ぼくは、こんな先生に出会いたかったし教わりたかったな。
勉強が楽しめたし面白そうだから。
◎33P 楽しさを教えることこそ教師の役割なのだが
私は教えることが好きですが、それは、知識を学生に伝えたいからではありません。それよりも、「私が教えている内容はこんなに面白い」と学生に伝えたいからです。それを学生が知って驚くのを見たいからです。私が一番聞きたい反応は、「こんなことだったとは知りませんでした。目からうろこが落ちました。驚きです」というものです。
全く同感。知らないことを知ることは楽しい。まさに好奇心が勉強をさらに促進するんです。
57P 勉強している状態ほど、幸福な時はない
勉強すれば知識が広がる。好奇心が満たされる。ただそれだけの理由で勉強する。研究者が研究するのは、まさにこのためです。
ところが、多くの人は必要性で勉強を捉えています。勉強は、何か仕事のために必要だと思うから、こういう発想になります。しかし、勉強は、それ自体が楽しいから、やらなければ損だろうというのが、本書の立場です。
ウォーキングをしているとき、なにか大切なヒントがひらめきます。
散歩は、こころとからだの健康にもつながるベストな運動だと。
哲学者など古今東西の著名人がそう言っているし実感していることなのだから。
128P 歩きながら脳を刺激した人たち
江戸時代の儒学者貝原益軒は、「養生訓」でよく歩くことを進めています。雨の日は部屋の中でもよいから、毎日歩く。そうすれば、薬に頼らなくとも病気にならないと言っています。松尾芭蕉が「奥の細道」で歩いた距離は、約2400キロメートルと言われます。約150日間かけているので、一日平均約16キロ。移動しない日があったことなどを考えると、50キロも歩いた日もあります。
ウォーキングや散歩は、脳を刺激し活発化させる働きを持っています。歩くことは、優れたひらめきや直感を生み出す可能性を有していると思われます。
古代ギリシャのヒポクラテスは「歩くことは人間にとって最良の薬」と言いました。哲学者プラトンは、オリーブの木の下を歩きながら抗議したと言われています。プラトンの弟子アリストテレスは、学校の廊下を歩きながら授業をしたと言います。18世紀の哲学者イマヌエル・カントは、散歩を欠かさず、歩きながら思索を深めたと言われます。ワーズワースは、「書斎はどこにあるのか」と尋ねられた時に、「ここにあるのは図書館で私の書斎は戸外だ」と答えました。ニュートンやアインシュタインも散歩が好きだったそうです。
<目次>
はじめに 勉強をシニア生活の中心に据えよう
第1章 勉強こそ最高の贅沢
第2章 楽しいから勉強する。目的は要らない
第3章 記憶力の衰えでなく、好奇心の衰えこそが大問題
第4章 学び続けるために知っておくとよいこと
第5章 定年シンドロームに陥らないため勉強する
第6章 歩くことのさまざまな効用
第7章 講義を受けるのでなく、自分で学ぶ
第8章 デジタルはシニアの最強力の味方
第9章 ChatGPTが高齢者の世界を変える
第10章 ChatGPTとの会話
第11章 シニアのコミュニケーションはデジタルで
第12章 「時間旅行」という究極の楽しみ
索引
野口悠紀雄さん
1940年、東京に生まれる。63年、東京大学工学部卒業。64年、大蔵省入省。72年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専攻は日本経済論。著書に「「超」創造法」「生成AI革命」など。
