文学部卒。2018年「二位の君」で第196回コバルト短編小説新人賞を受賞(宮島ムー名義)。2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。同作を含む本書がデビュー作。