あるCMはクライアントの好みで出演者が決まっていたのか!
バブル時代の電通入社時から退職までの回想録だった。
若手でも給料が1千万円超え!
広告業界の一端を知り暴露本的な実話の生々しさが目に沁みた。内容はぼかしてあったが、関係者が読んだならば仮名やイニシャルであっても事実は難しくなくわかるだろう。
知っていることとして、高橋まつりさんの過労死事件、読売ヴェルディのユニフォームロゴ入りのスポンサー問題、ジャパネットたかたか!?ある通販会社のテレビ広報問題なども書かれてあった。
親として夫として人生の悲喜交々があって、電通マンとしてこれまで書いてもいいのか的電通自体の暗部を赤裸々に語っていた。
「鬼の十則」やブラックと名高いと聞いていたが、その想像の上を行くくらい異常な仕事の激務さ。上司やクライアントらからのブラック企業のような扱いは、いまではなかなか出来ない遺物ものだと感じたが……。
これまでの日記シリーズのなかでは、業界用語の意味を理解することができず内容を読み解くのは難しかった。
テレビなどのメディア、新聞社などのマスコミ、広告代理店の利害関係、博報堂も含めた広告業界の実態に触れた面白い読み物だったと思う。
<目次>
まえがき 「クリエイティブ」はエラいのか?
第1章 知られざる電通の内幕(土下座、クライアントは神さまです、24時間、戦えますか?繰り返された悲劇 ほか)
第2章 電通マンの修業時代(内定者パーティー、「ねえねえ、僕と一緒に来ない?」、新入社員研修、「ニュースステーション」の裏側 ほか)
第3章 ビッグプロジェクト(主導権争い、「俺は降りるぞ!」、大物セレブ、1人1年1億 ほか)
第4章 クライアントにバレてはいけない(僕とキミだけの秘密、そして出向、ラグジュアリーブランド、詰め腹を切る ほか)
あとがき 退職後の日常
1960年代生まれ。バブルの少し前に電通に入社。営業局に配属され、電機メーカー、外資系飲料メーカー、衛星放送局、通販会社などのクライアントを担当し、約30年にわたって業界の第一線で奮闘。